2016年末に「2016年を振り返る『RO』運営チームインタビュー」を掲載させていただきました。記事の中で、2017年の施策についても軽く触れていましたが、今回、改めて、2017年の施策についてお話をうかがうことができましたので、その様子をお届けいたします。直接の続きとも言える内容になっていますので、前回のインタビュー記事をお読みいただいてからのほうがよりわかりやすいと思います。
今回は、なぜ2017年のロードマップを改めて公開することになったのか、そして水面下で企画が動いていたという、ワールド間格差を是正する企画についても詳しくお話しいただけました。『ラグナロクオンライン』プレイヤー必見の内容になっていますので、(相変わらず少々長めの記事ですが)ぜひ最後までお読みいただければと思います。
▲今回ご対応いただいたガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社『RO』運営チームのお三方。左から中村聡伸氏、長澤誠吾氏、山本兼寛氏。ちなみに中村氏が手にしているのは2016年末に開催されたコミックマーケット91に出展していたサークルさんからいただいたというお手製のアミストルぬいぐるみとのこと。
■『RO』ユーザーへの所信表明も兼ねた2017年ロードマップの公開!
――本日はよろしくお願いします。年末のインタビューでは2016年の施策を振り返っていろいろお話をおうかがいしました。今回は改めて2017年の施策についてお聞かせいただけるとのことですが。
中村聡伸氏(以下、中村氏):
他のメディアさんには2016年からの流れなどをお話ししているのですが、「週刊ROチャレンジ!」さんには前回インタビューをガッツリと掲載していただいていますからね(笑)。今回は前回の続きという感じでお話しさせていただければと思います。昨年の段階ではまだお話しできなかったことなどもありますし、今回は2017年……いよいよ15周年を迎える『RO』について、より詳しくお話しできると思います。
長澤誠吾氏(以下、長澤氏):
今回、2017年のロードマップなどをお話しさせていただくわけなんですが、昨年は年の始めにこうしたインタビューなど、具体的な計画の発表などは行っていなかったんですね。2016年にメインアップデートである「Episode:Banquet For Herose ~七王家とユミルの心臓~」を実装した際に、実は、一部のプレイヤーさんから「あ、『RO』ってまだやる気あるんだ!?」という驚きの声があったんですよ。
――それはひどい(笑)。
長澤氏:
弊社としてはまだまだ継続してアップデートを行っていくつもりです。けれど、そういうアピールはしっかりしていかないとお客様に伝わらないのかもしれない。伝わらないことで、「このままメインアップデートがなくなるんじゃないか」といった不安を与えてしまいかねない。そして、それがほかのプレイヤーさんに伝播して、不安がどんどん広がってしまう。そういうことは避けていきたいと考えたんです。
――なるほど。
長澤氏:
昨年は、毎月翌月のアップデートなどの予定を、公式サイトにて「イベント&ミニアップデート情報」という形で掲載させていただきました。それというのも、2015年に開発元である韓国のGravity社さんから日本のアップデートの裁量権をいただいたことにより、アップデートやイベントの計画が立てやすくなり、イベントなどに関しては、早いタイミングで発表していくことができるようになったという背景があるんです。
大型アップデートに関しては、裁量権をいただける前は、Gravity社さんが制作した内容をそのまま実装するという流れでした。ですが、裁量権をいただけたことによって大幅なカルチャライズを行えるようになり、ときには2~3ヶ月間の作業が必要になる場合も出てきています。
たとえば、「Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~」などは、カルチャライズ前と比べると、マップによっては出現モンスターの種類数が2倍になっていたりします。また「ダークハンド[1]」といった新規装備を追加したり、「ニーヴエンチャント」の内容に関しても日本独自にボリュームアップしたりといったことを行っています。「侵攻されたプロンテラ」の“増殖するモンスター”のギミックも日本側で追加したものですし、「プロンテラ地下監獄」も日本側で抜本的に構築し直しています。メモリアルダンジョンの「空中要塞」でも、途中でバリケードに阻まれて敵が湧いてくるといったギミックや、途中の小部屋を殲滅すると報酬経験値が増加するといった仕掛け……前回お話しした「S・J・アーネストウルフ」が足元に湧く仕様なんていうのも日本独自のものになっています。
……という感じで韓国で実装されているものから大幅に変わってしまっている関係もあって、計画が決まった段階で内容をお話ししてしまうと、実装時にはだいぶ違ったものがお目見えすることになってしまうんですよ。結果的に、具体的に内容がご紹介できるようになる段階まで発表しないほうが混乱を避けられるだろうという感じだったんですね。
ただ、さきほどお話ししたように、言わないことで不安感を与えてしまいかねないということもあります。「内容が不確定だから一切言わない」というのはあまり良くはないな、と。まだまだ『RO』に面白いものを実装していくぞということを明らかにするためにも、今年の施策に関して年初にお話ししておこうということになったんです。
――なるほど。言われてみれば確かに2016年は長期計画やロードマップの発表がなかったですからね。
長澤氏:
ということで、ここからが本題です。まず、今年の『RO』は3つのテーマを掲げていこうと思っています。ひとつ目は、昨年末にもチラッとお話しさせていただきましたが、『RO』の現状の問題へのアプローチです。ワールドによって人数の格差が生じており、アイテムの流通数にも違いが出てきています。また同様に、攻城戦における対戦相手が少ないという問題。こういった各種の問題に関しては非常に優先度が高く、改善への努力を行っていきたいと考えています。具体的な内容に関しては後半でお話しさせてください。
ふたつ目はMMORPGの面白さへの原点回帰。2016年は『RO』の原点回帰を行ってきましたが、2017年はそれをさらに推し進めると共に、全盛期の『RO』の面白さ、ひいてはMMORPGの面白さの原点回帰に挑戦していこうと考えています。これは実は、さきほどの問題へのアプローチとも関連しています。
みっつ目は2015年、2016年と同じようにボリュームのあるアップデートを行っていくということ。大型アップデートや問題へのアプローチももちろんですが、イベントや新コンテンツの実装も、これまで同様に行っていきます。
中村氏:
ということを踏まえてのロードマップがこちらになります。
さきほどもお話ししましたが、大型のコンテンツというのは大幅に内容が変更になったりもしますので、あくまでも「こんなことをやります」という概要程度にお考えいただくとありがたいです。
中村氏:
1月の内容に関しては、このインタビューが公開される頃にはすでに実装されていますので確定していますが。
山本兼寛氏(以下、山本氏):
生体工学研究所、ウェルス関連のカードは全38種類実装されましたが、どれも使い所が必ずある、魅力的なものになっていると思います。
長澤氏:
1月17日(火)実装のものでは、「古びたシリーズ」の新エンチャントも注目していただきたいですね!
山本氏:
そうですね。規定の精錬値と素材、討伐クエストさえ達成すれば失敗なしでエンチャントできますし、「古びたシリーズ」を強化してくれるものなので……。
――「古びたシリーズ」を作るのもなかなか大変ですが(笑)。
山本氏:
大変だからこそ、そのぶん強力になっていますので(笑)。
■ハイエンドユーザー向けの「夢幻の迷宮」がいよいよ登場! その内容とは……!?
中村氏:
そういったカードやアイテム効果をお試しいただきつつ、2月には、昨年のインタビューでもお話しした「夢幻の迷宮」がいよいよ実装される予定です。検証チームも頑張ってくれまして……。
以前もお話ししましたが、「夢幻の迷宮」というのはBaseLv165、いわゆるカンストしたキャラが挑戦できる大型メモリアルダンジョンとなります。さまざまなアイテム獲得をメインとしたハックアンドスラッシュ系のコンテンツです。わかりやすく言うと、敵の数が当社比3倍の「エンドレスタワー」といった感じです(笑)。
ボスに関してはある程度固定化はされていますが、フロア内容やマップなども、挑戦する度に変わったりします。極端な例を挙げると、火属性のモンスターが多かったところが水属性モンスターばかりになっていたりして、臨機応変に対応する必要もあります。
ダンジョンとしてはかなり長めで、フロア数も多く、制限時間90分以内にどこまで攻略できるか挑戦する感じです。
アイテムに関しては「ディーヴァシリーズ」「ミラージュシリーズ」という新武器シリーズが入手できるようになっていて、どちらにもランダムオプションが付きます。
▲ドロップアイテムの一例。5つのランダムオプションがついているのがわかると思います。ランダムオプションという名前のとおり、これらは入手した装備ごとに内容が異なり、鑑定を行うまで何がついているのかはわかりません。
ランダムオプション装備に関しては昨年から実装していますが、今回の「ディーヴァシリーズ」「ミラージュシリーズ」に関しては「夢幻の迷宮」内部ではかなりのドロップ数が見込めます。たくさん入手できるものの中から、いいオプションのものを厳選して、有利に戦いを進めていくことになると思います。
ボスを倒すことで大量の「ディーヴァシリーズ」「ミラージュシリーズ」を入手できます。さらに、ごくまれに迷宮内に「宝箱」が出現し、それを壊すことでも入手できるようになっています。
とにかくたくさんのアイテムがドロップされますので、できるだけ大人数で挑戦したほうが、より多くのアイテムを持ち帰ることができると思います。
▲中央下部に砦の宝箱に似たオブジェクトが出現しています。これを壊すことでディーヴァシリーズが入手できるとのこと。
▲とにかく敵の数が多いという「夢幻の迷宮」。特に後半は難度も非常に高いようで、気を引き締めて挑戦したほうがよさそうです。
▲メッセージからは追加で敵が出現するようなこともうかがえます。領域支配者とは画面に映っているバフォメット的なモンスターのことでしょうか!?
――アイテムが持ちきれないくらいドロップすることになると!?
山本氏:
今の『RO』って、プレイヤーキャラクターがかなり強くなっていて、大抵のモンスター、ダンジョンは少人数でも狩れてしまうという状態が続いていると思うんです。「エンドレスタワー」に関しても、昔は12人で挑むコンテンツでしたが、最近は少人数で挑戦する方が多くなっています。そういった方々にも満足していただけるよう、「夢幻の迷宮」の難度はかなり高めになっています。具体的には、ある程度まではゴリ押しでも進めますが、途中から二次関数的に敵が強くなっていきます。瞬時にモンスターの構成を把握して、秒単位で装備を付け替えるといったことも必要になってきます。
――そ、それは厳しそうですね(苦笑)。
山本氏:
これまでの高難度ダンジョンというのは、大人数パーティーの中でも、2~3人は初心者の方や慣れていない人がいてもクリアできるというものが多かったと思うのですが、「夢幻の迷宮」の深部では、12人全員が適切な動きで協力して戦っていかないとクリアは難しいと思います。そういう意味では本当にハイエンド向けダンジョンと言えるのではないでしょうか。
中村氏:
まぁ、そもそもレベルカンスト向けで、それだけのキャラクターを育成しているという前提もありますので、難度としてはかなり高めにしてあるんですね。
――その代わりアイテムは大量に手に入るぞ、と。
中村氏:
ランダムオプション武器ですからね。そうそう、武器の種類としては全種類用意されています。リベリオンなどはハンドガンだけでなくガトリングガンなどの種類もあります。
――おお、ハンドガンだけじゃないんですね!
長澤氏:
……という「夢幻の迷宮」なんですが、実はふたつ用意されているんですよ。
――ふたつ、ですか?
中村氏:
はい。ひとつは通常のメモリアルダンジョン、もうひとつは装備制限がかかっているメモリアルダンジョンになっています。制限のあるほうは、指定された装備だけしか持ち込めないようになっていて、そのぶん若干モンスターの強さなどが落としてあります。“縛りプレイ”的な楽しみができる感じですね。
――装備が持ち込めないということは、例えば特定のカードが挿してあるとダメとか?
中村氏:
いえ、武器防具の種類が指定されている感じですね。逆に、どんなカードが挿されているかは判定されません。
長澤氏:
ちなみに、制限のないほうでは「ディーヴァシリーズ」が入手できるようになっていて、制限アリのほうでは「ミラージュシリーズ」が手に入ります。
中村氏:
さらに言うと、「ディーヴァシリーズ」は制限アリのダンジョンに持ち込めるようになっていますので、まずは制限のないダンジョンで「ディーヴァシリーズ」を手に入れるといいかもしれません。もちろん、制限装備をお持ちであれば、いきなり制限アリのダンジョンに行ってもいいと思いますが。
山本氏:
まだ2月まで時間がありますので、レベルが足りないようであればレベルアップをしていただくのはもちろんのこと、キチンと戦えるキャラを作っておくといいと思います。
――なるほど。ちなみに「夢幻の迷宮」はイベント扱いになるのでしょうか。期間限定なんですよね?
長澤氏:
実施期間は長めの予定ですが、まずはイベントという形で実施されます。とはいえ、新コンテンツのプレオープンという側面もあるんですよ。本来の想定では「夢幻の迷宮」は1週間に1回の入場制限をイメージしているのですが、イベント期間中には1日1回の制限になる予定です。イベント時の状況を見て、その後の仕様を決定していこうかなと考えています。
――ということは、最終的には常時実装されるコンテンツになる予定ですか?
山本氏:
実は「夢幻の迷宮」はサーバー側にとっては非常に負荷が高いメモリアルダンジョンなんです。常時行けるようにしてしまうと……、たとえば季節イベントなどでメモリアルダンジョンが多数作られるような状態と重なってしまうと問題が出てくる可能性もあるんです。ですので、特定のイベント時にはクローズするなど、特殊な開催形式になると思います。
中村氏:
負荷的に大丈夫そうであれば、できるだけ遊べるようにはしたいと考えています。
長澤氏:
あっ、言い忘れましたが、「夢幻の迷宮」にはコンティニュー機能があります。
――コンティニュー?
中村氏:
さきほど言ったようにクリアまでの時間制限(90分)はカウントされ続けますが、パーティーが全滅した際にはそのフロアからやり直しができるようになっています。
長澤氏:
時間が許せば、これを利用して、倉庫でアイテムを出し入れすることもできます。
山本氏:
フロアのモンスター構成もガラリと変わることもありますし、出直して装備を整えるなど、臨機応変に活用していただければと思います。
――なるほど。1日1回という回数制限もありますし、難度が高いメモリアルダンジョンだと不意の全滅で終わってしまうのは悲しいですからね。悔いのない挑戦ができるのは嬉しいですね。
■配置変更や経験値調整は随時実施予定。最新の狩り場情報がわかる公式ツールも登場予定!?
中村氏:
「夢幻の迷宮」実装直後くらいからは、過去にも行っていた狩り場の配置変更や経験値調整などを随時行っていこうと思っています。
長澤氏:
メモリアルダンジョンとは別に、昔ながらの『RO』として、比較的長い時間の狩りで遊びたいという方もいらっしゃると思うんですね。昨年行った配置変更では「フェイヨン地下洞窟 B5F」などは非常に好評で、レベルアップに大いに貢献している感じです。ですので、今年は積極的に配置変更や経験値調整を行っていきたいと考えています。
そして、配置変更のたびにというわけにはいかないと思うのですが、通常の狩り場にもランダムオプション装備がドロップされるよう、適用していこうと思っています。
ただ、ランダムオプション装備というのはその名のとおり数値がランダムで付与されるので、拾ったその場で鑑定して、いまいちな性能だと投げ捨ててしまう人もいますよね。でもせっかく出たアイテムを捨ててしまうのはもったいないと思うんですよ。将来的にはランダムオプション装備を素材にしたりする新たなコンテンツを企画したいと考えています。とはいえ、これはGravity社さんに新たに開発してもらわなくてはならない部分も含まれていますので、すぐに実装するのは難しいかもしれません。
――むむむ。ということはランダムオプション装備も気軽に捨てられないじゃないですか(笑)。またみんなの倉庫がいっぱいになって「実装早よ!」という声が渦巻きますよ!?
長澤氏:
そ、そうかもしれませんね。でもそういう声もある意味ありがたいんですよ。Gravity社さんへの後押しにもなるんです。「こんなに開発を望む声があるんです。早く実装しましょうよ」って。もちろん我々もしっかりと交渉していきますけれど! ともかく、せっかくレアアイテムを手に入れたのだから、その価値を保てるようにしていきたいという考えがあるんですよ。ただし、まだ企画中なので、変更の可能性もありますが。
山本氏:
今までの配置変更だと、どうしても経験値と狩り易さという、いわゆる効率に話題が集中してしまって、最適狩り場を見つけ出すという“比較”だけで終わってしまっていたと思うんですね。今後はランダムオプション装備のドロップが適用されることにより、狩り場ごとに、より個性を出せると考えています。たとえばこの狩り場ではこのオプションが出やすいという設定もやろうと思えばできるようになっているんですよ。そういったことが実現すれば、いろいろな狩り場でハックアンドスラッシュの楽しみが作り出せると思います。
――「この狩り場は獲得経験値は少ないけどカードが出たら美味しいから篭ってみよう」みたいな感覚を、ランダムオプション装備でも考えられるというイメージですね。
長澤氏:
そうですね。
中村氏:
とはいえ、配置変更を定期的に行っていこうという内容で同時に話題になるのが、「最新のモンスター配置を把握するのが大変」というご意見なんです。そういった声に応えるためにも、公式側でモンスターがどこに出現するのかという情報を提供していこうと考えています。今は公式ツールとして露店取引情報を公開していますが、その姉妹品的な感じで、モンスター関連のツールをご提供する予定です。
――おお、それは嬉しいですね。ちなみにそれはいつぐらいに公開になるのでしょうか。
長澤氏:
今年の配置変更の開始と同時は難しいかもしれませんが、できるだけ早めの公開を目指しています。もう少しだけお待ちください。
■BaseLv175への上限解放は夏前を予定! そして名前の上に「称号」を表示できるように……!?
長澤氏:
続いてロードマップでは「夏前に実装予定」というのが3つ続けて並んでいますが、これはだいたい上から順番に実装していけそうかなという感じになっています。状況によって順番は入れ替わる可能性もあります。
まずは「深淵の回廊」の第3回。これに関しては前回のインタビューで詳しくお話しさせていただきましたね。
――ですね。「なるほど、いろいろ考えられているんだな」と納得されている方も多かったように思います。次の「業績・称号システム」というのは?
長澤氏:
まず、業績というのは、いわゆる「トロフィー獲得」みたいなものと言えばいいでしょうか。クエストなどはNPCに話しかけることでカウントが始まるものがほとんどですが、これは最初にキャラクターを作った時点から存在するものになります。たとえば「ポリンを100匹倒す」などの項目が設定されていたとして、それを達成すると、ボタンを押すことで報酬がもらえるという感じですね。また、業績と称号はセットみたいになっていまして、これもたとえばですが、「フェイスワームを1000匹倒す」という項目があったとすると、業績達成時に「フェイスワームキラー」などといった称号がもらえ、実際に名前の前に称号を表示することが可能になります。
――名前の前に表示できるようになるんですね。
長澤氏:
はい。業績の内容としては、やり込み要素的なものはもちろんですが、初心者向けのもの、ちょっとしたお遊び的なものなど、いろいろできると思っています。
中村氏:
トロフィー系って自慢したいじゃないですか。そういう意味で、称号を表示しておくと「あいつ、バフォメットを1000体も倒したのかよ!」みたいな自慢ができちゃったりするんです(笑)。
――これまではギルドの職位表示を利用して称号的なものをつけていた方も多いと思うんですが、それがシステム上でできるという感じですね。
中村氏:
そうですね。
長澤氏:
3つ目のレベル上限解放については、現状の『RO』ではBaseLv165の、いわゆるレベルカンストキャラを持っているプレイヤーさんが約半数になっていまして……ってこれも前回のインタビューで詳しく話しましたね(笑)。
――はい(笑)。今回はまず、解放の時期がわかったのが新情報ですね。BaseLv175と書かれていますが、これは決定でしょうか。
長澤氏:
現状の予定では175ですね。これも以前お話ししましたが、韓国でレベル上限がさらに引き上げられた場合には日本でも同じところまで解放するか、上限をアップさせる可能性はあります。
――前のレベル上限解放を鑑みて、BaseLv1ずつとか3ずつとか、少しずつ定期的に上げられないのかといったプレイヤーさんの声もありましたが。
山本氏:
気持ちはすごくわかるのですが、結局レベルアップの速度というのはプレイヤーさんによってまちまちなんですね。解放してほしいタイミングも異なると思いますので、ある意味で公平に、ある程度は一気に上げるべきだと思うんです。解放範囲が経験値の公平圏内(15レベル)であれば公平パーティーが組めなくなるということもないと思いますので、基本的にはあまり問題視はしていません。
また、前回の上限解放では、BaseLv150からBaseLv165というのは経験値テーブル的に、あまりキツくはなかったんですよ。今回はレベル上限解放もエンドコンテンツ的な位置づけにしたいので、必要経験値はかなりキツくなっています。
――それこそ2次曲線的な……?
山本氏:
ええ。昔のBaseLv96~99のような……。レベル上げ自体は大変かもしれませんが、それに応じた新しいコンテンツなども考えていますので、そこで遊んでいただくことで経験値を稼いでいけると思います。
レベルに差がつくことにより、比較的影響の大きい攻城戦などに関しては、昨年もお話ししたように「リリーフポーション」などもありますので、そういったアイテムで補えると思います。
■次回メインアップデートでは懐かしの大統領や、セイレン=ウィンザーなども登場!?
長澤氏:
ロードマップとしては、次回のメインアップデート、韓国のEpisode16.2に当たる「TERRA GLORIA」(テラグローリア)を夏頃に実装したいと考えています。前回は1年半もお待たせしてしまいましたが、プレイヤーさん方の不安を解消する意味でも、今回はできるだけ早くお届けしたいと考えています。
▲次回のメインアップデートは夏頃を予定。プロンテラ城で起こった事件の犯人を追って、シュバルツバルド共和国へ……! なお、「Episode16.2」というのは韓国での名称。
内容としては、タイトルからもわかるように、前回の「Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~」の直接の続編となります。前回に引き続き、NPCたちと協力して、シュバルツバルド共和国へ襲撃犯の捜索へ向かうことになります。今回はレッケンベル社と抗争をしているというデザインになっているリベリオンたちも関わってくる予定です。シュバルツバルド共和国では、彼らリベリオンたちと、大統領直属の組織・秘密の羽、そして襲撃犯というのが三つ巴の様相を呈している感じなんですよ。そこに冒険者が巻き込まれていくという感じです。
――右上にすごい格好のキャラがいるんですが……。
中村氏:
一体何者なのかというのはお楽しみに!
長澤氏:
このTシャツ欲しいですよね。アイ・ラブ・ジュノー! 昔のクエストやメインアップデートではあまり立ち絵がなかったんですが、キャラクターを魅力的に見せるためにも立ち絵は多くしてほしいと要望していたこともあって、最近のアップデートでは立ち絵が豊富になってきていて嬉しい限りです。そこはプレイヤーのみなさんにも楽しんでいただけているところだと思います。そういえば大統領関連のエピソードを出してほしいというのも我々から要望していたことなんですよ。
――そうなんですね! 大統領クエスト以後、どうなったんだろうと思っていた人も多いと思いますから、今回の登場は興味深いですね。
長澤氏:
さらに、生体工学研究所関連からは、どうやらセイレン=ウィンザーに関するエピソードもあるようで、立ち絵もしっかり用意されています。
――“生体キャラ”がメインアップデートに絡んでくるんですか!? それはちょっと楽しみですね。
中村氏:
前回に引き続き、なじみのあるクエスト、なじみのあるキャラクターが登場しますので、懐かしがりながらプレイしていただければいいかなと思います。
長澤氏:
「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」や「Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~」も、裁量権の及ぶ範囲で大幅に手を入れさせていただき、かなり大きく遊べるコンテンツにしてきましたので、今回も同じようなボリュームで楽しんでいただけるように調整しようと考えています。
――前回お聞きした話だと、韓国の次回のアップデート内容を把握してから進めたいというようなこともおっしゃっていましたが、そのへんは大丈夫そうですか?
長澤氏:
いろいろ情報をやりとりして進めています。夏までには間に合う……いや、頑張ります!
中村氏:
えっと……夏といっても長いですからね(笑)!
――(笑)。
■いまだ謎に包まれたローカライズマップ「ROCKRIDGE」は秋頃の実装を予定
中村氏:
そして秋には久々となるローカライズマップが予定されています。アメリカをモチーフにした「ROCKRIDGE」(ロックリッジ)です。もはやローカライズマップって何年ぶりだという……。
長澤氏:
デワタ以来なので、6年ぶりですね。「ROCKRIDGE」自体は韓国で2016年12月に実装されたばかりの新コンテンツになります。西部をイメージした感じで、蒸気機関車があったり、ほかではあまり見られないようなユニークなキャラクターがいたりします。動物系モンスターのガンマンだったり、謎のサボテンキャラクターがいたり……。
▲まだまだ謎に包まれた「ROCKRIDGE」。ミノタウロスのガンマン的なイラストはどうやら敵モンスターらしい!? 坑道にある謎の鉱石も気になるところ。
――このサボテンはムカーとは違うんですか?
長澤氏:
詳しい設定を確認中なので詳細はお話しできないんですが、どうやらプレイヤーキャラの味方っぽい雰囲気なんですよね。
昔、デワタを実装した際には、弊社にまだ裁量権はなかったので、あまり大掛かりなカルチャライズはできなかったのですが、「ROCKRIDGE」に関してはそれなりにカルチャライズを行い、楽しんでいただけるものになると思います。
――なるほど、楽しみにしています。
■その他、韓国最新ダンジョン&コンテンツなども随時実装を予定
長澤氏:
今のところ、ロードマップとして公開できるのは以上という感じですが、画像にも書いてあるように、季節系イベントなどはこれまでどおり実施していきます。そして、ロードマップに書かれていないアップデートも当然行っていく予定です。たとえば、2016年12月末に韓国に実装された「イリュージョンダンジョン」というものがあるのですが、そういったものもタイミングを見て実装していきたいと考えています。
「イリュージョンダンジョン」というのは、イメージとしては「時計塔ナイトメア」などの「ナイトメアダンジョン」にアイテムやストーリーを追加した感じのコンテンツなんですね。すでに実装されているものとしては「フェイヨン地下洞窟 B5F」の続きみたいな場所で、既存モンスターの亜種的なモンスターが実装されているんです。
山本氏:
もともと、韓国の「ナイトメアダンジョン」は単に既存ダンジョンの敵が強いバージョンという感じで、アイテムやカードなどもなかったんですね。日本で実装する際には、たとえば「シャドウスタッフ[2]」などを追加したりといったカルチャライズを行っていました。一方、「イリュージョンダンジョン」は最初からカードや新アイテムが実装されており、さらにストーリーも用意されているんですね。フェイヨンのダンジョンは「イリュージョンオブムーンライト」と呼ばれていて、次の実装予定は「イリュージョンオブヴァンパイア」という、ドラキュラに関わるゲフェンのダンジョンが予定されていると聞いています。そんな感じでシリーズ化されて今度も実装されていくと思われます。こちらに関しては情報がまとまり次第、日本でも導入していきたいと考えています。
長澤氏:
これは完全な憶測ですけれど、「ナイトメアダンジョン」を作ると日本側からアイテムやカードの追加の要望が来るから、もう最初から作っちゃおうってことなのかもしれないですね(笑)。
山本氏:
「ナイトメアダンジョン」のカードは、弊社から開発元に、お願いだからカード作ってくださいって言い続けて実装してもらったものなんですよ。開発元が要望を聞いてくださるのは非常にありがたいですね。
長澤氏:
もともと存在していないものを作るとなると時間がかかってしまうのですが、「イリュージョンダンジョン」に関してはカードやアイテムも最初からあるので、カルチャライズ作業が必要になったとしても、日本向けに変更するだけですみますから、実装までの時間的にかなりありがたいかもしれません。
あと、これは余談なんですが、韓国ではBaseLvと敵のレベルに応じてアイテムドロップ率が変化する仕様になっています。ところが、韓国の「イリュージョンダンジョン」は、アイテムドロップのレベル偏差がないマップらしいです。
山本氏:
韓国ではアイテムドロップ率にレベル偏差があることで、特に、低レベルのモンスターがドロップする製薬系アイテムなどが入手しづらくなっているようなんです。「イリュージョンダンジョン」はレベル偏差がないマップを作ろうという意図もあったのではないでしょうか。
――日本でも3次職アップデート時にレベル偏差の話題が出ていましたね。結局現行の仕様のままになってホッとした人も多かったように記憶しています。
長澤氏:
「イリュージョンダンジョン」に関しては、コンテンツ内容的にも非常に面白そうなので、日本でも隙を見て早めに実装していきたいですね! Gravity社さんからは、開発予定のすべての情報を教えていただいているわけではないので、韓国で突然実装されるものもありますが、そういうものも随時ローカライズ、カルチャライズして実装していけたらと考えています。
今回ロードマップとして提示させていただいたのは、裁量権の範囲内で弊社側で作業を進めさせていただいているものでして、Gravity社さん側での作業を予定している内容など、あえてここに掲載していないものもあるんです。それら案件に関しても、完了次第発表していければと思います。
たとえば、新種族・ドラム族に関しても、先日、台湾にも実装されたようで、そろそろコンセプトも固まりつつあるのかなという感じです。日本のプレイヤーさんでも楽しみにしている方もいるでしょうし、もし作業などがスムーズにいけば2017年内の実装なども視野に入れて動いているところです。
▲今回初公開された、雄一郎氏が描いたドラム族のイラスト。左が男性、右が女性とのこと。
中村氏:
前回お話したように、こんな感じで雄一郎さんにイラストも描いてもらっています。私のほうでいつでも紹介できるようにしていますので、準備は万端ですよ(笑)!
■ワールド統合に代わる施策の概要が明らかに! 全ワールドから訪れることのできる新エリアは“みんなで遊べる場所”となる
中村氏:
前回のインタビューでも少し触れましたが、山本が水面下で動いているという施策のことについても少しお話しさせていただければと思います。
――おお、謎のプロジェクトがいよいよ明らかに!?
長澤氏:
ええと、まずはどういったものを目指しているのかといったあたりから……。最初に述べたように、ワールド間の格差が問題になりつつあるわけですが、それとともに、MMORPGの原点の面白さというのは、みんなで遊べることだと思うんですね。ですので、単純にワールドを統合するという話ではなく、みんなが遊びに行ける新たな場所、新たなワールドを作るという計画を進めているところなんです。
攻城戦で対戦相手がいなければ、他のワールドの人と対戦すればいいのではないか。昔、ワールド対抗戦というイベントがありましたが、ああいったものを自動化した仕組みです。自分のワールドで力をつけたりアイテムをそろえて、その新しいワールドへ戦いにいく。
「モンスターハウス」のようなPvEイベントに関しても、ワールドによっては人数の格差が出てきているわけですが、そういったイベントなどもその新しいワールドで行うことで、格差をなくすことができます。
――全ワールドから自由に訪れることができるイベントワールドのような感じでしょうか。
長澤氏:
そうですね。イベントというか、定時に行われるコンテンツなども含められるのが理想ですね。
山本氏:
各ワールドから行ける「ロビー」のような場所をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。現在のワールドはこれまでどおりのゲームプレイが可能になっていて、全ワールドからはそのロビーに行けるわけです。そこには他のワールドの方々と一緒に遊べるコンテンツが用意されている、と。今までもイベントとして似たような仕組みはありましたが、これは常設させる計画になっています。仮にワールドごとの同時接続人数が減ってしまって、大人数で遊ぶようなコンテンツが成り立たなくなったとしても、そのロビーワールドに行けば他のワールドの方々と一緒に遊ぶことができるわけです。
我々としても、大人数に合わせたコンテンツを用意できます。たとえばロビーワールドでの攻城戦を用意すれば、実質的にはワールド対抗戦が毎週実施されるということになるわけです。「今週は○○ワールドとXXワールドの戦いです」みたいなものをご用意できると思うんです。そういう対戦であれば、たとえ負けたとしても自分のワールドで頑張ってキャラを強くしたりアイテムを手に入れるという必要性もでてきます。
ロビーワールドというのは特殊な場所ですから、今までできなかったような企画もできると考えています。たとえばポリンというのは全ワールドで同じモンスターですけれど、ロビーワールドのポリンは同じである必要はないと考えています。ロビーワールドでしか出会えないモンスターでもかまわない。それ以外にもロビーワールドにしかないダンジョンも可能かもしれません。ロビーワールドでは、通常ワールドではできなかったようなこと、通常ワールドではさまざまな事情で問題が起きてしまうために実装できないコンテンツなども実装していけると考えています。
長澤氏:
全ワールドから集まったプレイヤーでレイドモンスターを倒すなんてこともできるでしょうし、なによりすごく面白そうじゃないですか。他のワールドの人の戦い方と自分のワールドでの戦い方に差があったりするかもしれませんし、新しい出会い、新しい遊びに出会えるきっかけになると思います。そういう出会いの場を作っていきたい。現在、そういった想いでロビーワールドの企画を進めさせていただいているんです。
Gravity社さんとの交渉の結果、仮にこの企画が実現できなかったとしても、すぐに代案を用意して、「大人数で遊べるコンテンツを作る」ということに関しては必ず進めていきます。
システム的には難しいところもあるのですが、話し合いの結果、実際にスタートできるようになったら、2017年の施策の中でも限りなく優先度を高め、実装に向かって進めることになると思います。
山本氏:
こうしてインタビューでしゃべってしまうということは、もはや決意表明的なところもあるんですが……。
――そうですね。ことあるごとに「あのロビーワールド計画はどうなってんの?」って言われてしまうでしょうから(笑)。
長澤氏:
いや、でも言わないと、「このまま『RO』はどうなってしまうんだろう」と不安がるプレイヤーさんも増えてくると思うんですよ。我々も、プレイヤーの皆さんが楽しめるゲームを作るために戦っていきますという決意もお伝えしたいところでもあります。Gravity社さんもこちらの企画案を真剣に見てくださっていて、改善点などを提案してくれたりと、熱い議論を行っています。
山本氏:
13周年の際には「アニバーサリーアイテムを作ろう!ツアー」で国内を回ったりして、プレイヤーのみなさんと直接触れ合う機会が多かったんですが、そのときに攻城戦の対戦相手がいないだとか、ワールド統合はしないのかといったご意見やご質問をたくさんいただいたんですね。そのときは難しいですねとしかお答えできなかったんですが、もちろんそういった問題があることは把握していて、どうにかしなければならないという想いはありました。そういったことから水面下でこの企画を進めていたわけなんです。それが今回、ようやくお話しできる段階になってきました。
長澤氏:
今度は韓国出張が多くなってまた姿を消すことになるかもしれないね(笑)。
山本氏:
ええーっ(笑)。
――山本さんの姿が見えなくなったらこの企画で忙しいのかなと思われるわけですね(笑)。
山本氏:
まぁ、冗談はともかくとして、今の『RO』というのは、少人数でも遊べるコンテンツが充実してきていますよね。ここからは、MMORPGを遊んだことのない人にもその本来の楽しさを知ってほしい。大人数で楽しんでほしい。しかし大人数で遊ぶコンテンツを実装したとしても、人が集められないという不満の声が出てくると思うんですね。そういった方のためにも、ワールドの垣根を越えたコンテンツを作れるように下地を作ってきたという感じです。ぜひご期待いただければと思っています。……今しゃべりながら、ちょっと自分でハードル上げてるなぁと思いつつ(笑)。
――セカンドコスチューム体験ワールドなどで他のワールドの人と一緒に戦ったりするのが新鮮で面白いなと思ったりしていたので、お話しいただいたロビーワールド構想はなかなか興味深いですね。一方で、不特定多数の人よりは身内とだけ遊びたいという人は自分のワールドで遊べばいいわけですから、ある種理想的な形かもしれません。
長澤氏:
たとえばボス狩りをしている方などはワールド統合で人数が増えるのを嫌がるかもしれません。
――ワールド統合だと“強制的に人数を増やされてしまう”という感覚の人もいるでしょうからね。能動的に人の集まる場所へ出かけられるというのは非常にいいのではないでしょうか。
長澤氏:
そう言っていただけると心強いです(笑)。
山本氏:
セカンドコスチューム体験ワールドの話が出ましたけど、現在の特設ワールド的な仕様だと、自分のキャラで遊ぶことができませんよね。新たにキャラを構築したり、用意されているものを使うしかない。今回の企画では、自分のキャラ情報や、自分の装備を使って遊べるようなものを目指しています。
長澤の話にあったレイドボス戦といった内容に関しても、イベントで昔似たようなことをやったことがあるんですよ。「DimensionDiver」の一環として、強敵に挑むイベントがあったんです。あのイベントは僕が担当していたのですが、実はワールドごとにいろいろ微調整を行ったりしてものすごく大変だったんですよ。そういった大人数向けのコンテンツももっと実施しやすくなると考えています。
――「深淵の回廊」の「古王グローザ」とはまた違ったベクトルのコンテンツですよね。
山本氏:
はい。「古王グローザ」はパーティー単位で挑む強敵ですからね。それとは別で、全員で攻撃してHPを少しずつ削って倒そうみたいなレイド戦っていうのは、ある種MMOの醍醐味だと思うんですよ。
――すごく昔になりますけど、ワールド追加のときにマイグレーションイベントがあったじゃないですか。ゲフェンなどの街に向かってモンスターが侵攻してきて、全キャラクターで迎え撃つという……ああいった大規模イベントもできちゃうイメージでしょうか。
山本氏:
そういうこともできると思います。
――ワールドによって結果が違ってしまうと以後の問題が出てしまいますが、ロビーワールドで進行するイベントだったら結果がたとえ失敗でもアリなのかなと思ったり。
山本氏:
ええ、ストーリーなども作りやすいですよね。ワールドによっては撃退できたので平和が戻りましたというところと、撃退できなかったところではストーリーが違ってしまいますよね。これまではプロンテラ騎士団がやってきて倒しましたということでムリヤリ平和を取り戻したりしましたが(一同笑)。
中村氏:
「プロンテラ騎士団最強じゃねーか!」って言われたりしていますよね。
――いまだに言われていますよね(笑)。結果を逆手に取って、前回のイベントで失敗したから続編イベントはこうなりましたみたいな物語ができたりすると面白いかもしれませんね。
山本氏:
そうですね。そういったストーリーも面白いですね。
――たとえばBreidablikワールドというのは比較的新しいワールドで、昔流通したようなアイテムが少なかったりするわけじゃないですか。一方で古くからあるワールドにはそういったアイテムが多く存在します。ロビーワールドに行ってそういうアイテムの売り買いするということも可能になるのでしょうか。
山本氏:
理論上は可能です。が、一方で、それを好ましく思わないプレイヤーさんもいると思います。そのあたりは慎重に協議しつつ決めていきたいと考えています。
長澤氏:
大きい環境変化になりますからね。そこはもう慎重に慎重を重ねて決定していきたいと思っていますので……。
――なるほど。そういった意見などもWebヘルプデスクなどに送ったほうが目に止まりやすいという感じでしょうか。
中村氏:
実はこのインタビューが公開されたあとに、大規模なユーザーアンケートを実施しようと考えているんですよ。かなりガチな内容も含まれていまして、フリーワード形式で運営チームに言いたいことなども書き込めるようになっています。内容としてはふだんどんな遊び方をしているかといったものから今後どんなコンテンツが欲しいかといったことまで、そういったご意見、ご回答を元に、2017年の実装内容も臨機応変に調整していきたいと考えているところです。ご意見がある方は、ぜひそのアンケートにもご協力いただければと思います。参加いただけた方へのちょっとしたお礼もありますので。
――そこで思いの丈をぶつけていけばOK、と。
中村氏:
もちろん、先ほどおっしゃったようにWebヘルプデスクでもかまいません。なかなか難しい案件であっても、長く要望を続けていると叶うこともあったりしますので。完全に叶うとまではいかなくても別のアプローチが可能なものもあったりしますからね。
長澤氏:
そうですね。どんな風に『RO』を楽しんでいただけているのかということも含めて、ご意見はいただければ非常に参考になります。昔のように裁量権がなかった頃は、ご意見をいただいてもなかなか反映させるのが難しい時代もありましたが、今は裁量権もあるので、いただいたご意見はGravity社さんと共有しながら、都度改良を加えることもできると思います。
――わかりました。では最後に2017年の意気込みなどをお願いします。
長澤氏:
『RO』も15周年を迎えようとしているわけですが、これはまさにユーザーさんの皆様に支えていただけたおかげだと思っています。もちろん『RO』はこれからも続いていきますし、プレイヤーのみなさんに面白いと思ってもらえること、楽しんでもらえることを最優先でやっていきたいと考えています。今までありがとうございましたと感謝しつつ、これからもよろしくお願いいたしますとお伝えしたいです。
中村氏:
比較的最近始められたプレイヤーさんの中には、MMORPGの初期の頃、どのように遊んでいたのか、どのように楽しまれていたのかというのをご存じない方も多いと思うんですね。そんな面白さを、復帰プレイヤーさんは懐かしく思い出していただきながら再度楽しんでいただければと思いますし、また、新規プレイヤーさんには改めてMMORPGらしさを体験していただき、知っていただければと思います。そんなふうにして、今後も多くの方が一緒にプレイを続けていっていただけたら嬉しいです。
山本氏:
今回はワールドの垣根を越えた施策など、いろいろとお話しさせていただきました。とはいえ、まずは目の前の「夢幻の迷宮」です。久々に見るようなチャレンジコンテンツで、非常に面白く、みんなで協力することでクリアでき、そしてお互いに「よかったね」と言い合えるものになっていると思います。まだ開催まで時間はあるので、しっかりと準備をしていただいて、ぜひ楽しんでいただければと思います。
――年をまたいでの連続インタビュー、ありがとうございました。今年もいろいろと期待しています!
ということで、年末に続き、今回の年明けのインタビューで、2017年にかける『RO』運営チームの意気込みが伝わってきたのではないでしょうか。まだ詳細な仕様が確定したわけではないようですが、後半でお話しいただいたロビーワールド的な新エリアに関しては、いろいろと期待というか、妄想が膨らむ内容でした。ぜひとも実現に向けて頑張っていただきたいところです。
また、今回公開されたロードマップはあくまでも予定なので、実際には前後することもあると思いますし、お話にもあったように、予定になかったサプライズが実施されることも十分ありえます。いずれにせよ、これが2017年の『RO』のすべてではないということは頭の隅に置いておくべきでしょう。
みなさんはどの項目が気になったでしょうか。もし「ちょっと運営さんに言いたいことがあるぞ!」という場合は、間もなく実施されるというアンケートや、Webヘルプデスクに投稿するといいかもしれません。プレイヤーの意見によってゲームが変化していくというのもMMORPGの面白さのひとつと言えるでしょうから!