2015年5月19日(火)に実装予定の「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」(以下、Memory Record)。アップデートを控えて、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの『ラグナロクオンライン』(以下、RO)運営チームにお話をうかがうことができました。アップデートの詳しい内容はこちらのエントリーを見ていただくとして、こちらのインタビューではちょっとした裏話や、今後の『RO』の予定などをお話しいただきました。


 大幅にルールが変わって新たな展開が見られそうな「RJC2015」の話題や、誰もが気になる新職業「リベリオン」にかける意気込みまで、たっぷりとご覧くださいませ!


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▲今回のテストプレイ、およびインタビューにご協力くださった『RO』運営チームの皆様。PCオンライン本部 PCオンライン運営部 第1運営課の千葉亮一氏(中央)、中村聡伸氏(左)、長澤誠吾氏(右)。


■実は日韓共同企画で進められていた「エクセリオン装備」


――今回のアップデートはもともと「Episode10.0 ファンタスマゴリカ」と呼ばれていたわけですが、名称が「Episode:Memory Record」になった理由をもう少し詳しく教えていただけますか?


千葉亮一氏(以下、千葉氏)


 以前のカンファレンス等では「ファンタスマゴリカ」にはメカニック向けの装備が登場しますよということでお伝えしていましたが、ボリューム的にはそれほどでもなかったんです。開発元の韓国では次のエピソードである「メモリーレコード」で、今回ご紹介している「ライオットチップ[1]」など、高レベルキャラ向けの装備が導入されていました。とはいえ、メインのエピソードを日本で展開するにあたって、メカニック向け装備と高レベル向け装備を実装しますよというだけではちょっと押しが弱いと思ったんですね。そこで、日本側から提案をさせていただいて、ある意味、日韓共同開発・共同企画といった感じで新装備「エクセリオン装備」を導入することになったんです。こちらを丸ごとセットにするため、エピソード名称に関しては、内容をより象徴することのできる「Memory Record」としました。


――「エクセリオン装備」は日本からの提案だったんですか。


千葉氏


 そうです。韓国では次のエピソードに突入していますが、実質、ひとつ前のエピソードである「メモリーレコード」関連で新アイテムが入ることにユーザーも驚いていたようですが、そういう理由があったんですね。でも装備自体は魅力的に映ったようで、韓国のユーザーさんも盛り上がっていたと聞いています。昔に比べて、日本向けの独自のイベントやカルチャライズにとどまらず、ゲーム自体に対する提案も行っていき、良いと思ったら韓国のほうでも採用してもらうという、共同で企画を行えるような体制になってきているんです。


――なるほど。その第一弾が今回の「エクセリオン装備」と。


千葉氏


 はい。韓国でも今年の3月に実装されたばかりのものになっています。今までは日本向けの調整に関しても、数値の調整レベルに留まっていたんですが、「英雄の痕跡・魔神の塔」関連のアイテムに関しては性能からしてまるで韓国のものと違うんですね。今年はそこまで手を入れるようになったのか、という印象を持っていただけるのではないかと思います。その延長線上で、コンテンツをまるごと作ったのが今回の「エクセリオン装備」になるんです。「エクセリオン装備」に関しては3次職キャラすべてが対象となるので、そちらの調整を優先していまして、申し訳ないのですが、メカニック用の装備に関しては6月9日(火)までお待ちいただくことになってしまうのですが……。


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▲実は日韓共同開発とも言えるコンテンツだった「エクセリオン装備」。韓国ユーザーにも好評の様子です。


■今年もやります! ファン感謝祭&RJC2015は10月3日(土)!


千葉氏


 今回はこの場をお借りしていくつかお伝えしたいことがあるんです。今年は「ガンホーフェスティバル」には『RO』と『エミル・クロニクル・オンライン』が出ていませんので、イベントでカンファレンスを行うタイミングもないため、こうしてインタビューの場をお借りして、今後の『RO』の情報をお伝えできればと思いまして。


――そういえば今年はファン感謝祭がないのかという声も出ましたが、公式Blogでちらりと「秋に単独でイベントを開催する」ような告知もありましたね。


千葉氏


 はい。実は公式Blogでセカンドコスチュームの進捗を発表したり、先日も「13thアニバーサリーアイテムを作ろう!」イベントでいろいろ新情報をお伝えしたりしていたんですが、対外的な発表というわけではありませんでしたので。今回はいろいろ先のことまでお話しさせていただければと思うんです。


――なるほど。それはぜひお願いします。


千葉氏


 まずは、先ほども話が出た「ファン感謝祭」の件ですが、すでに開催日程が決定しています。2015年10月3日(土)、ディファ有明にて開催します。久々に古巣に戻る感じです(笑)。また、恒例の「RJC2015」(Ragnarok Online Japan Championship 2015)も開催予定です。日程の関係上、公式サイトでの詳しい案内は6月に入ってからの公開になると思うのですが、決勝戦のためにお休みの日程を調整されるユーザーさんもいらっしゃると思うので、場所と日付だけは先に公開しておこうと。


――たしかに。RJCだと予選なども含めて長期的に調整していけると嬉しいですからね。


中村聡伸氏(以下、中村氏)


 その「RJC2015」ですが、11回目となる今年はルールを大きく変更しています。まず7vs7のチーム戦を5vs5に変更しました。


――これまた大きな変更が……!


中村氏


 ただ、最近は他職のスキルを使えるアイテムというのも多くなってきていますよね。そういうものの使用を許可することで、かなり補えるようになってきているのも事実なんです。5人ならチームメンバーをより集めやすいというのもありますし、昨年などは6名で勝ち進んだチームもありましたから。


――そうでしたね。


中村氏


 個々ができることが増えたぶん、役割がより重要になってくるんですが、逆に、今までは「この職がいるからこの動きはするよね」というセオリーみたいなものができあがっていたと思うんです。そのへんにも変化が出るだろうという狙いもあります。その他、いろいろと制限も緩和されていまして、これまではMVPカードの使用はできなかったんですが、それも一部解禁しています。毎年恒例の練習用サーバなども設置する予定ですので、事前の調整はそちらでお試しいただければと思います。ルールの詳細や参加方法など、細かいことは先ほど言いましたように6月以降に公開になりますが、それまでもう少々お待ちください。


――まずは参加する人はスケジュールを開けておいてね、ということですね。


千葉氏


 あ、それと、リアルイベント絡みでお伝えしておきたいことがもうひとつあるんです。これは公式的に発表できないというか、告知できなくて心苦しいのですが、弊社は毎年サンバ(浅草サンバカーニバル)に参加させていただいています。今年も出る予定はあるんですが、まだ詳細は発表できないんです。そういった告知タイミングの関係もあって、今回もユーザーさんからの参加募集は難しいと思われます。ですので、「今年は募集があるかもしれない」と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんので、これだけは先にお伝えしていこうと。ごめんなさい、参加するとしてもユーザーさんからの参加募集は今年もありません、と。


――なるほど。「RJC2015」と同じでリアル予定の絡むイベントですからね。


千葉氏


 そうなんですよ。ですので会社としての参加が確定してからではいろいろと遅すぎると思いまして……この場をお借りしてお伝えさせていただければと。


■新職業「リベリオン」は年内実装に向けて鋭意調整中!


千葉氏


 次にお話ししたいのは、やはり生放送などで少し言及したりしていた新職業「リベリオン」についてです。


――ガンスリンガーの上位職業ですね。


千葉氏


 はい。そちらに関しても、なんとか実装をしたいと考えています。実はすでにエクストラカラーのドットキャラまでは公開できる段階になっています。


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▲エクストラカラーを含む、リベリオンのドットキャラクター。画像は開発中のものとなります。


――おお!


千葉氏


 ただ……ぶっちゃけた話、スキルを大幅に、見直しすると思います。


――おお……(苦笑)。忍者のとき(影狼&朧)もわりと調整に時間がかかっていましたが……。


千葉氏


 はい。そのときの反省も活かしつつ……。今は日本のテスト環境で動いていて、開発元とどのように調整するかを協議している段階です。なので、まだちょっとお時間はいただいてしまうかな、と。ただ、やる気はあるよという意気込みだけはお伝えしておきたいということで、決意表明というか。


――影狼&朧実装の際は、実装後にも調整が行われたという経緯がありましたが、なるべくそれがないように、完璧な状態で実装したいという……?


千葉氏


 はい。ああいったことはできるだけないようにしたいと思っています。特殊1次職系ということで、3次職との兼ね合い、バランス感がすごく難しいんですよね。3次職に比べれば転職しやすい職業ですが、やるからにはある程度の役割を持たせたい。朧などは攻城戦でも活躍ポイントはありますけど、それでいて3次職ほど強いわけではない、強くなってはいけないという面もあります。


――うーん、たしかに難しいところですね。ただ単にHPが低ければいいというわけでもないですからね。


千葉氏


 そうですね。ですから、コンセプトにしたがった形で調整した状態でご提供したいなと思っていまして、もう少しお時間をいただければと。ですが、なんとか今年中の実装を目標として進めていきたいと考えています。


――おお、今年中ですか! 期待しています。


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▲リベリオンのスキルの一例。「クリムゾンマーカー」は敵にマーキングをするスキルで、マーカーをつけられた対象はFleeが低下。また、マーカーのついた対象はミニマップに位置が表示されます。このマーカーのついた対象に影響を与える攻撃スキルもあるとか。(画像および内容は開発中のものです)


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▲使用者の足元に特殊なトラップを設置する「バインドトラップ」。トラップの効果範囲内に入ると移動速度が低下。効果範囲内の対象に特定スキルを使用すると、トラップが爆発して追加ダメージを与えるという要素もあるとのこと。(画像および内容は開発中のものです)


■6月にBaseLv130付近向けのピラミッドナイトメア、夏にはついにマラン島アップデート後半が!


千葉氏


 今回は「Episode:Memory Record」の実装ということでこうしてインタビューをしていただいているわけですが、「エクセリオン装備」などは、しれっと手に入るわりにはいい性能の装備になっていますよね。こういう装備は限界突破したスーパーノービスも欲しいと思いますよね。「これ装備できたらフェイス取らなくてもHPが高くなるのになぁ」って思う人もいるんじゃないかなと。


――そうですね(苦笑)。


千葉氏


 最近はいろいろとイベントなどを充実させていて、成長はさせやすくなっていると思うんです。ただ、やっぱりBaseLv120~130くらいからどうしても上げにくくなってくるとは思うんです。そして、なんといっても装備品が手に入りにくいという問題があると考えています。


――そこはありますね……。


千葉氏


 実はその問題に対処する意味もあって「エクセリオン装備」の実装という側面もあるんですよ。でも今言ったように、まだ足りていないなと思っています。その他の問題なども含めて、そういった点に関して、今後のアップデートでどんどん「補強」をしていきたいと考えています。まずはBaseLv130近辺のキャラ向けとしてピラミッドのナイトメアダンジョンを予定しています。もちろんモンスターのカードも同時実装予定です。最近は育成というとメモリアルダンジョンが多いので、通常ダンジョンで狩りをするという魅力も出していきたいなと。というわけで、ピラミッドナイトメアに関しては6月実装予定で進めています。


――おお、結構早いですね。


千葉氏


 で、7月以降はもう夏イベントということで、いつものような大イベントを開きつつ……。実は今年も「マラン島」を舞台にして開催しようと思っているんです。そしてこのタイミングで、ずっと“やるやる詐欺”状態(苦笑)だったマラン島アップデートの後半部分の実装をしていく予定になっています。


――ついに……!


千葉氏


 はい。先ほどの「エクセリオン装備」などもありましたが、開発元との連携がうまく回り始めているところですので、いい形で日本向けに提供できると思っています。


――マランエンチャントについて、韓国では課金絡みとなっている部分がありましたよね。


千葉氏


 はい。そのへんに関しても日本なりの考え方で実装していけるかなと。


――今回の「エクセリオン装備」や「魔神の塔」を見ていると、相当大規模に手を入れられると考えても……?


千葉氏


 そうですね。そのへんはもう担当の長澤がうまくやってくれていますので。


長澤誠吾氏


 はい、もちろん私だけでなく、弊社スタッフ一同、頑張ります!


千葉氏


 それと、「英雄の痕跡」でまだ実装していない「呪いの剣士」があるのですが、正直、「呪いの剣士」単体だとボリューム的にはあまり大きくはないんですね。で、日本ではまだ公開していない「フェンリルとサラ」「飛行船襲撃」もありまして、これらを、もしかしたらまとめて、まとめないにしてもあまり期間を開けずに順次実装していきたいと考えています。これらも「魔神の塔」を「魔神モロク」を倒すための過程となるような中間コンテンツに遷移させたように、そのときに必要なコンテンツになるように、大幅に手を入れての実装とする可能性も高いです。


――となると、韓国で実装されている制限レベルなども大きく変わってくると。


千葉氏


 はい。当然そうなる可能性もあります。最近は大幅に手を入れていないコンテンツはほとんどなくて、韓国情報があてにならないとは言われています(苦笑)。英雄の痕跡関連に関しては第3四半期(7~9月)……うーん、第4四半期(10~12月)になりそうかな……。ここまで導入すると、韓国で実装されているコンテンツにほぼ追いつきますが、その勢いでガンガン実装していきますので、楽しみにしていただければと思っています。


■旧フェイヨン復活計画、始動!


千葉氏


 それから、これはまた話は変わるんですが、昔のフェイヨンの実装を計画しています。


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――懐かしい!


千葉氏


 実は先日の「モロク復興」がすごく話題になっていまして。その内容が「むしろモロクっていつ壊滅したの?」という話題もあったりして(笑)。


――ええっ!


千葉氏


 まぁ、要は、モロク壊滅の前に『RO』をやらなくなっていた方々も話題にしていただいているということなんですよ。で、そこで必ず話題になるのが「フェイヨンも元に戻してよ」って声なんですね。


――そうですね。というか、変更があったときからずっとそういった要望は聞きますよね。


千葉氏


 ええ。ただ、それがいまだに話題にされるということは2004年以前のユーザーさんも多いんだなーと。話題性としてもわかりますし、我々もユーザーとして見るとこっち(旧フェイヨン)のほうが利便性高いんじゃないかと思ったりもして(笑)。開発元とも、そんな話をずっとしてきたんですが、ただ、現在のフェイヨンを差し替えて元のフェイヨンに戻すことはできないんですよ。実は「サラの記憶」などでは現在のフェイヨンと同じデータを使っているので、かなり問題が出てきてしまうんです。


――物語的にも昔のフェイヨンを舞台にしている、という整合性も……。


千葉氏


 はい。そういう面もありますよね。とはいえ、開発元と交渉して、なんとか旧フェイヨンを、改めて再現するというアグリー(同意)は取ったんですよ。今回ようやく、旧フェイヨンの実装が進められることになったんです。ただ、現在のフェイヨンは残さざるをえないので、どういった形になるかは別として、あの昔のフェイヨンにまた行けるということにはできそうです。


――なるほど。現在のフェイヨンはそのままとしても、旧フェイヨンにももう一度ゲーム内で行けるようになるんですね。


千葉氏


 はい。まだちょっと先になると思いますが、楽しみにしていただければと思います。


■13年続いている老舗タイトルとしての強みを活かし、今後も走り続ける『RO』


千葉氏


 先ほどから不足している部分を補強するとお伝えしていますが、なおかつハイエンドユーザーさんも多くいらっしゃいます。「魔神殿」ですら生ぬるいというユーザーさんもいるんですね。そういった方向けに高難度のコンテンツも用意しています。が、一方で「モロク、懐かしいねー」って言って戻ってきてくれている方もいるんですね。そういう方って、既存ワールドで復帰するというよりは、Breidablik(編注:ブレイザブリク。現在の最新ワールド)でイチから始める方も少なくないんですよ。


――イチから復帰するとなると、比較的初心者の多いBreidablikは入りやすい環境ではありますからね。


千葉氏


 そういった方も含めて、新規プレイヤー向けの施策も考えています。当然、今はWelcomeサービス(新規アカウントであれば期間限定で無料接続が可能なサービス)もありますが、新しい形での初心者向けのサービスも計画しています。既存の高レベル帯、中レベル帯向けのアップデートばかりではありませんので、ご安心いただければと思います。


――なるほど。初心者向けアップデートがあれば復帰者もそれに合わせて復帰しやすいかもしれませんしね。


千葉氏


 それと、「Episode:Memory Record」の次に関しても少しお話ししておきましょうか。次は韓国では「Episode16.1 Banquet For Heroes」(英雄たちの宴)というタイトルのエピソードとなっています。ちなみに韓国ではすでに、さらに次のエピソードを開発中との情報も得ていますが、現状ではこの16.1が最新の状態ですね。次の舞台はプロンテラとなります。プロンテラの地下に存在するユミルの心臓の欠片に関する物語であるとか、それを狙うヴァルキリー軍団なども絡んできます。これらは「グラストヘイムメモリアル」などにも出てきますね。そういったキャラたちがいよいよストーリーに登場します。また、このエピソード16.xに関しては開発中の16.2では終わらないかもということを開発元からうかがっておりまして、シュバルツバルド共和国、アルナベルツ教国も絡んだ、ミッドガルド大陸全体の物語になっていくようです。まさに往年のプレイヤーさんが気になっている物語、伏線の回収なども行われていくのではないかと。特にプロンテラでは「王様は結局どうなったの?」というお話に決着がつく感じです。


――そうですね。そこはちょっと気になっていました(苦笑)。


千葉氏


 シナリオ的には……まぁ「ようやくか」ってところもあるんですが(苦笑)、進んでいく予定です。


――異世界編が長かったですからね。


千葉氏


 そうなんですよ。ちょっと7年は長すぎたかなと。ということで、韓国のエピソード16.1に当たる部分も、日本では年内に導入したいなと考えているんです。


――これも年内ですか。年内の予定がすごいことになりそうですね……。


千葉氏


 えーと、多分毎月何かしらやっていく感じになります。


――ずっとコラムを書いていましたけど、去年も毎週ネタには困らなかったくらいなんですよ。


千葉氏


 いや、本当に、実は一昨年くらいまでは何をやっていこうか、どうしようかという状態になっていたんですが、去年はほぼ隙間なく何かしらやっていましたね。事前に発表していなかった小ネタも含めて、たとえば「RO企画室」で作った新装備を実装したり、ぷちクエスト的なものをやってみたり。今年ももうすでにそういった小さめのイベントの企画が動いているものも多いんですよ。そういった意味では今年も盛りだくさんで行く予定です。イベントは多くのユーザーさんに楽しんでいただきたいですからね。もちろんエピソードアップデートのような大きなアップデートはもっと多くのユーザーさんに楽しんでいただいたいですし、「英雄の痕跡」のような中規模小規模向けのアップデートに関しても、コンセプトが明確化しているような感じでのご提供をしていけたらなと思っています。


――そうですね。コンセプトが明確化している分、合うキャラで楽しめるというか、逆にこのキャラではやらなくてもいいなという、方向性が決めやすくなったかなと。


千葉氏


 「ホラーおもちゃ工場」のアップデート発表の際にも言ったんですが、「レベル○○になったらコレができる」という導線を作り上げておこうという方針でやってきたんですね。今はそこに、さらに足りない部分を足していって、横の広がりを持たせているという感じになっています。今後もコンテンツは充実していくと考えています。とにかく色々続けていきますよと強くご案内したいですね。


――というと?


千葉氏


 最近、「『RO』ってまだアップデートしているの?」って言われているのを目にするんですよ。


――そういえば、昔やめてしまった元プレイヤーの知人からも、「『RO』ってまだやってるの?」って聞かれることはあります。「え? がんがんアップデートしてるよ」って答えてますけど(笑)。


千葉氏


 ええ、むしろアップデート頻度は増えているんです。ですので、そういったところはもっとアピールしていかないとな、と考えています。


――一方で旧フェイヨン復活などもあって、昔のユーザーにも楽しんでほしいと。


千葉氏


 はい。先日のモロクの定点カメラ(編注:公式特設サイトでニコニコ生放送を使ったゲーム内定点カメラが公開されていました)では、モロクを見ながら元ユーザーさんたちが酒の肴にする感じで雑談されていたんですよ。そういうのもアリなのかなって思うようになったんですね。10年前の感覚って懐かしいんですけど、かといって、10年前の生活環境が戻ってくるわけじゃないじゃないですか。


――それはたしかに。


千葉氏


 同じ感覚で遊ぶのはやっぱり難しい。でも、経験値テーブルも変わりましたし、さくっと遊ぶぶんにはかなり遊びやすくなっていますので、まずはきっかけづくりと言いますか、老舗タイトルとして昔の話で盛り上がっていただけるのなら、そういう話題提供もありかなと。もう運営開始から13年目ですが、逆にそういうところも強みになると思っているんですね。元プレイヤーさんも、もし時間が作れるようでしたら、様子を見にログインしてみてもらえれば嬉しいです。


――なるほど、わかりました。本日はどうもありがとうございました。


 運営開始から13年経過しても、まだまだ攻めの姿勢を見せる『RO』。長期間運営していたにも関わらずサービスを終了するPC用オンラインゲームの話題が多く聞かれる状況のなかにあっても「やる気十分」といった意気込みでした。『RO』に限らず、プレイヤーのMMORPGに対する向き合い方が変化しつつある昨今、開発元との連絡を密に取りながら、より積極的なアップデートを行っていく姿勢が感じられたのではないでしょうか。5~6月にかけての「Episode:Memory Record」アップデート、そして夏のマラン島イベント&アップデート、秋のファン感謝祭と、今年も予定が詰まっています。話題に乗り遅れないように、逐一チェックしていきたいところです。