昨年に続き、年末特別企画として、『ラグナロクオンライン』運営チームのインタビューをお届けします。新職業のリベリオン実装や、エピソードアップデートでルーンミッドガッツ王国の王位継承などが行われた2016年。数多く行われたイベントやアップデートの裏話を中心に、2016年の『RO』について振り返っていただきました。そして当然、2017年の予定もチラリと……!? 詳しくは語りませんが、2017年はついに待望の……ということで前置きはこのくらいにしてさっそく本編へどうぞ!


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▲今回のインタビューにご対応くださったガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の『ラグナロクオンライン』運営チームの方々。左から栗山知也氏、山本兼寛氏、長澤誠吾氏、中村聡伸氏。



■2016年の『RO』は「原点回帰」を着実に達成してきた!


――本日はよろしくお願いします。


中村聡伸氏(以下、中村氏):


 こちらこそよろしくお願いします。いつものとおり大所帯ですみません(笑)。今回は2016年を振り返るということで長澤、栗山と、そして久々の登場となる山本でお話しさせていただこうかなと思いまして。


山本兼寛氏(以下、山本氏):


 ご無沙汰しています。こうしたインタビューは1年半ぶりくらいかな? とにかく久々です。


長澤誠吾氏(以下、長澤氏):


 あまりに表に出てこないので一部では死亡説すら流れたという噂の……!


――それはどうなんですか(苦笑)。


山本氏:


 いや本当に(笑)。内部的にいろいろと仕事をしていたのですが、2016年にアップデートされたコンテンツではメインの担当にはなっていなかったんですよ。


栗山知也氏(以下、栗山氏):


 私と白川が担当したリベリオン関連の作業も手伝ってもらったりと、いろいろと動いていたんですよね。


長澤氏:


 そう。「Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~」(以下、Episode:Banquet For Heroes)などでも助けていただいていました。


山本氏:


 あくまでもメインではなかったのでこうしてお話しする機会がなかっただけという。


――なるほど、そうだったんですね。そんな山本さんがなんのお仕事をされていたのか気になりますが、まずは2016年を振り返ってみていかがだったでしょうか。


長澤氏:


 2016年を語る前に、2015年からの流れを少し。2015年は“みんなで遊ぶことで稼げる”といったコンテンツを多く実装してきました。たとえばマラン島の「地下排水路」などは、パーティーメンバーが増加するともらえる経験値が多くなるというメモリアルダンジョンになっていますよね。


 そんな感じで2015年は、初心者から中級者に向けたコンテンツも充実してきたので、2016年からは『RO』の面白さの「原点回帰」というものを考えました。たとえば新職業のリベリオンなどは、時代の流れに逆らうかのように、プレイヤーによってさまざまな“型”を構築できる、まさに『RO』らしい職業になっています。


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▲ガンスリンガーの上位職となるリベリオン。転生を経ずに3次職相当の強さを実感できる職業で、ステータスとスキル、装備によってプレイヤー独自の個性を打ち出せるところも魅力。


 「Episode:Banquet For Heroes」ではメモリアルダンジョンではない、パーティーでのフィールド狩りの楽しさを追求できるマップを実装できました。また、一部キャラクターのファン向け要素として「Episode:EDDA ~教皇と少女の覚めない夢~」アップデートなども実施しています。こちらは韓国ではストーリー要素が強調されていたメモリアルダンジョンですが、「教皇」に関連した衣装装備などを追加し、かなり日本向けにカルチャライズしてお届けしています。


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▲アルナベルツ教国の「教皇」をフィーチャーしたアップデート。メモリアルダンジョン「真昼の弦月」を繰り返しクリアすることで「教皇」からの信頼度がアップしていきます。


 また一方で、2015年に実装した経験値アップコンテンツなどを「猫船長と行く豪華クルーズ紀行」などのイベントで対象にしてみたり、時間が経つにつれてついつい忘れがちになってしまうコンテンツへの誘導なども行いました。実はあのイベントで初めて行ったメモリアルダンジョンがあったというプレイヤーさんも多かったんですよ。


――ああ、確かに。そういう声もありましたね。


長澤氏:


 新しいことに挑戦しつつも、ちょっと前に実装したコンテンツもまんべんなく楽しんでもらうということにも力を入れてきたんです。


中村氏:


 アニバーサリーイベントでも同様で、過去に実装したメモリアルダンジョンに誘導して「こういうものもあったんだ」と“知っていただく機会”を作っていたんです。


――「久々に“初級”に行った」という声もありました(笑)。


長澤氏:


 低難度のメモリアルダンジョンは、クリアしてしまうとなかなか行かないですからね。


中村氏:


 2016年のアップデートやイベントの中には『RO』でなければ楽しめなかったコンテンツが凝縮されていたかなと。そういう部分が昔『RO』で遊んでくださっていた方の心に響いてまた遊び始めてくれていたりするんです。そういった意味ではいい感じで反響が呼べたなと思っています。


長澤氏:


 去年の年末インタビューだと旧フェイヨン復活の話が出ていました。わりとすぐに「Episode:EDDA」が実装されたので、詳しくお話しする機会がなかったのですが、あれもかなり反響があったんですよ。


中村氏:


 「フェイヨン復活!?」ってバナー広告をご覧になった方も多いと思いますが、あれってこの年末のタイミングでも見ることがあると思うんですよ。


――ああ、そうですね。「なんで今になってこのバナー!?」って思ってちょっと不思議だったんですよ。


中村氏:


 じつは、それだけあのバナーが「効果がある」ということなんですよ。


――そういうことなんですか。


中村氏:


 モロクの街の復活が8年越し、フェイヨン復活に至っては10年越し以上ですから、最初は、この広告でどこまで効果があるのだろう、とちょっと不安だったところもあったんですよ。でも反応してくださる方がたくさんいらっしゃった。あ、広告関連で言うと「今ならこれもらえる!」みたいな広告も多く目にされたと思うんです。


――はい。今年は、消耗品や衣装装備を冒険者アカデミーで全員にプレゼントしていたイベントが多かったですよね。


中村氏:


 あのイベントも、言ってしまうと広告連動だったりするんですよ。


長澤氏:


 ゲーム内のイベントはもちろんちゃんと作ってあるんですが、『RO』をプレイしていない人に「イベントをクリアすればもらえるよ」というのはちょっとハードルが高いんですね。


山本氏:


 ならいっそ配ってしまおうと(笑)。そういう話になったのを聞きつけた広告チームが「それ広告にしちゃおう」という流れになったんですね。


――確かに、ログインして、本当にすぐにもらえちゃいますからね。


長澤氏:


 肩にかける物の衣装装備を実装した際もいきなり「[衣装] 大悪魔の翼」を配布して驚かれた方もいたかもしれません。


――そうそう。あれはビックリしました。「全員に配っちゃうのかよ!」って思いました(笑)。


山本氏:


 喜ばれそうなことで、やれそうなことであればやっちゃいましょうって話になったんですよね。


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▲肩にかける物にも衣装装備が登場。「[衣装] 大悪魔の翼」はたとえ新キャラクターであってもすぐにもらえました。ほかにも2016年は無料配布アイテムが豊富で、印象に残っている人も多いはず。


長澤氏:


 そんな感じで、初心者さんから復帰者さんはもちろん、一方でハイレベルなプレイヤーさん向けにも期間限定のメモリアルダンジョン「深淵の王墓」や、「Episode:Banquet For Heroes」でも高レベル向けのダンジョンなどを実装してきました。そんな感じでバランスよくコンテンツが配置できたのではと考えています。まぁ、まだまだ足りないと思っている部分もあるのですが。


――それはどのあたりでしょうか。


長澤氏:


 メモリアルダンジョンではないフィールドやダンジョンでの狩りですね。だからこそ「Episode:Banquet For Heroes」で追加したというのもあるのですが……。メモリアルダンジョンというのは“時間に対するリターン”が保証されている場所なんですよ。時間の限られている方でも高確率で見返りが期待できるんです。社会保障のある場所というか(笑)。2015年からはそういった保障ラインみたいなものをある程度構築していたわけですが、2016年でそれがだいたい整えられたと思うんです。そんなわけで、「Episode:Banquet For Heroes」を入れる段階で、そろそろ通常ダンジョンでの狩りも充実させていこうということになったわけです。


 ただ、近年の環境に慣れた方の多くは、メモリアルダンジョンを中心にキャラを育ててきたと思うんですよ。だから逆にフィールドでの狩りをどういう感覚でやっていけばいいのかわからない方もいると思ったんですね。


山本氏:


 フィールドの狩りって読めないところがあるじゃないですか。例えば同じマップ内で狩りをしている他のプレイヤーさんがいることによってモンスターの再湧きが緩やかになったり、逆に激しくなったり。ある意味、実験的に入れてみようという側面もあったんですね。特に「襲撃されたプロンテラ」などは敵が増殖するという仕様が入っていましたし。


栗山氏:


 メモリアルダンジョンではできない遊び方として、ランダムオプションのついた装備を時間に縛られずに狙い続けるということもできますしね。


長澤氏:


 そういったいろいろな仕掛けに対して、今のメモリアルダンジョンに慣れたプレイヤーさんに受け入れられるのだろうかといった点。そして昔からのプレイヤーさんが懐かしいと言ってくれるかどうか。楽しんでもらえるのだろうかと。


栗山氏:


 その結果ですが、楽しんでいただけているようで安心しています。具体的に言うと、ハイレベルプレイヤーに人気のメモリアルダンジョン「過去の儀式の間」よりもやや少ない程度のプレイヤーさんが新規ダンジョンで遊んでくださっています。ですので、今後もこういった遊びを追加していきたいなと考えているところです。


――ランダムオプション装備も継続的に産出されて、けっこうな数が露店に並んでいるので、遊んでいる人が多いんだろうなとは思っていましたが、自分がソロプレイヤーなのでペア以上の狩場になかなか行く機会がなくて(苦笑)。


栗山氏:


 ソロでも行きやすいということもあり、「襲撃されたプロンテラ」のほうが人気があるのは確かですね。「プロンテラ地下監獄」は、事前にお伝えしていたとおり、名もなき島の「修道院」のような感じで、魔法火力を主体としたペア以上の少~多人数パーティーで動いている方が多くなっています。実は多人数であればわりと力押しだけで狩れてしまうのですが、昔を懐かしみつつ少人数で楽しんでいるという方も多くいらっしゃいますね。

■Webヘルプデスクへの改善要望は運営スタッフの注目度が高い!?


――2016年に限らないのですが、最近の『RO』ではプレイアビリティの向上が常々行われていますよね。その流れもあって、最近よく聞かれる「メモリアルダンジョンの細かい入場プロセスの統一化」などの予定はないのかなと聞いてみたかったんですが。


中村氏:


 できるところからですが、少しずつ行ってはいるんですよね。先日もEnterキー連打で望まない選択肢を選んでしまわないように改良が加えられたりしました。メモリアルダンジョンに関しては、その特性として、再入場できないというのがあるので、なかなか難しい点があり、可能な限りの反映という感じになってしまうのですが、プレイしていて思わず「イラッ」としてしまうところは極力減らしていけるようにしています。


長澤氏:


 Webヘルプデスクへの投稿でご意見をいただいているところはできるだけ反映させていく方向で動いています。また、開発元のGravity社さんもそういったプレイアビリティの向上に関しては気にしてくださっていますね。先日実装された「/aura2」コマンドや売却ロック()などは前々から弊社で実装してもらえるように提案していたものなのですが、それを実現してもらった形になっています。


※編注:「/aura2」はBaseLv最大値で自動的に表示されるエフェクト(通称、オーラ)の表示をオフにするコマンド。いったん設定してしまえばログアウトしても設定は有効です。売却ロックはアイテムウィンドウの「個人」タブに入れたアイテムをNPCへの売却時に候補リストに表示しないようにする機能。


 プレイアビリティの向上をしたいのはやまやまなのですが、開発元には開発元の優先度があるわけで、日本側で提案したからと言って即実装というわけにはいかないんですね。でも、Gravity社さんでも初心者向けのインターフェイスの増量を行っている関係上、「たしかにコレあったほうがいいね」という感じで継続的に対応をしてくれています。日本からの強い要望があればその流れをより後押しする感じになっていますね。韓国の情報などを追っている方はご存知かもしれませんが、韓国に実装されるのとほぼ同時か1週遅れくらいで日本に即実装される仕様というのは、だいたい日本から提案したものだったりするんですよ。


 逆にGravity社さんから「今度こういう機能を実装しようと思っているんですよ」なんていうお話が聞けたりして、それに対して「いや、それだとここが不便じゃないですかね?」っていう意見を言ったりすることもあります。もちろん、韓国に導入されている仕様のままでは、諸事情で日本にはすぐに入れられないものもあります。ただ、問題のないものに関してはできるだけ素早く導入してもらえるようにしています。


山本氏:


 昔は大型アップデートに合わせて導入していたことも多かったんですが、最近は可能であればすぐに実装するようにしていますね。


長澤氏:


 プレイヤーさんにしてみれば、まだまだ改善してほしい点があるというのは理解しています。改良や改善に関しては進んでいるものも多数ありますので、今後も導入できるタイミングで随時行っていきたいと思います。


 ご質問いただいたメモリアルダンジョン関連に関しても、根本的なところで「再入場させてほしい」というのがあると思うんです。たとえば「魔神殿」などのように、報酬をもらうまではクールタイムが発生せずに再入場可能という仕様が望ましいのかもしれません。ですが、各メモリアルダンジョンのストーリーや流れに応じて仕組みもいろいろと違っています。すべてを同じ仕様で統一するのはなかなか難しいんですね。とはいえ、お話された入場のプロセスなどに関しては、日本のローカライズで可能な部分であれば積極的にやっていきたいと思っています。ただ、プログラムに依存してしまっている部分に関しては難しいのは事実です。


山本氏:


 メモリアルダンジョン関連は引き続き調整していますので、細かいことなどもお気軽にヘルプデスクに投稿してください。


――SNSや掲示板に書くだけじゃなくて投稿という形で伝えていったほうがいいと。


長澤氏:


 はい。投稿されたものを直接開発元に持って行ったりもしているんですよ。ご要望を投稿していただけるととてもありがたいです。


■「深淵の回廊」の反響と、期待される「夢幻の迷宮」イベントの続報


――ハイレベル向けという印象が強いイベント「深淵の回廊」も2回目が開催されましたが、反響はどんな感じだったのでしょう。


中村氏:


 あ、ハイレベル向けと思われがちですが、実はダンジョンでの狩りや討伐などは比較的低レベルでも楽しめるようになっていて、蓋を開けてみると幅広いレベル帯の方に参加していただけているイベントなんですよ。誤解されそうなのでそこだけは補足ということで……。


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▲2016年6月に開催された「深淵の回廊 ~シンソウの王~」。経験値効率のいいダンジョンでの討伐クエストと、コアプレイヤー向けのメモリアルダンジョンが複合された大型イベントです。次回も開催予定とのこと。


栗山氏:


 そうですね。実は、季節イベントなども含めて、年間を通じて1位か2位になるくらい参加プレイヤーが多いイベントになっているんですよ。6月に行われた「深淵の回廊 ~シンソウの王~」では、その前に開催した2015年アニバーサリーイベント内の「深淵の回廊」でご意見をいただいた点を改良しての実施となりました。以前は「エルヴィラ」からしか「エルヴィラキャンディ」がドロップされないので、結果的に庭園にばかり行くことになってしまうというご意見が多かったんですね。他のモンスターからもドロップするようにしたことでその不満も解消されたようでした。


 キャンディがユニークドロップではなくなってしまった「エルヴィラ」には「エルヴィラペンダント[1]」を実装したりして、こちらもなかなか好評だったようです。


 最終メモリアルダンジョン「深淵の王墓」はコア層向けではありますが、普段と違うダンジョンでの狩りだけでも十分楽しむことができたのではないかと思います。


――今回は低レベル向けの狩場も増設されましたからね。


栗山氏:


 第1回はBaseLv130以上向けのマップのみだったのですが、敵が強くて倒せないといったご意見もあったんです。今回は低レベル向けの狩場も設定し、通常の狩場と低レベル向けの狩場で2:1くらいの比率でキャラクターがいた感じになりました。かなり活用されていた印象ですね。


――対象BaseLvが満たしているキャラがいても、弱いほうでのんびり狩りたいという人もいましたよね。


栗山氏:


 おっしゃる通りです。そういった改善もあって、モンスター討伐や狩りに関してはかなり好評でした。


 一方、最終メモリアルダンジョンに関しては、まず、通常の「古王グローザ」のほうは前回の5倍程度の方が倒されていました。前回はワールドごとに(クリアできたのが)7パーティー前後でしたというお話をさせていただいたと思うのですが、今回はもうそれなりに強いプレイヤーさんであれば倒せてしまうところまでステップアップされていらっしゃいます。12月から6月までの時間で、だいぶみなさん強くなっていらっしゃるなという印象でした。


――直前に精錬イベントもあり、装備の強化も図れましたからね。


栗山氏:


 はい。攻略方法などをブログで公開されていた方もいたりして、準備万端整えた結果、5倍の人数の方々が討伐に成功したという感じですね。


山本氏:


 すごくやりこんでいる方だとペアやソロでクリアされた方もいたくらいです。


栗山氏:


 いましたね。でもそういう方は当然装備も整っていらして、そのうえで本当に『RO』のことを深く追求しているプレイヤーさんです。誰しもができるわけではないと思います。まぁでもそういう方が現れるくらいにはいろんな楽しみ方ができるようになったのかなと。ギルドイベントとして12人で挑むなんて方もいて、そういったものも、ふだんとは違う楽しみ方ですよね。


――でも5倍とはいえ3~40パーティーですよね。ワールド内で上位に位置する方々なのかなという印象があるのですが。


栗山氏:


 うーん、そこまでではないと思います。前回は攻城戦のトップギルドの方だったり、かなりのハイレベルプレイヤーが多かったのですが、今回に関して言えば、BaseLv165のキャラクターを持っていて、装備もそれなりに充実しているというあたりのプレイヤーさんも多いのではないでしょうか。12人で組んで事前に打ち合わせなどをしていれば、超高額だったりレアな装備がなくてもわりと普通にクリアできてしまう感じですので。


――なるほど。だいぶハードルは下がっている、と。では「深層の古王グローザ」に関してはいかがでしょうか。


栗山氏:


 そちらは、実はワールドによってわりと上下してしまっていて、クリアされていないワールドも存在しています。クリアされているワールドでは1~3パーティーくらいが倒しています。前回の上位のメモリアルダンジョンという感じにはなっていますね。ただ、みなさんステップアップされていき、これも1年後あたりになれば、(通常の「古王グローザ」と同様に)5倍、10倍の数のパーティーに倒されていくと思います。


 裏話をすると、「深層の古王グローザ」に関しては、イベント開始2週間後くらいまではほとんど倒されていなかったんですよ。運営チームのほうでも、もちろん挑戦回数をモニターしていまして、挑戦回数はどんどん増えていくのに全然倒されていないというのはわかっていたんです。そこで、プレイヤーさんの行動データを見つつ、個人のブログも見に行ったりして、どのあたりまで到達しているのか確認したりもしました。「ここまで来ているなら来週くらいには倒されそうだね」と、みなさんの“攻略してる感”というのを調査したりしていました。


――ワールド内でクリアが1~3パーティーというのは想定内でしたか?


栗山氏:


 そうですね。「深淵の王墓」というメモリアルダンジョンは、周回して楽しもうというものではなく、1回、全力で挑戦してみようというコンセプトに重きを置いて作っているものなんですね。ですから、「深層の古王グローザ」は、前回の「古王グローザ」を倒してしまった方が挑戦するコンテンツ……言ってしまえば“エクストラステージ”的なものなんです。クリア数が少ないのは想定通りと言えます。ただ、さきほども言ったように、次回以降はもっと多くの方がクリアされるのではないかなと思っています。


――次回の「深淵の回廊」ではグローザはさらに強化されちゃったりするのでしょうか?


栗山氏:


 うーん、新しいものにチャレンジしたいという方向けに何か用意したいなと思っています。が、それ以外に両方のグローザの微調整もしたいと思っています。現状の「深層の古王グローザ」のドロップは、たくさんのパーティーが倒してしまう状況では、あまり達成感が得られないものになっていると思うんですよ。倒せるパーティーが少数だからこその希少性で成り立っているものなんです。ですから、次回実装時にたくさん倒されてしまう状況に応じて、ドロップは補填してあげないといけないと考えています。それはもちろん、通常の「古王グローザ」に対しても言えることです。「古王グローザ」に関しては前回よりももっと多くの人が倒せる状況になると思います。そういった際に、挑戦する方がやりがいを失わないように、新しいドロップアイテムを追加したりだとか、もし可能ならカードなどを追加できるといいなぁと。多くの人がクリアされてもちゃんと達成感が得られるように、できるだけ改修をしてからお届けしていきたいなと。


――多数が倒せるということはドロップアイテムの多くが流通するということになるわけで、あちこちの露店で売っているという状況になりますからね。


栗山氏:


 倒してドロップアイテムを手に入れたときに「やったぜレアアイテムだ!」って喜んでもらいたいんですよね。でもおっしゃったような状況だと「うん、もうレアじゃないよねコレ」ってなってしまうと思うんですよ……。「露店で買えばいいじゃん」なんて言われてしまうと、お友達も誘いにくいじゃないですか。友達を誘って初めて強大な敵を倒して「やった、レアをゲットしたぜ!」という喜びを感じてほしい。それがコンセプトなんですよ。


山本氏:


 レアアイテムってみんなほしいと思うんですけど、全員が手に入れられたらレアアイテムじゃないんですよね。通常の「古王グローザ」に関しては、精錬値による効果が+10まで設定されていたりと、ある程度数が出回っても(過剰精錬の失敗で消滅することも考慮して)大丈夫なようにしてあるんです。「深層の古王グローザ」に関してはそこまで高い精錬オプションではないので、今の「古王グローザ」と同じペースでクリアされ、ドロップされてしまうと……。ですから現行のドロップアイテムに加えて、別のアイテムもドロップするようにして、結果的にレアリティの低下したドロップアイテムを補うことも必要だと考えています。そのあたりで(次回開催までに)ちょっとお時間をいただいてしまっているかなという状況なんです。


栗山氏:


 「深淵の回廊」というのはいろんな意味でエンドコンテンツなんです。実は運営チームにとってもそう(笑)。定期的に開催するよと言っておきながら半年あいて第2回、さらに半年あいてしまっていて、その点に関しては申し訳ありません。ただ、同じものを導入しても新しい体験とは言えません。それは提供側としてもプレイヤー側としても物足りないことになると思います。また、すでに攻略法が確立されつつある強敵は、いわゆる作業ゲーになりがちです。そういった周回が好きな方もいると思いますが、「深淵の回廊」というコンテンツでは、常に新しい体験を提供していきたい。そういうつもりで作らなければならないというのが運営チームの総意なんです。「深淵の回廊」の開催期間があくぶん、別のイベントなどを行ったりしていますので、もうちょっとお待ちいただければと。


――なるほど。間があいているにはそんな理由があったんですね。ところで、同じ栗山さんの担当ということで、夏頃に公式ブログでちらっと公開された「夢幻の迷宮」()というイベントの予定がありましたが、その後の状況はどんな感じでしょうか。


※編注:BaseLv165(最大BaseLv)のキャラクターだけが挑戦できる「夢幻の迷宮」イベントは、2016年9月に「ラグナロクオンライン公式ブログ」にて初公開。ランダムオプションのついた装備が入手できるハックアンドスラッシュ系イベントとしてプレイヤーに期待されつつも、その後続報がありませんでした。


長澤氏:


 それについては私からもフォローを(笑)。実はいろいろありまして、当初の開催予定より遅れてしまっていたというのが真相です。もちろん、制作は進行していますので、2017年の早い段階で開催が可能だと思います。


栗山氏:


 具体的に言いますと、いろいろ新しいことにチャレンジしているぶん、最初に作ったバージョンではプレイヤーさんに満足していただけないだろうという結論になり、作り直しなどをしていたんです。その新しいことというのはロジック的なものなので、プレイヤーさんからは見えない部分なんですね。「夢幻の迷宮」自体が大きなコンテンツになっていますので、(最初のバージョンでは)プレイヤーさんが実際に遊んだ際にイライラを感じてしまうだろうと。プレイヤーさんがスムーズに進行して、レスポンスのいい状態までもっていくのに難航していたんです。それも目処がついてきていますので、2017年の早いうちにはお届けできると思います。


長澤氏:


 メモリアルダンジョンは多数が生成されるとそのぶん負荷がかかってしまいます。そういった負荷の軽減なども課題としてありました。


山本氏:


 楽しみにされている方が多いのは理解していますし、早く遊ばせてという声も聞こえるのですが、もう少しだけお待ちいただけると……!


中村氏:


 ぜひオーラ(BaseLv165)キャラを作ってお待ちいただければと。


長澤氏:


 「夢幻の迷宮」自体、公式ブログで紹介した時点では、もうすぐ実装できそうかなというタイミングだったんですね。で、ご存知のとおり、「夢幻の迷宮」はBaseLv165のキャラクターのためのコンテンツになっています。必然的にBaseLv165のキャラが集まることになるわけで、オーラエフェクトが大変なことになります。プレイヤーさんからも「オーラを完全にオフにしたい」という要望がさらにたくさん来るはずだということで「/aura2」のコマンドの実装を行ったんですよ。ということで、「夢幻の迷宮」の当初の実装予定がわかってしまう裏話でした(笑)。


――なるほど(笑)。


山本氏:


 本当に楽しいコンテンツになっていますので、開催までに1キャラくらいはBaseLv165のキャラを作っておいて、イベントがスタートしたらすぐにでも遊びに行ってほしいですね。

長澤氏:


 2016年の後半あたりで、ハックアンドスラッシュ的に、アイテムをたくさん手に入れて、どんなランダムオプションがついているのかなと確認する楽しみというのを一気に入れたかったんですね。「Episode:Banquet For Heroes」でも導入されていますが、それと時期を合わせて「夢幻の迷宮」も開催したかったというのがあります。「夢幻の迷宮」では、ランダムオプションの仕様に関しては問題はなかったのですが、その外側の設計に問題が出てしまったんですね。アイテム自体はランダムオプションがたくさんつくので、ワクワクすると思いますよ。


――ランダムオプションといえば、オカルト的な噂もあって、特定の場所で狩ると魔法系のオプションしか出ないとか……。でもそんなことはないですよね?


栗山氏:


 はい。ないです(笑)。


中村氏:


 最終的には乱数ですから。乱数自体にオカルトがあると言われればそれまでですけど(笑)。


――偏りがあるのが乱数という気もします。


中村氏:


 朝の5時ピッタリにドロップを狙うといいオプションが……とか、すでに願掛けレベルになっている方もいたりいなかったり。


栗山氏:


 ま、まぁ、そういったところを探っていただくのもプレイヤーさんの楽しみのひとつではないかと思います(笑)。


■ついに2017年にレベルキャップ解放が!?


――ちょうどBaseLv165のキャラの話題も出たのでお聞きしたいのですが、レベルキャップ解放を望む声も多数あると思います。運営チームとしてはそのあたりはどうお考えですか?


中村氏:


 結論から言うと、2017年にレベルキャップを解放する方向で検討しています。


――おおっと。ついにきますか!


中村氏:


 これにはいろいろ理由があります。まずはBaseLv165のキャラがどれくらいいるのかということに関してお話しさせてください。


長澤氏:


 データの取り方はいろいろあると思うのですが、最近ログインされているアカウントに関して、いわゆる複アカなどを考慮したうえで、あくまでもプレイヤーさん単位で考えると、半数に行かない程度の方がBaseLv165のキャラを1体以上所持されています。具体的なキャラクター数に関してはお話しできませんが……結構な数がいます()。


※編注:ちなみに、先日公開された「オモ録2016」は、アカウント情報抜きで全キャラクターのBaseLvをカウントしているそうです。

 レベルキャップの解放は、キャラを強くしたい人にとってはモチベーションの向上に繋がると思うのですが、逆に現状のキャップを上げてほしくないと考えている方もいると思うんです。そういった意見も踏まえて、BaseLv165までのレベル上げ時間の推移なども考えつつ、キャップ解放をいつにすればいいのかといったことを検討しています。


 もちろん、レベルキャップを解放しただけで、やること自体は変わらない、というのは面白くないですよね。そのあたりも検討・企画を進めています。


中村氏:


 レベルキャップの解放というのは、カンストレベルまで育てると一気にやる気を失う私のようなプレイヤーにはすごくモチベーションの向上になると思うんですよ(笑)。ただ、今「レベルキャップを解放してほしい」と声を上げていない方の中には、現状でいいという方もいると考えています。それほどレベル上げに興味がない方や、攻城戦における戦力差が広がってしまう懸念というのもあるでしょう。レベルキャップ解放にともなって「レベルを上げなきゃいけない」という強制感が出てきてしまうというのもあるかもしれません。


 ただ、ここ数年で、レベル差があっても大丈夫というコンテンツやアイテムが実装されていまして、たとえば主に攻城戦向けに「リリーフポーション」などを実装し、レベル差があっても状態異常にかかりにくくなるようにしています。急いでレベルをカンストさせなくても、今まで通りの感覚で遊んでいただけるようになっていると思います。


 また、これまでに実装された装備の中には素のステータスが一定値まで上がると効果がアップするものなどもあります。ステータスがちょっとだけ足りないと思っている方も多いと思うんですね。レベルが上がることでステータスポイントを多く振ることができるようになるため、自分のキャラクターの新しいビルド、カスタマイズが可能になります。そういう点でメリットも大きいわけです。装備などもそうですが、実は、レベルが上がることで新しい遊びができるという土台というのは2016年までにいろいろ導入しています。


 レベルキャップが上がることで公平圏の問題も出てくると思います。その答えのひとつとしては、レベル差が開いていたとしても、特定のメモリアルダンジョンをクリアすることで、クリア報酬として経験値がもらえるため、そこで一緒にレベルを上げることができます。そういったフォローもだいぶ充実させてきたので、2017年にレベルキャップを解放することができるのではないかなと。いよいよ準備は整って、あとは解放後の経験値テーブルはどうするのか、とか、解放するとすればいくつ上げるのか、そういったところを検討していく段階になっていますね。


山本氏:


 韓国では現状のレベルキャップは175ですが、もし仮にBaseLv175より上にレベルキャップが解放されたりするとまた話が変わってきますので、そのあたりの情報共有などもしっかり行っていく必要はありますね。


 とはいえ、さきほども長澤からの話があったように、約半数程度のプレイヤーさんがレベルカンストキャラを所持しているという現状がありますし、レベルキャップ解放の需要はあると考えています。


栗山氏:


 「Episode:Banquet For Heroes」では、メモリアルダンジョン「空中要塞」を実装しましたが、あそこって経験値稼ぎがメインになるダンジョンじゃないですか。にもかかわらず、実はかなりの人気コンテンツになっているんですね。半数程度の方がカンストキャラを持っているにも関わらず、やはり人気なのは経験値が稼げるコンテンツだったりもするんです。まだまだ経験値も欲しいというプレイヤーさんも多いわけで、必ずしもカンストキャラ向けの施策だけを行えばいいというわけではありません。


 とはいえ、カンストしてしまった“メインキャラ”でももっと遊びたいという方も多いと思います。経験値を稼げるコンテンツを実装する一方で、「過去の儀式の間」のような、ボスと戦うだけの(カンストキャラでも楽しめる)レアハントを狙うようなダンジョンを実装するなどしています。


――「空中要塞」ではボスに行きたいなら途中の部屋をスルー、経験値を狙うなら部屋も倒すという戦い方の差別化もできるようになっていましたね。……話はそれますが、「空中要塞」のボス「S・J・アーネストウルフ」の出現の仕方がかなり特殊で話題になりましたよね。


中村氏:


 ああ、あの“足元湧き”ですね。


栗山氏:


 以前取材していただいた際に紹介していた伊藤が担当していたのですが、毎日夜遅くまで「どうしたらプレイヤーに楽しんでもらえるだろう」と考えた末に行き着いたサプライズ要素なんですよ(笑)。


中村氏:


 でもあれも、逆手に取れば出現位置を調整できるということなので、攻略の助けにすることができるんです。


――プレイヤーさんのブログなどを見ていると、ボスの出現位置をコントロールしつつ階段などを利用して戦う方法も提案されていて、なかなか面白いなぁと思ったりしていました。


栗山氏:


 蓋を開けてみれば単純なことかもしれませんが、工夫することでワンポイントの楽しさを感じてほしいと思って作っているんですね。ビジョウ戦に関しても、特定の攻撃に対する安全地帯が存在するんですが、あれってミスなんじゃないかと思われたりもしたんですよね。でも実は意図的に作っているんですよ。作った担当者に確認したことがあったんですが、「そもそもここに立ち続けることもけっこう難しいので、安全地帯はあっていいんですよ」と。


――なるほど。そこに留まることもテクニックのひとつと。


栗山氏:


 高火力で不条理なボスに見えたりするかもしれませんが、ちゃんと攻略のための糸口は作ってあるんですよ。最終的には周回して倒しまくる場所ですしね。


長澤氏:


 レベルキャップ解放の話に戻りますが、今って意図的にBaseLv164で止めている方というのも少なからずいるんですよ。そういった方は最初に述べたカンストキャラ持ちにはカウントされていないわけですが、レベルキャップ解放の需要がないのかというとそこはわからないですよね。


――BaseLv164で止めている人も、上限解放が行われて、BaseLv165でオーラエフェクトが出なくなればレベルを上げますよね。


長澤氏:


 ええ、またキャップの1レベル手前までは上げると思うんです(笑)。


――そういう意味ではその層にレベルキャップ解放の需要がないと言い切ることはできないと。


長澤氏:


 レベルを上げて、結果的にキャラが強くなるというのは、なんだかんだ言ってもやっぱり楽しいですからね。


■ワールド統合ではなく、人や物が交流できる画期的な対策を企画中!?


――ワールド内のログイン人数が徐々に減少し、露店なども少なくなってきたという背景があると思いますが、一部プレイヤーからはワールド統合をしてほしいという声もちらほら聞かれます。以前、有料でワールド間の移動などを行われたこともありましたが、3次職アップデート時にはシステムが新しくなった関係上、新たに行うのは難しいという話もありました。現状ではワールド間移動やワールド統合に関してはどのようにお考えでしょうか。


中村氏:


 まず、ワールド統合をしてほしいという声に関しては、さきほどおっしゃったように、露店の減少で流通が滞ってしまったり、一緒に遊ぶ人が欲しいといったことが重要で、最終的にワールド内の人数を増やしてほしいということになるんですね。手段と目的が逆転しているというか。ワールド統合は過去に1回行っていますが、メリットとデメリットがあると思うんです。で、現状で言うと、デメリットのほうが大きいかな、と。ですので、ワールド統合以外の方法で、交流が深まったり、流通がよくなったりする、多くの人と一緒に遊べるようになる環境ができないかなというところを模索しているところです。

長澤氏:


 ワールド統合を行った結果、お気に入りの場所が奪われたですとか、統合直後は対人関係のいざこざなども増加しました。統合直後は確かにワールド内人数は増えたように思えるのですが、時間が経ってどうなるかというのは、統合前後から今まで遊んでくださっている皆様はご存知かと思います。ワールド統合による変化を楽しいと受け止めていた方もいらっしゃったのですが、自分たちの世界が壊されたと感じる方も多かったようです。こういった問題は実は日本だけのことではなく、たとえば韓国でもログイン人数減少による問題がいくつか出てきています。韓国との協議でも重要な話題となっていて、私自身としても最優先で取り組むべき課題と考えています。


 いろいろ手を尽くしてみて、どうしても効果が出ないようなら最終的にワールド統合という手を取る可能性はなくはありませんが、現段階で言うとGravity社さんと協議しながら、新しいシステムを企画しているところです。これはさきほど山本が水面下で動いているということにも関係しているのですが……相当大きな企画になっています。


――ということは画期的なアイディアはまだ残っていると。


山本氏:


 相当画期的なことをやるつもりでいます。けど……どこまで言っていいんだろう(笑)。


――ぜひ、遠慮なくどうぞ(笑)。


長澤氏:


 いや、これはウチ(ガンホー社)だけの問題じゃないので……(笑)。ここまで話した段階でも勘のいい方はなんとなくわかるかもしれませんし……。それと、ワールド統合の話に付随してよく聞かれるのが「サーバーを強化しろ」という声なんです。サーバーは問題はないんですよ。問題はアップデートを繰り返したサーバープログラムのほうなんですよね。現状の段階でワールド統合をしてしまうと、重いと言われている部分の負荷が増加して、さらに重くなってしまう可能性があるんです。通常のゲームプレイですら不満が出かねません。多くのコンテンツが追加されているため、以前のワールド統合の時点とはだいぶ異なっている状況です。サーバープログラムに関しては日本側からはどうすることもできないのですが、Gravity社さんはきっともっと悩んでいると思います。


山本氏:


 不満を解消するために行うことで別の不満が出てしまっては意味がないですよね。なんとか不満を解消する方法を探っているところですが、すぐに答えが出る問題ではないと。プレイヤーさんには大変申し訳ないと思っているのですが、だからこそ本気で取り組まないといけないと考えています。


長澤氏:


 これは余談なんですが、もし再統合することになったらもうワールド名をChaos、Loki、Irisなどに戻しちゃおうか、という冗談交じりの雑談もあったりするんですよ(笑)。


――それはそれで復帰者さんの呼び水になりそうですね(笑)。


長澤氏:


 ゲームが快適に動くことは前提で、異なるワールドで培われてきたプレイヤーさん同士の文化的な衝突や資産的な衝突ということが回避できるのであれば、ワールド統合もいいとは思うんですが、いずれも難しいことですからね。


――キャラクター数の問題や倉庫の問題もありますからね。


長澤氏:


 キャラクター数は現状以上には増やせません……。


――ですよねー。


栗山氏:


 現状だとメモリアルダンジョンが中心のゲームプレイにシフトしている部分があって、実はメモリアルダンジョン専用のサーバー機器の増設など、日本側でできることは行っているんですよ。昨年はメモリアルダンジョンの生成の問題で臨時メンテナンスやサーバーリセットを行ったりしていたんですが、今年は行っていません。ただ、これ以上の増設は他の場所の負荷に耐えられない可能性があり、難しい状態です。これがもし、ワールド統合を行ってしまうと以前の状態以上の重さになるわけで、リスクは大きいと思います。


■韓国で実装されている新種族「ドラム族」の日本展開は?


――韓国で初心者向けに実装された新種族の話題もありましたが、その後、日本側での実装の予定などはあるのでしょうか。


長澤氏:


 ドラム族ですね。見た目も猫っぽくて可愛いので日本でも実装したいなとは考えています。ただ、韓国におけるドラム族のコンセプトが少し変化してきているんですね。最初は初心者でも『RO』に親しみやすいようにと、複雑になってきた『RO』に初めて触れるための、そこそこ強くてわかりやすいキャラクターでした。スキルラインも3系統しかなくて、まっすぐにスキルを取得していけばいいという感じ。ある程度遊んだら、通常の人間の職業にシフトしてねという意図だったと思っています。


 ところがその後、上方修正が入って、結構強くなりました。しかもドラム族は動物形の小型なので攻城戦でかなり有利に戦えるようになったと思います。装備は通常と同じものが使えるので、3次職並みのHPを持って対人特化装備をつけた小型の動物が襲ってくるわけですよ(笑)。これは、攻城戦の遊び方に一石を投じる変化という捉え方で、いろいろな装備を用意して楽しんでもらえるのかなと思ったのですが、最近になってグロリアス装備の効果対象にドラム族が入ってしまったりして、我々も方向性が読めなくなってしまいました。


 こんな風に方向性が二転三転するというのは、ある意味オンラインゲームらしいと言えるのですが、日本ではあまり受け入れられないと思うんです。それに日本に導入するのであれば、それこそリベリオン並みに“立ち位置”を作ってあげなければならない。それなりのカルチャライズが必要だと思うんですね。それを行うにしても、韓国でも若干調整中ということもあるので、日本側としてはまだ手が出せない感じなんです。


山本氏:


 韓国はまず実装してからプレイヤーさんの動向を見つつ意見を聞いて修正していくというやり方をすることが多いのですが、ドラム族はまさに今その期間なんだと思います。


栗山氏:


 強かったスキルが弱くなったり、弱かったスキルが強くなったりということも起こるので、プレイヤーさんの遊び方に影響を及ぼすことも多いんですよ。もちろん日本で提供する際も、事後の修正は発生しえますが、変化は最小限にしたいと思っています。ですので、日本で提供する際には、遊び始めた当初のコンセプトで長く遊んでもらえるようにしたいと考えています。


山本氏:


 専用の武器グラフィックもあるのでぜひ導入したいんですけどねー。


中村氏:


 つい先日も人間とドラム族とで結婚できるようになったというのもありますし、まだまだシステム面もコンセプト面も改良が続いている状態なんですね。ただ、いつ日本に実装されてもいいように、準備だけは進めています。すでに雄一郎さんにイラストを描いてもらったりとか(笑)。外堀は埋めて準備万端で待っています。


――話を聞いていると、リベリオンのときと同様に、日本に実装される際には大幅なリニューアルが実施されそうな気もしますが(笑)。


長澤氏:


 うーん、どうなんでしょうね(笑)。


――とはいえ、日本側としてはそこまで考えているということでしたら、日本で実装される際にはリベリオン同様にちゃんと楽しめるんじゃないかなという感じがします。


■「コスミ」は“2周目”が実施予定! 「セカコス」の続報も聞いてみました


――現行のコンテンツについてもお聞きしたいのですが、毎月行われている「コスチュームミッション」に関して、そろそろ残るラインナップも数が限られてきました。もしラインナップがなくなったらどうなるのでしょうか。


中村氏:


 「コスチュームミッション」はゲーム内で入手できる頭装備を衣装化するというのが目的で始まりました。元となるアイテムの作成難易度の影響で、すべてのゲーム内装備を「コスチュームミッション」で衣装化するのは難しいので、そちらの入手手段は別の企画を立てつつ、「コスチュームミッション」に関しては2周目と言いますか、再度お題として登場させる予定です。ですので、ミッションを達成して「コスチュームミッションコイン」をもらうというシステムは活かしつつ、コインとの交換対象装備を変えていく感じになりますね。前回逃してしまったという方も、ミッションに挑戦して衣装装備を手に入れてもらえればと思っています。


――なるほど。私もそうですが、わりとアクセントとして遊んでいる方もいて、どうなるのかなと気になっていたところでした。それと、「セカンドコスチューム」の件についてもお聞かせください。現状では初期にラフデザインが公開された職業はどんどん実装されています。ただ、元々の衣装が好評な一部の職業に関してはどうなっているのかという点が気になっているのですが。


中村氏:


 セカンドコスチュームに関しては、コスチュームの変更要望が多かった職業からご提供しているという感じになりますが、最近の職業は「これもいいよね」という印象になっているかと思われます。12月にミンストレル&ワンダラーが実装されて、次はシャドウチェイサーの予定ですが、残る職業に関してはデザインコンセプトもGravity社さんにお任せしている部分があります。そんなわけで、若干ペースは落ちていますが、イメージイラストなども見せていただいていますし、着実に進んでいます。


――現状の衣装も好評な職業が多いですし、なかなかデザインも難しそうですね。


中村氏:


 ルーンナイトなどはすでに1回衣装が変化していますからね。すべてが片付いたらルーンナイトの元々の衣装もレジェンドとして復活させようかなんて話もあったりなかったり(笑)。


――それはちょっと面白そうですね(笑)。


中村氏:


 セカンドコスチュームを提供しているのは全世界でまだ日本だけなので、Gravity社さんも韓国をはじめとして各国に導入していきたいとは思っているようです。特に台湾のプレイヤーさんなどからは早く導入してほしいという声があるようですね。そのためにも残る職業でもいいデザインのセカンドコスチュームを制作してくれると期待しています。


■次回エピソードアップデートは2017年内か? カルチャライズ裏話も必見!?


――では今後のアップデートのこともお聞きしたいと思います。2016年11月に実装された「Episode:Banquet For Heroes」ですが、クエストをプレイした人ならわかるとおり、続きが非常に気になる状態で終わっています。結局王位継承はどうなったのか、持ち去られたアレはどうなったのか、とか。


長澤氏:


 「Episode:Banquet For Heroes」というのは韓国では「Episode16.1」と呼ばれているもので、現状では向こうでは「Episode16.2」まで実装されています。日本での続編の実装は、韓国で次のアップデート「Episode17.1」が実装されるくらいのタイミングで実施したいと考えています。とはいえ、「Episode:Memory Record」から「Episode:Banquet For Heroes」まで1年半かかってしまったこともあり、メインアップデートの更新にやや時間がかかりすぎていると考えています。楽しみにされているプレイヤーさんには大変申し訳なく思っています。そこで、次のメインアップデートは2017年中には行いたいと……。


――おお、なるほど。


長澤氏:


 ストーリーも日本のプレイヤーに受けるように、また次回アップデートにつながるように、Gravity社にヒアリングしてから調整しています。そういった調整や次に繋がる伏線も入れたいということもあり、韓国で次のアップデートとなる「Episode17.1」が実際に導入されてから、それを見つつ前段階のシナリオに補足や追加も入れていきたいと考えているんですね。韓国では多くのプレイヤーさんが原作コミックを読んでいるという点も大きく違うところで、ビジョウ戦のセリフなどは、日本での実装にあたり、原作を読んでいない方が大半の前提で、だいぶ補足の追加や変更を行っているんですよ。そういった関係もあって、韓国で次のアップデートが固まってから「Episode16.2」に相当するアップデートを導入したいと考えてはいるのですが……ただ、日本のプレイヤーさんをお待たせしてしまうのも問題ですので、2017年内の実装を目標に、すでに翻訳などにも着手しています。


 内容に関しては引き続きニーヒルたち3人に協力しながら、今度はシュバルツバルド共和国に調査に出かけたりもします。とはいえ、基本的にはルーンミッドガッツ王国を中心に進むことになりますね。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、特にシュバルツバルドでは昔からのユーザーさんには響く内容になっていると思いますよ。


――なるほど。昔のクエストなどは確かに言葉が足りていない感じを受けますし、いろいろ説明をされてようやく「そうだったのね」と納得するものも多かったですからね。シナリオを読み飛ばす人もいますけど、今回などはニーヒルが重要になってくるというのは読み飛ばしていてもわかるレベルになっていますよね。


栗山氏:


 かなりクオリティアップしていると思うんですよ。


長澤氏:


 開発元としては、背景設定や理由は必要なので絶対に作りますけど、あくまでもコンテンツを回すのがメインで、シナリオはおまけ的な位置づけなんです。実は詳細な設定資料というのも存在するんですよ。日本の特設サイトでは公式設定を載せていますが、あれは日本で勝手に作ったものではなく、すべて韓国の設定資料に書かれていることなんです。


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▲シナリオは、日本向けにしっかりとカルチャライズされているとのこと。その甲斐あってか、プレイヤーには非常に好評でした。


――それと、昔からあるシチュエーションですが、敵が襲ってくるところで長いシナリオ会話を読む場面などは、とても読んでいられないので連打するしかなくて……。


長澤氏:


 ええ、そういうところも日本で導入する際は別マップに移動させるなどの修正を行っています。


中村氏:


 今回もモンスターがいないマップを用意していますね。


――あれはありがたいですねー。ゆっくりシナリオを読みたいですから。


栗山氏:


 敵が襲ってくるダンジョン内でシナリオを進めるというシチュエーションは、だいたい改修前の仕様に毎回入っているんですよ。おそらく文化の違いなんでしょうね。たとえば戦死者の墓で、古びたシリーズのアイテムを作る場所も、バンバン敵が入ってくるんですよ(笑)。アイテムを作っている最中にモンスターが湧いてきたらとてもじゃないですが作っていられないじゃないですか。日本では別マップを作ったりして、そういった利便性の向上は図っているんです。


――スリルを楽しんでほしいということなんでしょうかね……。


山本氏:


 開発元の意図的には、仲間に守ってもらってほしいということなんだと思います。それはMMO的には正解なんですよ。ただ、楽しみの提供の方法って時代によって変わりますからね……。「シナリオを進めたいから手伝ってー」と募集をかけて協力してもらうということが楽しさに繋がるのならいいんですけど、残念ながら日本の環境ではそれは楽しさには繋がりにくいのかなと。楽しさよりもストレスが上回るというか。


中村氏:


 そういえば、ストーリーに肉付けするのと同時に、メモリアルダンジョンなど繰り返しプレイする場所ではセリフのスキップの選択肢を追加するなどといったことも日本独自で行っています。


栗山氏:


 それに、「Episode:Banquet For Heroes」に関しては、韓国ではモンスターのカードなども一部後日実装だったのですが、日本では同時実装にしています。そういった感じで、各所を遊びやすく、楽しみやすくなるように見直してアップデートを行っているんですね。日本でも、どうしても後日実装のタイミングになってしまうものもありますが、できるだけ同時にできるように……。そんな感じで今後も十分なカルチャライズを行っていければと思っています。


――わかりました。では最後に2017年のことについてお聞きしたいと思います。2017年はいよいよ『RO』が15周年ということですが……。


長澤氏:


 ああっ、実はですね。それに関しては1月に入ってからメディアさんのインタビューを受けることになってしまっているんですよ。


中村氏:


 このタイミングでお話しできることは限られてしまうので……もしよければ2ヶ月連続のインタビューになっちゃいますけど、「週刊ROチャレンジ!」としてもメディアインタビューはどうですか?


――おっと。そういうことなら了解です。15周年ですし、いろいろあるんだろうなぁと期待していたところですので、ぜひお願いします。


中村氏:


 はい、いろいろ仕掛けていければと考えています(笑)。


■2017年1月アップデートの先出し情報が!


長澤氏:


 とはいえ、せっかくこのタイミングで来ていただいて、来年の話を一切しないのもアレですからちょっとだけ。2017年1月17日(火)に、ウェルス周辺と戦死者の墓関連のモンスターのカードを実装する予定になっています。また、それに合わせてぷちイベントも予定しています。んー、どうせならカードの内容も一部ご紹介しましょうか。


――「T_W_O」のカードが魅力的というお話を以前雑談レベルでチラッとおうかがいしましたが。


長澤氏:


 あ、実はカード性能は日本オリジナルになっています。韓国情報は忘れてください。


――そうじゃないかとは思っていました(笑)。


山本氏:


 戦死者の墓に関してはモンスターの元々の職業に関連したものが多いですね。また、ウェルスのカードは、韓国ではメカニック関連の強化が多いのですが、世界観的にはよいものの、もう少し魅力を足したいと思ったので変えています。かなり強力なものが多いと思いますよ。性能もほぼ確定の状態ですが、現在最終調整中なので……。


――実装時には変更される可能性もある、と念のために注釈を付け加えたいと。


山本氏:


 それでおねがいします(笑)。


●ウェルス周辺のモンスターカード(一部)


・T_W_Oカード

対象:アクセサリー
―――――――――――――
固定詠唱時間-50%
全ての種族のDef、Mdef50%無視
07

・GC109カード

対象:アクセサリー
―――――――――――――
スキルディレイ-3%
Atk+2%
―――――――――――――
DR815カードと共に装備時
詠唱時間-2%
スキルディレイ-2%
Matk+3%
Atk+3%

08

・スモッグカード

対象:盾
―――――――――――――
天使・人間形モンスターから受けるダメージ-20%
―――――――――――――
「修理型ウェルスギアカード」と共に装備時、
天使・人間形モンスターから受けるダメージ-5%
天使・人間形モンスターのMdef50%無視
―――――――――――――
「探査型ウェルスギアカード」と共に装備時、追加で
天使・人間形モンスターから受けるダメージ-5%
天使・人間形モンスターのDef50%無視

09

●戦死者の墓のモンスターカード(一部)


・ルーンナイトセイレンカード

対象:アクセサリー
―――――――――――――
「イグニッションブレイク」で与えるダメージ+50%

10

・ウォーロックカトリーヌカード

対象:アクセサリー
―――――――――――――
「コメット」で与えるダメージ+50%
11

・ソーサラーセリア(MVP)カード

対象:肩にかける物
―――――――――――――
ソーサラーが装備時、MaxHP+10%
魔法攻撃で与えるダメージ+10%
―――――――――――――
BaseLvが165の時、追加ですべてのステータス+10
―――――――――――――
精錬値が10の時、追加ですべてのステータス+10
―――――――――――――
「ソーサラーセリアカード」と共に装備時、追加で魔法攻撃を受けた時、一定確率で5秒間、モンスター「セリア=アルデ」に変身
―――――――――――――
モンスター「セリア=アルデ」に変身時、Int+100

12

■2017年も新たなことへの挑戦を続ける『RO』!


――では、来年早々におうかがいすることも決まった段階でアレですが、年末らしく、来年への抱負などをお聞かせいただければと。


長澤氏:


 2017年も2016年に引き続き同規模のイベントやアップデートを実装しつつ、今までやったことのないような大きなことにも挑戦していきたいと考えています。その中でも、2016年は『RO』の原点回帰というところで楽しみ方の追求を行ってきました。2017年でもそういった点を推し進め、さらに交流が広がるような企画を立てていきたいですね。新規プレイヤーさんももちろんですが、これまで『RO』を楽しんでいた方、過去に『RO』を楽しんでいらした方にも、2016年以上に楽しんでもらいたいと思っています。


山本氏:


 2017年は今までできなかったことをやりたいという目標があります。ずっと望まれていながらもできなかったことにチャレンジしていきたいですね。


長澤氏:


 ウチだけではできないことをGravity社さんと協力して打って出たいと考えていますよ。……ちょっと抽象的な言い方すぎますけど(笑)。


――まだ言えないけれど、大きな何かがあるんだろうなというのは伝わってきます(笑)。


長澤氏:


 ええ……期待してください……って、なんか冷や汗が出てきましたけど(一同笑)。


栗山氏:


 今まではプレイヤーさんの要望を汲み取りつつ、延長線で作ってきたところもあったと思うんですね。でも2017年は攻めの姿勢に転じようと。細かい点に関しては調整中ということもあって、まだできるかできないかがわからない部分もあるんですね。そういう理由もあって、まだお話しできない関係上、もやっとした言い方になってしまっているんです(笑)。長澤や山本も言ったように、新しいことにチャレンジしています。もしそれが達成できたらプレイヤーのみなさんにも大きな体験ができるだろうという内容になっています。今まではエピソードアップデート内での革新的な内容はありましたが、2017年はシステム的に新しいことも予定しています。そういった企画が動いていたりするんです。


長澤氏:


 2015年のときはちょうど運営における裁量権が得られたというお話をさせていただいたと思うんですが、それももうフル活用させていただいていて、今度はさらにその先へ……。逆に言うと、裁量権を持っているだけではできないことに挑戦していこうと。開発元が我々と同じ悩みを抱えているのであれば、一緒にやっていきたいという流れですね。開発元にしてみれば、日本だけのために『RO』を作っているわけではありません。ですが、それが世界の『RO』のためになるのであれば当然「やろう」と言ってくれるわけです。そういうところにチャレンジしていきます。


山本氏:

 『RO』のいいところを見つめ直して、『RO』というものをフルで楽しんでいただくために、必要なことは続けつつも、新しいところへ挑んでいく。15年目というといい意味でも悪い意味でもマンネリはあると思うんですね。そもそも『RO』は、ネットの生放送なども含めて、いろんなことに対して先陣を切ってきましたから……。ああ、新しいことの準備のために、2016年は生放送が1回もできなかったのがちょっと残念でした。


中村氏:


 対外的な施策が少ないとやや収束感は出てしまうのですが、今後、未来を作っていくためには必要なことですので、今はそちらにリソースを集中している感じなんです。とは言いつつも、ツイッターでポ三郎のツイートがかなり増えたり、その月のアップデート情報を必ず公開するようにしたりして、情報の公開はきめ細かく随時行うようになっています。以前はオフラインイベントでのカンファレンスが重要な情報ソースになっていたと思うんですが、むしろそういったカンファレンスは必要ない状態になっているのかなと。


長澤氏:


 来年は生放送が可能かどうかと考えるとまだわからないのですが、そのときそのときに応じた情報の提供をしていければと思っています。


山本氏:


 生放送で一緒に装備を考案したりと、運営チームとプレイヤーさんが触れ合える機会でもあったので、需要があるのも重々承知しています。まだどうなるかはわかりませんが、やっていけるタイミングがあるなら生放送も行いたいと考えていますので、そのときはよろしくお願いします。


――でも2017年はついにその内容がわかるわけですね。


山本氏:


 そうですね。……う、うまくいかなかったらごめんなさい? いやでも、本当、みなさんに満足してもらえるように挑戦中でして、現在、全力でGravity社と企画・交渉中です。具体的なことがいつ発表できるのかまだ言えず……次のインタビューでは難しいかもしれませんが、とにかく裏でがんばっていますのでご期待ください。


――わかりました。期待して待ちたいと思います。本日はありがとうございました。


 昨年のインタビューに続き、裏話満載でお届けしたインタビュー、いかがだったでしょうか。『RO』専門のブログならではの、他メディアには掲載されないであろう裏話なども余すところなく掲載している関係上、毎度毎度長くてすみません(笑)。お読みになられた方はおわかりだと思いますが、2017年の予定については後日改めてインタビューをさせていただき、掲載させていただければと思います。


 みなさん自身の『RO』ライフを振り返ってみて、2016年はいかがだったでしょうか。インタビューを読みながら「こんなこともあったな」と思い出にひたっていただければ幸いです。