ガンスリンガーに引き続き、今回から、特殊1次職の忍者の育成についてレポートしていこうと思います。忍者という名前の響きに心惹かれる方も多いと思われますが、ガンスリンガーと同様に、初心者が最初に育成する、いわゆるファーストキャラとしては、あまりオススメできません。ガンスリンガー育成編の冒頭でも書いたように、特殊1次職はいろいろな制約があり(「レベルアップボックス」の恩恵が受けられないなど)、育成の難度が高めだからです。


 特に忍者は消耗品やスキルに使用する触媒の値段が高めなので、少なくとも、マーチャント系のキャラクターをある程度育成できているのが望ましいと思われます。また、同様に、育成にかかる資金の確保もしておきたいところ。数十万zeny程度はポンと出せるくらいの資産は欲しいかもしれません。


 もちろん、近接攻撃を主体にすればZenyのかからない育成も可能ではあるのですが、それだけではせっかくの忍者のスキルを活かせないばかりか、育成のスピードも遅くなりがちです。それなりのZenyをかけたぶんだけ、強力な攻撃手段で快適に育成できるというわけです。


 さて、まずはそんな忍者の育成方針から解説してみましょう。


 忍者は、大きく分けて、近接型、投擲型(飛刀型とも呼ばれます)、忍術型の3つに分けられます。近接型は手にした武器で攻撃を行うタイプ。忍術型というのは、いわゆる魔法使いタイプ。属性魔法を使って敵を攻撃すると考えればわかりやすいでしょう。その性質上、IntやDexにステータスを振らなければならないので、防御力にやや不安が残ります。敵の属性を把握する必要もあるので、プレイヤースキル的に考えても少し上級者向けです。そして忍者ならではとも言えるのが投擲型。これは手裏剣や苦無、風魔手裏剣などを使って遠距離物理攻撃を行うタイプ。手裏剣と苦無はアーチャー系の矢に相当する消耗品、風魔手裏剣は武器扱いで消費はしません。


 これらの各タイプは、明確に分かれているわけではなく、スキルの取得に応じて自分なりにカスタマイズしていけます。例えば、近接攻撃をメインにしつつ、状況に応じて投擲スキルを使っていくタイプや、近接攻撃と忍術を組み合わせて戦うなどといったことも可能です。忍者は特殊1次職ですから、JobLvは70まで上げることができ、スキルポイントも69ポイント割り振れるため、わりと自由度は高くなっています。


 忍者はBaseLv99、JobLv70まで育成することで、影狼(かげろう)、朧(おぼろ)という上位職に転職が可能です。注意点として、忍者の男性キャラは影狼に、女性キャラは朧になります。また、影狼と朧では習得できるスキルに違いがあります。大まかにわければ、影狼は体術(近接)系スキルが得意、朧は忍術系スキルが得意という特徴があります。この点を考慮し、男性キャラを育成するか、女性キャラを育成するかを決定するといいでしょう。


 影狼&朧に関して、より具体的なことは、影狼と朧の実装時に公開された公式特設サイトなどを確認するといいかもしれません。


 公式特設「影狼・朧」スペシャルサイト


 忍者の育成に関しては、最も人気なのは投擲型、次いで忍術型でしょうか。忍者には一定回数、物理攻撃を回避するスキルがあり、敵と真正面から殴りあうよりも、距離を取って戦うスタイルが一般的です。


 さて、育成するにあたり、影狼目標の男性キャラか、朧目標の女性キャラか迷ったのですが、私自身、メインで活動しているワールドに朧を所持しているため、今回は男性キャラを作成することにしました。育成タイプはオーソドックスに投擲型の予定です。


 ということで、前置きが長くなりましたが、育成の模様をお届けしていきましょう。


01
▲影狼を目指す男性忍者を投擲型で育成していきます。女性忍者の場合も投擲型での育成は人気はありますが、朧になったときのために最初から忍術型で育成していくという人も多いようです。



■忍者転職クエストでは「鉄鉱石」の入手が意外な難関!


 キャラクターを作成し、冒険者アカデミーで話を聞いてBaseLv9、JobLv10に。NPC「フェイ」の選択肢で忍者を選び、転職所のあるアマツへ転送してもらいます。


 転送された先は転職クエストの起点NPC「クウガ・カイ」の目の前。話しかけると、なんだかんだで転職のための任務を言い渡されます。アインブロックにいるらしい「野羊」という人物を探しだして手紙を届ければいいとのことですが、実はこのクエストが結構難関です。


 冒険者アカデミーに戻り、「転送サービス」という看板を出しているNPC「タール」に話しかければアインブロックに転送してくれます。忍者転職のクエストNPCはアインブロック中央部にある展望台の上におり、ここに移動するには1回につき10zeny必要。あらかじめ倉庫のアイテムを売却するなどして、手持ちのZenyを確保しておきましょう。


02
▲「気になるあの子」の報酬でももらえる「イグドラシルの葉」などは、ある程度まとまったZenyになるので、1~2枚売却しておくといいでしょう。もちろん、ほかに売れるアイテムがあるならこの限りではありません。


03
▲アインブロックの展望台へは北側と南側のどちらからでも移動できます。マップ中央付近を目指していけばいいでしょう。


04
▲展望台の上にいるNPC「青年」に話しかけると、「野羊」を捜すのを手伝ってくれるそうですが、その前に彼の仕事の手伝いをしてほしいとのこと。「鉄鉱石」30個、「プラコン」1個を渡さなくてはなりません。


 先に言ってしまいますが、アインブロックの展望台にいる「青年」に頼まれたアイテムを納品したあとで、「クウガ・カイ」にもまったく同じアイテムを要求されることになります。つまり、忍者に転職するためには「鉄鉱石」60個、「プラコン」2個が必要ということです。


 「プラコン」は、各街の精錬所で、1個200zenyで購入できますので問題はないのですが、ネックになるのは「鉄鉱石」。基本的にはモンスターからのドロップで手に入れるしかありません。


 もちろん、買取露店で買取を行ってもいいのですが、すぐに売ってくれる人が現れるかどうかは状況によります。


 「鉄鉱石」をドロップするモンスターで倒しやすいのは「メタリン」、「スチールチョンチョン」、「スタイナー」など。この中で最もドロップ率が高いのは「メタリン」で、「スチールチョンチョン」と「スタイナー」は同程度。とはいえ、「メタリン」でも十数匹に1~2個というペースなので、60個の「鉄鉱石」をそろえるには結構時間がかかります。今回、数をそろえるまでに、約1時間かかりました。


 「メタリン」が手強い場合は、さらに時間はかかりますが、「スタイナー」がオススメです。なぜかというと「スタイナー」のドロップする「華麗な蟲の皮」は属性コンバーターの材料になっているため、買取を行っているプレイヤーが多いからです。資産が少ない場合はお金稼ぎもできるので一石二鳥です。


 また、忍者育成をファーストキャラで挑戦している人の場合は、ノービスでも倒せる「チョンチョン」から「鉄鉱石」のドロップを狙うこともできます。ただし、「スタイナー」よりもドロップ率が低いので、かなり時間がかかるのは覚悟してください。


05
▲「チョンチョン」を狙う場合は「ゲフェンフィールド 04」(ゲフェン↑)がオススメ。


06
▲「スチールチョンチョン」を狙う場合は「コモドフィールド 09」(モロク↓↓←)がオススメ。


07
▲「スタイナー」を狙う場合は「プロンテラフィールド 00」(ゲフェン→→)がオススメ。


08
▲「メタリン」を狙う場合は「アインブロックフィールド 08」(アインブロック↓)がオススメ。


 アイテムがそろったら再び展望台に上り、「青年」に話しかけます。会話終了と同時にアマツまで自動転送してもらえるので、転送先から北東方面にある忍者転職所へ。そこで前述したように「クウガ・カイ」にもアイテムを渡せば、晴れて忍者に転職することができます。


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▲忍者転職所には掛け軸の裏にある隠し通路を通っていきます。迷ってしまったら、いったんアカデミーに戻り、「フェイ」に転送してもらってもいいでしょう。


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▲いろいろあって「クウガ・カイ」にもアイテムを頼まれ、納品するハメに。


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▲納品を行うと、ようやく忍者への転職が認められます。なお、この際、「レベルアップボックス」や「[衣装] ビギナー帽」などは回収されてしまいますので注意。


 ということで、転職クエストのない通常の1次職はもちろん、同じ特殊1次職であるガンスリンガーと比べても、結構手間のかかる転職クエストになっています。育成を急がないのであれば、あらかじめ時間のあるときに別キャラで「鉄鉱石」を集めておくとスムーズにいくと思います。


■かなり特殊(!?)なステータス振りの「投擲型」


 今回のキャラは「投擲型」で育成すると書きましたが、メインで使っていくスキルは投擲スキルで最も使いやすい「苦無投げ」になります。「苦無投げ」は装備する苦無によって属性を変えることができる必中攻撃です。


 「手裏剣投げ」も必中攻撃ですが、「苦無投げ」に比べると威力がやや低めなのと、必ず無属性になってしまう特徴があります。敵と接近したときの連射性は高いため、使いどころによっては威力を発揮しますが、もともと距離を取って戦いたい忍者ですから、使用する場面は限定的になります。


 「風魔手裏剣投げ」に関しては、そもそも武器である各種風魔手裏剣の入手が難しい(敵のドロップアイテムなどを集めて作成する)のがネックです。他プレイヤーが露店で安く売っていることもあるので、タイミングよく入手できたら使用していくといいでしょう。


 「苦無投げ」を取得するには前提スキルとして「投擲修練」(Lv1)、「手裏剣投げ」(Lv5)が必要です。「苦無投げ」習得までのレベルアップには「ポリン団」クエストがオススメです。


 なお、「投擲修練」は「苦無投げ」や「風魔手裏剣投げ」には影響しないため、前提のLv1だけでも問題はないと思います。「手裏剣投げ」には影響するので、「手裏剣投げ」も使っていくという場合にはもっと上げてもいいでしょう。

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▲BaseLv12時点のステータスはこんな感じ。「手裏剣投げ」も「苦無投げ」も必中なので、DexよりもStrへ振っています。


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▲スキルに使う「手裏剣」などはアマツの忍者転職所やプロンテラなどで購入できます。マーチャントスキルの「ディスカウント」などが有効なので、倉庫経由で受け渡しするといいでしょう。


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▲Dexに振っていないと通常攻撃は当てにくいのですが、「手裏剣投げ」は必中なので安定してダメージを与えられます。「手裏剣投げ」および「苦無投げ」のダメージはStr(Atk)が重要なので、しばらくはStr全振りの予定。なぜほかのステータスに振らないかは後述します。


■「苦無投げ」を習得したら「空蝉」習得を目指そう


 「ポリン団」クエストを進めて「苦無投げ」(Lv5)を目指します。敵を選択できるようになってきたら遠距離職向けの敵を選択していくと比較的楽に倒せると思います。「マンドラゴラ」「スケルトン」「マンドラゴラ」「フローラ」……と選択していくと、火属性の「烈火の苦無」1種類だけですむので便利です。


 なお、「スルメイカ」と「トビウオ」以外の各種苦無はアイテム交換で入手します(プロンテラおよび忍者転職所にて)。材料となるアイテムの販売NPCは、交換NPCの隣にいるので、迷うことはないでしょう。ただし、各苦無の交換レートはまちまちなので、その点にだけ注意してください。


●苦無交換材料(1個あたりの値段は定価の場合)


「爆裂の苦無」20個:「鋭刃の手裏剣」20個+「黒色火薬」1個(影狼&朧専用
「猛毒の苦無」10個(属性):「手裏剣」20個+「影宝珠」1個(苦無1個あたり38zeny)
「氷柱の苦無」10個(属性):「雨雲の手裏剣」8個+「氷閃石」2個(苦無1個あたり38zeny)
「狂風の苦無」10個(属性):「閃光の手裏剣」4個+「風鈴石」2個(苦無1個あたり38zeny)
「黒土の苦無」10個(属性):「鋭刃の手裏剣」2個+「影宝珠」1個(苦無1個あたり38zeny)
「烈火の苦無」10個(属性):「刺針の手裏剣」1個+「烈火石」2個(苦無1個あたり40zeny)


「トビウオ」200個(無属性):「トビウオパック」を開ける(「マラン島特産缶詰」200個と交換)
「スルメイカ」200個(無属性):「スルメイカパック」を開ける(「マラン島特産缶詰」200個と交換)

 苦無は攻撃1回ごとに1個消費するので、攻撃自体にかなりコストがかかるのがわかると思います。また、忍術系で育成する場合も、強力なスキルを使う場合は「烈火石」などの触媒が必要になるため、投擲型ほどではないにせよ、出費は必要になってきます。


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▲というわけで、サクッと「ポリン団」クエストを進めてBaseLv31に。JobLvも17になり、「苦無投げ」はマスターできました。


 「苦無投げ」は、スキルレベルが上がるごとに消費SPが減少するだけで、威力自体に変化はありません。Lv1を習得した時点からガンガン使っていっていいでしょう。そして、「苦無投げ」をマスターしたあとは「空蝉」(うつせみ)を習得していきましょう。


 「空蝉」は、魔法以外の攻撃を、最大3回まで回避できるスキル。さらに、回避した瞬間、攻撃された方向とは逆向きに7セルほど瞬間移動します。敵と距離を保つことができるので、投擲型や忍術型と相性のいいスキルです。このスキルのおかげで、防御に関するステータス振りを後回しにできるため、序盤から強力な攻撃が行えるのです(今回Str全振りにしているのも、このスキルを習得予定だからです)。


 ただ、慣れないうちは後方への瞬間移動によって混乱してしまう場合もあります。移動したくない場合は、背後に壁(移動不可セル)を背負うような位置取りにするなどして戦っていくといいでしょう。


 「空蝉」は非常に使い勝手のいいスキルで、ショートカットを連打していれば攻撃を回避し続けることも可能です(当然SPは消費しますし、攻撃をしているヒマはありませんが)。回避時の移動先をある程度コントロールできるようになってくると、強敵から逃げるためにも使えたりするので、ぜひとも覚えておきたいスキルです。


 投擲型の中心となるのは今回紹介した「苦無投げ」と「空蝉」といっても過言ではありません。このふたつのスキルの性質をしっかり把握してしまえば、投擲型の忍者の育成は非常に楽に進められるでしょう。