さて、初心者・復帰者企画も5キャラ目。今回からは、育成がやや難しいマジシャンを育てていくことにします。


 マジシャンは、その名のとおり、魔法系スキルを駆使して敵を倒していく職業。マジシャン時代は“ボルト系魔法”と呼ばれる、「ファイアーボルト」「ライトニングボルト」「コールドボルト」といった、属性別の攻撃魔法を主体に戦っていきます。


 ただし、魔法系のスキルは、その強力な威力とは引きかえに、スキル詠唱時間が長めに設定されていて、魔法の詠唱が完了するまで、どのように身を守るかというのが重要になってきます。前衛戦闘系のようにクリックして敵を攻撃し続ければいいわけではないため、中級者以上向けの職業とされているのです。


 また、前述のボルト系魔法は、名前のとおり、それぞれ固有の属性を持っています。「ファイアーボルト」なら火属性、「ライトニングボルト」なら風属性、「コールドボルト」は水属性……。アーチャー育成編・その1でも書きましたが、敵の属性に応じて使用するスキルを使い分けていかないと、効率のいい攻撃はできません。


 属性が合わないとせっかくの高い威力のスキルの効果が減少するばかりか、状況によってはまったく通じないということもあるのです。マジシャンを目指そうとするならば、まずは敵の属性と自分のスキルの属性を把握するのが最重要となるわけです。


 そのあたりも含めて、今回のマジシャン育成編では、育成の過程におけるスキルの使い方なども書いていく予定です。復帰者の方にはちょっと説明過剰になるかもしれませんが、ご了承くださいませ。


 マジシャンは様々な攻撃魔法を操るウィザード(3次職はウォーロック)と、支援魔法を扱うセージ(3次職はソーサラー)に転職できますが、今回は正統派の魔法使い、ウィザードを目指していきたいと思います。


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▲敵の弱点属性を突くことで強力な魔法をさらに効率よく使いこなすマジシャン。パーティープレイでも攻撃の要として活躍できるようになります。が、そのためにはプレイヤーとしての知識も必要になってきます。



■攻撃力はMatkを参照! ステータスの基本とは?


 最初にいろいろ説明しても仕方がないので、細かいことはプレイしながら覚えていきましょう。ということで、さっそくキャラクターを作成し、冒険者アカデミーで話を聞いてマジシャンへ転職。マジシャンになるにはゲフェンの北東にある転職場で話せばOK(まぁ、NPC「フェイ」から転送してもらえますけど)。


 冒険者アカデミーに戻ってきたら、「[衣装] ビギナー帽」や「アカデミー新入生帽子[0]」をもらって装備。新キャラの味方「ポリン団クエスト」を受けて、まずは「ポリン」を倒しに行きます。


 この際、他のキャラではDexに目一杯ステータスポイントを振って、Hit(命中率)を確保していましたが、マジシャンの場合は10程度に抑えておくほうがいいでしょう。マジシャンは、攻撃力の確保のためにIntを高めたほうがいいというのが主な理由です。


 「ナイフ[3]」でポリンを倒すのはちょっと時間がかかるかもしれませんが、初心者用の装備でHPが増強されているはずなので、ガチ殴りでもいつかは倒せます。時間はかかりますが、まずは我慢してチマチマとダメージを与えましょう。


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▲私の場合、Dexは11に抑え、あとは最初からIntを上げていきます。Intは物理攻撃時には全く影響しないので、直接攻撃のダメージは低いままですが、「ポリン」程度なら大丈夫。


 クエストクリアや敵から獲得した経験値によってBaseLvが10になったら、「レベルアップボックス(Lv10)」をオープン。「武器交換チケット」(と「防具交換チケット」)を「マスター・スヌス」のもとへ持っていくと、「ロッド[3]」がもらえます。


 注意したいのは、魔法攻撃職の攻撃力は、武器の「攻撃」の欄を見ても意味がないということ。武器の「攻撃」の欄はその武器で直接敵を物理攻撃した場合の攻撃力(Atk)であり、魔法攻撃の攻撃力は、武器に書かれている「Matk」を参照しなければなりません。


 武器によってはこの「Matk」が設定されていないものもあり、そういう武器を使って魔法攻撃をする場合は威力が高くならないというわけです(ただし、精錬を行うと精錬値に応じてMatkもわずかに加算されます)。そんなわけで、魔法攻撃職の場合は、Matkの高い武器を使うというのが重要です。


 なお、盾に関しては装備したほうがDef(防御力)を高められるのですが、盾装備によるAspd(攻撃速度)の低下というのは、武器を振り下ろすモーション全体にかかるため、魔法発動時のモーションも微妙に遅くなったりします。個人的には、よほど強力な盾を持っているか、盾に刺したカード効果を得るためでもない限り、盾を装備しない派なので、今回も盾は装備せずにいこうと思います。ただ、マジシャンやアコライトといった魔法職では、これまでのAgi型前衛職とは違い、盾装備を検討するのも重要になることが多いので、頭の隅にでも覚えておいてください。


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▲武器に記載されたMatkの数値に注目。


■マジシャンの育成タイプは?


 さて、マジシャンを育成するにあたり、事前に決めておきたいのはステータスタイプです。すでにIntが最重要というのは書きましたが、育成方法によって、必要なスキルやステータスが大きく変わってきます。いろいろな例があるのですが、主流となっているのは以下の2タイプです。


Int-Dex型

 攻撃特化型のマジシャン。Intを再優先で高めて魔法攻撃力を高めつつ、Dexを上げることで詠唱時間を短縮し、強力な攻撃魔法を矢継ぎ早に撃ち込んで敵を殲滅します。ただし、防御に関してはまったく考慮されていないため、後述する「ファイアーウォール」を使った防御テクニックが必須となります。


Int-Agi型

 Agi型前衛系と同様に、Agiを高めてFlee(回避力)を上げ、敵の攻撃を回避しつつ魔法を詠唱するタイプ。ある程度Agiを高める必要があるため、序盤はIntを抑えなくてはならず、攻撃力は低めとなります。またDex型に比べて詠唱時間も長くなるため、殲滅力も低め。高レベルの「ファイアーボール」など、詠唱時間の短めの魔法を利用し、属性相性のいい敵を選んで戦っていきます。どちらかというと初心者マジシャン向けで、ムリをせずにソロでのんびり狩りたい人向け。


 覚えておきたいのは、敵の攻撃を被弾すると、スキル詠唱が中断されてしまうということ。Int-Dex型は、「ファイアーウォール」という炎の壁を作り出すスキルで敵の進行を阻んでいる間に別の魔法スキルの詠唱を行います。Int-Agi型は接近されてもAgiによる高Fleeで敵の攻撃を回避して被弾しないという戦闘スタイルをとっています。どちらも一長一短ありますが、融通の効くのはInt-Agi型かもしれません。「ファイアーウォール」のテクニックを習得していないという人は、序盤はInt-Agi型で育成し、安定して狩れるようになったらイズルードから行ける「リフレッシュルーム」を利用してInt-Dex型に変更するというのがいいかもしれません。


 私は長いことセージを育成したことがあった(今ではソーサラーですが)ため、人並みには「ファイアーウォール」を使えることもあり、Int-Dex型で育成していくことにしようと思います。


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▲攻撃力が高いInt-Dex型は比較的人気が高いステータスタイプ。Intを上げることによって詠唱時間も少し短縮されるので、まずはInt99を目指してしまえばいいのもわかりやすい感じです。BaseLv20のときのステータスとスキルはこんな感じです。


■序盤は属性相性に悩まされるかも……?


 さて、マジシャンであっても序盤は「ポリン団クエスト」を進めていくことになります。ただ、クエスト対象となるモンスターによっては、使用できる魔法スキルとの相性が悪い敵もいるため、「ファイアーウォール」を習得するまでの育成は、クエストに頼らずに、自力で狩りを行うというスタイルでもいいかもしれません。


 ただし、同じアカウント内のキャラクターが、まだ「アカデミーバッジ[0]」や「冒険者のリュック[0]」を入手していない場合は、「ポリン団クエスト」を進めて「単位」を稼ぎ、冒険者アカデミーの「試験」をクリアするようにしましょう。


 マジシャンの場合、最優先で習得したいのは、前述している「ファイアーウォール」。「ファイアーウォール」を習得するためには、「ファイアーボルト」Lv4、「ファイアーボール」Lv5、「サイト」Lv1が前提条件となります。ここまで最速で取っていきたいため、他の属性の魔法スキルは後回しにしたのですが、そうなると、火属性の攻撃がメインとなるため、同じ火属性の敵に対しては戦いにくくなります。


 「ポリン団クエスト」の第4話「狙われた食堂!!(3)」で倒すことになる「子デザートウルフ」は火属性(火1属性)。同じ火属性の「ファイアーボルト」は威力が25%に低下してしまいます。それでもダメージを与えられないわけではないので、敵の足が遅いことを利用して、魔法を当てたらちょっと離れて再度詠唱という、いわゆる“逃げ撃ち”を繰り返して倒していきます。


 「子デザートウルフ」がリンクしてきて大量に襲ってくる場合は、いったん遠くまで逃げて、ターゲットを解除するのもひとつの手です。


 また、クエストを進めて行くことで、やはり属性相性の悪い「ヒドラ」(水2属性。火属性攻撃は25%となります)も狩ることになると思います。「ヒドラ」は選択式で選ぶことになるので、別の敵を選んでもいいのですが、遠距離攻撃が可能な職の場合は倒すのが楽なので、ダメージが低下しても「ヒドラ」を選択する意味はあると思います。


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▲「子デザートウルフ」など、属性相性の悪い敵にはちょっぴり苦戦を強いられます。属性を付与できる「リカバリープレート」は直接攻撃にしか影響しないので、習得している魔法スキルでなんとかしていくしかありません。


■「ファイアーウォール」を使った防御テクニックの基本


 さて、そんなこんなで「ファイアーウォール」を習得したら、防御用のテクニックを練習していきましょう。正直、「ファイアーウォール」を使わなくても転生まではいけちゃったりもするのですが、覚えておけば戦い方の幅が広がり、行ける場所もグンと多くなります。マジシャンなら習得しておきたいテクニックと言えるでしょう。


 まず「ファイアーウォール」はLv10まで習得しましょう。習得レベルが高いほど、詠唱速度が早くなるためです。アクティブモンスターがいる地域を歩く際は、常に「ファイアーウォール」のショートカットキーの上に指を置き、いつでも発動できるようにしておきましょう。


 今回は、いにしえの昔から「ファイアーウォール」の練習台となってきた「アルギオペ」の生息するマップ「ミョルニール山脈 10」を舞台にしてみました。まずは、「ファイアーウォール」で敵の進路を阻む際の基本形を見てみましょう。


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▲敵の進路に対して、縦に「ファイアーウォール」を設置します。これがいわゆる“縦置きFW”です。画像では横向きですが、敵の進路に対して縦になっているので縦置きと呼ぶのは変わりません。


 さて、普通に設置したのでは、「ファイアーウォール」は敵に対して縦には置けません。「ファイアーウォール」は、自分と設置セルに対して横方向に発動するようになっているからです。敵の進行方向に対して縦にするためには、設置した「ファイアーウォール」に向かって縦に移動してくるように、敵を誘導する必要があるわけです。


 ここで重要になるのが敵の動きを把握するということ。敵は、キャラクターを認識すると、キャラクターの隣のセル(縦横ナナメの8セルのうちのどれか)にやってきて攻撃を行おうとします。その際、最短コースを移動してくるわけですが、途中でキャラクターが移動すれば、再度キャラクターの隣接マスを目指し、進路を変更して移動してきます。その進路を見極め、そこにあらかじめ「ファイアーウォール」を置いておけばいいわけです。


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▲敵がキャラクターを認識して一直線に向かってきます。赤い矢印が敵の進路、青い四角が「ファイアーウォール」設置予定位置です。自分のキャラに対して真東、真西、真南、真北から来る敵には対処しにくいので、できるだけナナメ方向へ移動してからのほうがわかりやすいです。


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▲さきほどの青い四角のセルに「ファイアーウォール」を設置します。設置セルは自分の真横なので、「ファイアーウォール」は縦に出現します。敵はキャラクターの隣のセルを目指してくるというのは変わりませんから、そのまま「ファイアーウォール」を縦断するような進路に誘導するために、キャラクターを移動させます。あくまでも、「ファイアーウォール」設置後に移動、です。逆だと「ファイアーウォール」がナナメになってしまいますので注意。


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▲基本形の完成です。あとは敵の目標地点である自分の隣のセルに次の「ファイアーウォール」を設置(縦に出ます)して、「ファイアーウォール」と並行に移動していけば、敵は炎の壁の中でダメージを受けながら追いかけてくることになります。敵が炎の壁に弾かれている間に攻撃魔法を詠唱して叩き込んでやれば楽勝です。


 慣れるまではなかなか難しいかもしれませんが、敵がどんな風に移動してくるかさえ予想できるようになれば、あとは感覚でやっていけるようになるはずです。


 なお、「ファイアーウォール」は、火属性の敵はスルーして通り抜けてくること、不死属性(いわゆるアンデッドモンスター)は「ファイアーウォール」によるノックバックが発生せず、ダメージを受けながらも前進してくること(「ファイアーウォール」を踏み潰してくる感じ)に注意してください。不死属性の敵の場合は、ダメージは与えられるので、逆に利用して一気に大ダメージを与えることもできますが、火属性の敵にはほぼ無力となります。


 また、「ファイアーウォール」は同時に3枚までしか設置できないことにも注意。「ファイアーウォール」は1枚で縦か横3セルぶん(ナナメだと5セルぶん)設置されますが、全セルのうちの1セルでも残っていると「1枚」とカウントされます。初心者のうちは慌ててナナメに設置した「ファイアーウォール」の一部を突破されて接近されるといったことも多くなります。できるだけ真横や上下のセルに対して「ファイアーウォール」を設置していくように心がけていくといいでしょう。


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▲「ファイアーウォール」の練習で「アルギオペ」を狩っているだけでBaseLv40に。ここまでのステータスとスキルはこんな感じです。スキル振りに関しては、ウィザード用の前提スキルを考慮した振り方になっています。