読者さんからいただいた質問や疑問などを『ラグナロクオンライン』運営チームに聞いてみる「運営チームへ突撃Q&A!」。諸事情により、いただいた質問すべてに回答していただくというわけにもいきませんし、掲載も不定期ではありますが、『RO』プレイヤーとして気になったことにお答えいただける貴重な機会ではないかと思います。


 あまり頻繁に行えないとは思いますが、質問募集はまだまだ継続中です。運営チームに聞きたいことがある方は、このコーナーの最後を読んでご質問を投稿していただければと思います。


 では、今回のQ&Aにいってみましょう。今回ご対応いただいたのは『RO』運営チームの中村聡伸氏、栗山知也氏、伊藤健氏のお三方です。



――まずはいちえさんからの質問です。


 サモナーの「のどを鳴らす」はパーティーメンバーに対して効果を発揮しますが、同一マップ内であれば見えない範囲(スキル説明による効果範囲外)でも効果が発動するようになっているようです。これはスキルの正常な動作なのでしょうか。特に攻城戦にも影響することなので見解を教えてください。


栗山知也氏(以下、栗山氏):


 ユーザーの皆様には、ご不便、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

 運営チームとしては、ユーザーさんがどのように遊ばれているかというのは常に見させていただいていますので、この件についても議論も含めて把握はしています。ドラムを実装する際に、「のどを鳴らす」の仕様の確認はさせて頂いておりますので、今回の現象も不具合ではないかという疑いがあり、確認と修正の検討を進めております。


――結局不具合なんでしょうか?


栗山氏:

 スキルの説明文と違う動作ではあるので、どちらかが間違っているのですが、プログラムというのは多岐に渡って影響するものですし、現行の効果のまま修正できるのかといったことに関しても、回答が難しい部分になっています。

 イベントの不具合などは比較的スピーディーに対応させていただいているのですが、そういうものに関しては弊社側で不具合かどうかジャッジできるものなんです。その場合は、すぐにご案内をさせていただけるのですが……。今回の「のどを鳴らす」などの件に関しては、仮に弊社独自で勝手に告知をしてしまい、結果的に間違った案内になってしまうと、そのほうがユーザーさんに不利益をもたらしてしまうことになってしまいます。ただ、この状態がいつまでも続くのは非常によくないということはわかっています。大変申し訳ありません……。


――検証動画なども上がって、結構広まってしまっていますよね。


中村聡伸氏(以下、中村氏):

 はい……。これは前にも回答させていただいたことがあるのですが、ゲーム内で仕様や告知と違う挙動があった場合には、その挙動を拡散するのではなく、WEBヘルプデスクなどを通じて運営チームへ報告するだけにしていただけるとありがたいです。不具合は拡散して大騒ぎになれば修正されるだろうというのは間違った考えで、我々としては不具合が広まってしまった場合は、そのスキルを使用禁止にせざるをえない状態になるかもしれないんです。今回の件にも関係することなのですが、弊社、つまり運営チームだけはゲームの根本的な修正はできず、使用を禁止することくらいしかできないんです。我々としてもそういったことはできるだけしたくないというか、望んではいません。


――プレイヤーとしては、きっと不具合かどうかわからないので、知り合いや、各職業をやり込んでいる人に聞いてみようくらいの感覚で“検証動画”が出来上がるんだと思います。


中村氏:

 実は現在、一部マップにて使用が禁止されているスキル「インスピレーション」に関しても、動画などによる拡散で現象とその発生のさせ方がだいぶ広まってしまい、その影響もあって使い始めるプレイヤーさんが増加したんですね。「インスピレーション」に関してはいろいろな要素が複合していて、大元になっている「インスピレーション」を禁止にしていますが、状況によってクライアントプログラム自体が落ちてしまうという不具合が発生するというのが、使用を禁止した最大の理由です。
編注:インタビュー収録後、「インスピレーション」に関して2019年5月28日の定期メンテナンスにて対応と発表されました)


栗山氏:

 話がそれてきていますがせっかくなので。「インスピレーション」の件に関しても、もちろん運営チームでは把握はしていたんです。その“状況”が発生した場合、クライアントプログラムの負荷が高くなる傾向はあったのですが、普通にプレイしている状態ではクライアントが落ちるユーザーさんの数というのは非常に少ない割合だったんです。ただ、高負荷を引き起こすための状況の発生のさせ方が共有され、広まってしまうことにより、クライアントが落ちてしまう方も必然的に増加してしまう傾向が出始めたと。ゲームが正常にプレイできない、ゲームサービスが正常に提供できないとなると、運営側としてはどうしてもその原因を取り除かなくてはなりません。


中村氏:

 原因究明から修正までにはある程度長い時間がかかってしまいますので、その間に広まってしまうと止めざるをえないんですね。


栗山氏:

 ある意味、よくない流れで今のかたちになってしまいました。広まってしまうのはある程度仕方がないのですが、大々的に広めないでいただけるとありがたいかな、と。


――やり方が喧伝されてしまい、狙ってクライアントを落とすことができかねない状態だったから使用禁止にしたという感じですか。


栗山氏:

 そうなんです。もちろん、広めたユーザーさんが悪いということではなく、そういう仕様であったことが問題なわけで、その点に関しては本当に申し訳ありませんとしか言えません。


――「のどを鳴らす」に関してはそこまでの大影響はないとは思いますが……。


栗山氏:

 いや、攻城戦など、熱心にプレイしてくださっているプレイヤーさんのモチベーションに関わってくることだと感じています。実はこの手の問題は案外根が深くて、ユーザーさんに案内ができないことも多くて……。


中村氏:

 ほかにも「これ不具合じゃないの?」と言われているものがあるのも自覚はしているのですが……。


栗山氏:

 それと、ユーザーさん側としては、修正タイミングをできるだけ早く告知してほしいという要望はあると思うのです。例えば、いざ修正プログラムが届いて確認してみたら、その部分に関しては確かに問題なく動いている、と。ただ、そこを修正したことによりほかに何か不具合が出ていないかというのを、かなり広い範囲で確認しなくてはならないんですね。仮にその段階で全然別の部分に大きな仕様変更がかかっていたり、そもそも仕様とは違う挙動で修正をしていたりする場合にどうするのか。そういうことが起こりえるため、安易に修正のタイミングを告知するわけにもいかないというジレンマもあるんです。ギリギリまで検証を行い、イレギュラーも含めて問題はないだろうというところでようやくリリースやご案内をさせていただいているんです。


――なるほど。単純に修正プログラムが来たからそれを適用すれば終わりって問題ではないんですね。


中村氏:

 そこまでやっても問題が出てしまうこともあったりして……申し訳ありません。


――今回の記事でユーザーさんにも運営側の苦労をお伝えできれば少しは……少しだけは溜飲を下げる役目も果たせる……かなと(苦笑)。話題が長くなりましたが、次はINTRさんからのご質問です。


 スーパーノービス(限界突破)はBaseLv上限が160となっていますが、BaseLv制限のせいで入場できないダンジョンについて、「ヴェルナー研究所 中央室」のように、スパノビのみ特別にレベル制限をBaseLv160にして入場を可能にするなどの調整はできないのでしょうか?


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▲メモリアルダンジョン「ヴェルナー研究所 中央室」は、通常はBaseLv170以上というレベル制限がありますが、スーパーノービス(限界突破)に限り、BaseLv160以上(2019年5月現在のスーパーノービス(限界突破)のレベル上限)で挑戦できるようになっています。


栗山氏:

 現在の運営チームの方針として、コンテンツの初回クリアの報酬を比較的高めに設定してあるんですね。今後、キャラクターの育成というのは徐々に早くなっていくと思うのですが、そうなってしまった場合に、どんどんキャラクターを作っては消し、作っては消しして報酬を得るということができるようになる可能性もあります。一部の職業だけレベル制限を低くしてしまうことで、そういったバランス面の問題が出てきてしまいます。


伊藤健氏:

 スーパーノービスに関しては開発元のほうでも新スキルなどを使えるさらなるアップデートが準備されていますので、いましばらくお待ちいただきたく……。


栗山氏:
 少なくともレベル上限だけでも引き上げてもらえればコンテンツの参戦条件は整うことが多いので、定期的に弊社からも開発元に「レベル上限だけ引き上げられないか」という要望も送っているのですが、開発側としても「ユーザーさんにサービスを提供する以上、(単にレベル上限を上げるだけという)妥協はできない。アップデートするからには新しい要素を付けて提供したい」という挟持があるようで。わりと何年もこういったやり取りが続いているんです。そういった要望もあって、さきほど伊藤の言ったようなアップデートが進んできている状況になっているという側面もあります。


 ただ、動き出しているのはいいのですが、韓国側の傾向的に、アップデート直後からユーザーさんの意見や要望を聞いて、それに応じてフレキシブルに仕様を変化させていくという開発形式になっているんですね。そういうやり方で、しばらくは大幅に変更をかけ続けて職業の性能を固めていくんです。そういう状態のものを日本で導入した場合、こちらでも何度も修正を行うことになり、職業の仕様が二転三転するという状態になってしまいます。そういうほうが面白いと思うユーザーさんもいると思うのですが、それ以上に残念に思うユーザーさんもいると考えています。


――そうですね。目標を定めて育成していたのにその土台となるキャラの性能がコロコロ変わってしまうとそれこそストレスになりますよね。


栗山氏:

 ですので、ちょっとじっくりと韓国の様子を見させていただいて、だいたい職業の性能が固まったであろう状態になってから導入するのがいいのかなと。


――これはもう影狼&朧、リベリオン、サモナーと通ってきた道ではありますが、今後の職業に関しても同様、と。このやり方で実装された職業はいずれも日本実装時に好評でしたから、今後のスーパーノービスの上位職や星帝、ソウルリッパーも期待されていると思います。「早く」って声はもちろんあるでしょうけれど(笑)。では次のご質問はとあるスパノビさんからです。


 「ティアマト攻城戦YE」の実装にともない、スーパーノービスで参戦しようと思って「ノービスシールド[1]」を移動させようとしたら移動不可装備でした。そこでお聞きしたいのですが、現在ワールド間移動ができないように設定されている装備に関しても、今後移動できるようになるなどの変更はありえるのでしょうか?


中村氏:

 (栗山氏に向かって)これって、「ノービスシールド[1]」は店売り装備だから移動できない状態なんですよね。


栗山氏:

 ええ、そうですね。ただ、これもご要望としてはいただいていますし、ご質問していただいた方のご心情も理解できます。「ワールド倉庫」の仕様担当ももちろんこういったことは把握しており、どうするかといった検討はしています。ただ、以前も弊社の山本から話があったと思うのですが、ワールド倉庫で流通可能なアイテムというのはそのアイテムが流通できることによる影響というのを慎重に検証する必要があります。先日もNoatunワールドでトラブルがあり、一時的に箱系のアイテムを使える状況になった結果、ワールド倉庫で移動できないアイテムが生成されてしまう結果になりました。そういったように、仕様の違うワールドやコンテンツに思わぬ影響を与えてしまう可能性があるんです。これは職業ごとの差などに関しても考えられると思います。


 単純に、アイテム単品の性能や価値だけを見て移動を許可してしまうと、まったく別のところで問題を引き起こしてしまうことがあります。ですので、すべてのアイテムや職業、コンテンツとの関わりをアイテムひとつひとつでチェックして、問題がないことを確認する必要があります。なので、すぐに「移動可能にできます」とは申し上げられないんです。かといって、絶対に移動できないというわけでもなく、ご要望のあるものに関しては順次検討・検証をさせていただいて、その結果、移動可能にすることもあると思います。


――店売り装備に関してはZenyの移動を抑止するというためもあったと思いますし、「小為替」が実装された今となっては、ほかに影響がなさそうなら移動許可してもよさそうと思いがちですが、そこで安易に判断してはいけないという感じなんですね。ともかく、移動可にして欲しいアイテムがあれば、とりあえずWEBヘルプデスクなどに要望を送るということからですね。最後にお名前なしの方からの質問です。


 なぜニコ生での生放送をやめてしまったのでしょうか? メリットもあると思うのですが。

中村氏:

 これに関しては実は以前回答したことがありまして、そのときの状況と変わっていません。

 『RO』の生放送は、2010年、3次職アップデートに伴う29時間連続メンテナンスの際に、Ustreamで配信した「ラグナロクオンライン29時間TV」が最初になります。その後、ニコニコ生放送(ニコ生)でのイベント生中継やゲーム連動、「生主」をはじめとするゲストを交えたお楽しみ番組など、あらゆる企画を行ってまいりました。その結果、『RO』運営チームでは「生放送でなければ実現できない企画」はほぼやり尽くしたと判断し、いったん区切りをつけた状態となっています。今後、生放送ならではのまったく新しい企画が出れば実施するかもしれませんし、生放送を超えるメディアが登場した際は活用していきたいと考えています。

栗山氏:

 ということで、話が長くなってしまい申し訳ありません。微妙なニュアンスを含む話題も多かったので詳しく説明したほうがいいと思いまして……。


――いえ、他のメディアさんや公式サイトでは取り上げられないような細かい点にも切り込んでいけるブログを目指していますので大丈夫です(笑)。これに懲りずに次回の「運営チームへ突撃Q&A!」もよろしくお願いいたします。



 今回の「運営チームへ突撃Q&A!」はここまでとなります。


 引き続き、『RO』運営チームへ聞いてみたい質問があればコメント欄にご投稿ください。冒頭に【運営チームへの質問】と書いていただければ、コメントを付けるのはどの記事でもかまいません。当ブログのコメント欄は非公開になっていますが、質問者のハンドルネームはご紹介させていただくことがありますのでご了承願います。もちろん、匿名希望ということでもかまいません。


 また、注意事項としては、質問の形式を取った「要望」を送ってこられる方もいらっしゃいます。コメント欄は非公開なため、書き込みを訂正することはできませんので、投稿前にご自身の要望になっていないかという確認をお願いいたします。要望がダメというわけではないのですが、明確な要望であれば公式の「WEBヘルプデスク」に送ったほうが運営チームに直接届くのでオススメです(要望の数が多ければ開発元に働きかけることもやりやすくなるそうですよ!)。


 最後に、投稿していただいた質問は、直接『RO』運営チームにご回答いただく予定ですが、ある程度まとまった段階で記事化させていただく関係上、投稿から回答までに時間がかかることが多いです。申し訳ありませんが、その点はご了承いただければと思います。