毎年恒例となりつつありますが、今年も『ラグナロクオンライン』運営チームの年頭のインタビューをお届けします。運営スタートから18年目を迎えた『RO』ですが、他のオンラインゲームに比べてもイベントやアップデートの頻度は高めです。2020年はどんな施策、どんなアップデートが用意されているのか、たっぷりとお聞きしてきましたので、ぜひご一読いただければと思います。

 ……せっかくのインタビュー、内容を余すところなくお伝えしたいので、相変わらず長文になっていますが、時間のあるときにでも少しずつ読み進めていっていただければと……!

 今回ご対応いただいたのはガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の『RO』運営チームの中村聡伸氏と山本兼寛氏。前半は、お忙しいお仕事の合間を縫って栗山知也氏も同席してくださいました。

 なお、本記事にて公開している内容、画像などはすべて開発中、計画中のものですので、実装時に内容が変更されたり、実装時期が変更になることもあります。その点にご注意ください。

■「3次職マスタープログラム」全職制覇の2019年

――まずは2019年を振り返ってみて、いかがだったでしょうか。

★中村聡伸氏(以下、中村氏):
 昨年は「3次職マスタープログラム」の実装と拡充が大きなポイントでした。もともとは「ドラム育成プログラム」から始まった企画ですが、3次職バージョンもあったほうがいいのではという発想でスタートしました。毎月1職業分を追加するという形で、2019年内に全3次職分を実装、「3次職スターターパック」では、ステータスやスキルのリセットに加え、おまけとして各職業のスキルを強化する装備なども実装し、いろいろな方にお買い上げいただきました。

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▲『RO』運営チーム中村聡伸氏(左)、山本兼寛氏(右)。

――ベテラン勢も装備を目当てにスターターパックを購入したりして、毎月話題となりましたね。

★中村氏:
 スターターパックが出たので新キャラを育成してみようという方もいらっしゃいました。もちろん、2キャラ目用に購入するというのも想定していましたので、ベテラン勢の方にも買っていただけてよかったかなと。

 一方で、システム面では「結婚・養子システム」のアップデートを行い、種族や性別の垣根を越えて結婚できるようになりました。運営チーム的には、なんとかジューンブライドの季節に間に合ってよかったとほっとしていました。

 エピソードアップデートとしては、春には「EPISODE:EDDA生体工学研究所」を実装しました。コンテンツ自体の難度は高めでしたが、Webコミックを掲載したり、「ミミミのミッションマスター」といったイベントも含めて、楽しんでいただけた方が多かったと思います。

 エピソードアップデートなどに合わせ、Twitter連動のキャンペーンなども実施しましたが、昨年はそういったキャンペーンを連続して行ったこともあって、ポ三郎のフォロワーもかなり増えました。

――キャンペーンの参加者もどんどん増えていますね。

★中村氏:
 はい、ありがたいかぎりです。続く「EPISODE:ILUSIÓN」ではいきなりBaseLv175になれるアイテムがついたパッケージや、各種イルシオン装備などを実装し、こちらもかなりご好評をいただきました。

 また、昨年はYggdrasillワールドにも力を入れていくと発表していましたが、みんなで遊べる「ティアマト攻城戦YE」の実装を行い、「攻城戦YE」はテストを兼ねたイベント開催を実施していました。おかげさまで「攻城戦YE」のテストはほぼほぼ終了段階かなという感じになっています。こちらの状況につきましては、あとで山本のほうから詳しくお話しさせていただきますね。

 昨年のインタビューでお話ししていなかったものでは、Urdrワールドの通常ワールド化がありました。通常ワールド化の理由につきましては、PvPワールドのままでは最新のシステムが実装できないという点がもっとも大きかったんですね。通常ワールド化にあたって「Urdrフェスティバル」と題した各種キャンペーンやイベントを行っていますが、ご好評にお応えして延長をしようかなと考えています。

――おお!? かなり太っ腹なキャンペーンですから延長は嬉しいですね。
※編注:2020年1月14日(火)、正式に2020年3月31日(火)までの延長が発表されました。

■気になるレベル上限解放アップデートとスキル調整は……!?

★中村氏:
 2019年内に実装したいと言っていたレベル上限解放「Ragnarok Online extended update Evolution - 進化 -」に関しては、申し訳ありませんが昨年内には間に合わず、2020年1月28日(火)の実装予定となっています。

――わずか1ヶ月ですし、許容範囲内では……(苦笑)。

★中村氏:
 とりあえず、イメージイラストなども完成しているのでご覧いただければと思いますが……。ポイントは……手前にいるキャラはおわかりになりますよね!?

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――おっ。スーパーノービスですね!

★中村氏:
 そうなんです。ついにスーパーノービス(限界突破)も3次職と同じレベルまで上げられるようになります。詳しくご説明しますと、今回のレベル上限解放では、3次職、影狼、朧、リベリオンはBaseLv185、JobLv65まで育成できるようになります。そして、スーパーノービス(限界突破)も同じくBaseLv185、JobLv65まで育成可能になります。

――BaseLvが+10、JobLvが+5になるんですね。さらにスーパーノービス(限界突破)も他の職業と同じところまで引き上げられると。

★中村氏:
 はい。また、スーパーノービス(限界突破)は、これまでステータスの上限が125だったのですが、こちらの制限も撤廃され、3次職などと同様に130まで上げられるようになります。また、HPSP係数も見直しまして、上方修正される予定になっています。

――HPSP係数はアップデート後のレベルで伸びていくという感じですか?

★栗山知也氏(以下、栗山氏):
 いえ、HPSP係数に関しては限界突破以降のものを全体的に見直しています。

――ということは、スーパーノービス(限界突破)のキャラは、アップデートを挟んでログインしてみると、何もしていなくてもHPSPの最大値が増加しているということですか。

★栗山氏:
 はい、そうなる予定です。

――おお、それは嬉しいですね。

★中村氏:
 レベル上限解放にあたって、最大レベルのエフェクト(通称:オーラ)も変化します。こんな感じですね。

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★中村氏:
 これまであったBaseLv175時点でのオーラはなくなり、BaseLv185に到達したときにこちらのオーラが発生するようになります。

――あ、175のオーラはなくなっちゃうんですね。

★中村氏:
 はい。また、すでに公式サイトなどでもお伝えしているように、スキルにもいろいろ修正が入る予定なのですが、最も変化が大きいのはやはりスーパーノービス(限界突破)でして、スキルツリーそのものが大幅に変化します。

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★中村氏:
 一部トラップ系のスキル(フラッシャー、サンドマン、フリージングトラップ)が撤廃され、他職のさまざまなスキルが追加されます。さらに、完全新規のスキルが3つ追加される予定です。また、他の職業がBaseLv175で習得できるクエストスキル「フルスロットル」も同じBaseLvに到達すれば習得可能になります。

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▲スーパーノービス(限界突破)新規スキルの一例。「天使さま助けて」。パーティーメンバーのHPとSPが一定時間ごとに回復するパーティープレイ向けのスキル。

★中村氏:
 これらの変更により、特にスーパーノービス(限界突破)の方はかなり遊びやすくなるのではと思っています。

――スキルが大幅に変更されるということはスキルポイントがどうなるのか気になりますが……。

★中村氏:
 初期状態では、削除されたスキル分のスキルポイントは返還された状態になると思います。ただ、全職業共通で、ジュノーにいるNPC「催眠術師」によるステータス&スキルリセット権が再び1回ぶんだけ付与される予定になっています。なお、今回のアップデートに直接関係のない拳聖とソウルリンカーもリセット権が付与されます。

――おお、それは安心ですね。

★中村氏:
 また、3次職のスキルにもいろいろと変更が加えられます。傾向としては、スキルLv上限が3だったり5だったりした一部のスキルが10まで上げられるようになり、威力や効果が高くなっていく感じですね。

 たとえばウォーロックの「テトラボルテックス」ですが、スキルLv6以上で範囲攻撃に変化します。

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▲スキルLv6以上で範囲攻撃になる、調整後の「テトラボルテックス」。

★中村氏:
 メカニックの「アームズキャノン」は最大スキルLvが3から5に引き上げられ、効果範囲もスキルLvに応じて広がっていく形式になります。スキルLv5で7×7セルの範囲攻撃になります。そして植竹さん注目の「スペルフィスト」も変更されます。

――非常に個人的な話になってきました(笑)。

★中村氏:
 ソーサラーの「スペルフィスト」は、最大スキルLvが10に拡張され、最大チャージ数が30発になります。

――30発!? 殴っているうちに数を忘れそうです!

★中村氏:
 どちらかというと、攻撃時間を体感で掴んでいくという戦い方になるかもしれませんね(笑)。スキルLvによって攻撃力の上昇率などもアップしていきますので、スキルLvを上げたほうがより強くなります。

――上げない手はない感じですね。というか、今回調整されるスキルは全部最大まで上げたほうがいい感じですか。

★中村氏:
 キャラのメインの攻撃手段として使っていたスキルが調整対象になっていたら、間違いなく最大まで上げたほうがいいと思いますね。ただ、JobLv上限もアップするとはいえ、すべてのスキルを最大まで上げることはできません。今まで使っていたスキル分を削らなくてはならないこともあるかもしれませんが、逆にそこがキャラの個性につながると考えています。

――職業によっては育成タイプが偏ってしまっているものもありますからね。それと以前もお聞きしている内容ですが、念のためもう一度確認させてください。今回は、いろいろと噂が先行している2次職のスキルが変更される調整ではないですよね。

★山本兼寛氏(以下、山本氏):
 そうですね。今回は一部を除いて3次職のスキルが中心の調整になります。2次職のスキルリニューアルはまだ韓国でもテスト中で、固まっていない感じなんですね。

――そこで改めてお聞きしますが、影狼や朧では「術式-展開-」など効果が未実装のスキルもありますが、このあたりは調整されないのでしょうか。

★山本氏:
 残念ながらそれは実装されません。とはいえ、韓国ではテストが行われたりしていますので、対応が進んでいないわけではないようです。今回の影狼と朧に関しては手裏剣系スキルで地面指定だったものが対象指定になったりと、使い勝手が変化する調整になっていますね。

 調整が入ることによって利便性が向上するスキルも結構あるんです。たとえばロイヤルガードの「レイオブジェネシス」ですが、最終ダメージは魔法攻撃として判定されていました。ですが、今まではダメージの計算式に物理攻撃力と魔法攻撃力が影響していたんですね。これが今回の調整では魔法攻撃力単一になるんです。必然的に威力自体はちょっと下がってしまうかもしれません。しかし、より大きな変更点として、インスピレーション状態ではなくても使用可能になります。これはかなり利便性がアップしていると思いますよ。

――魔法ダメージということは2019年のアニバーサリーイベントで実装された「竜殺しの長剣[1]」がピッタリ……?

★山本氏:
 おっと、そこにお気づきですか。

――実装時に、「これはどの場面で使えるのかな」と考えていたんですが、今の調整内容を聞いたらちょうど使えそうだなと(笑)。

★山本氏:
 また、ミンストレルとワンダラーは楽器や鞭で「シビアレインストーム」が使えるようになり、演奏が途切れたり、盾を持ち替えたりする必要がなくなりました。これもかなり利便性の向上につながると考えています。

★中村氏:
 そして、3次職のスキルはBaseLvによって威力が上がる計算式になっているものが多いので、上限解放によってBaseLvが上がればそれだけ強力な攻撃が出せるようにもなります。また、今回のスキル調整によって、特にリベリオンなどではスキルの威力の計算式にBaseLvを参照するものが増加するようになっています。そのあたりにも注目して遊んでいただければと思います。

 リベリオンでは、そのほかにも「ハンマーオブゴッド」や「ドラゴンテイル」など、烙印状態でないとダメージや効果が完全に発生しなかったスキルがありましたが、今回の調整によって、烙印状態でなくても効果が発揮されるようになります。烙印に関しては、相手を烙印状態にしておくことで、より大きなダメージが期待できるなどのボーナスが加わるようになったので、気軽に使用しつつも、これまでのようにテクニックを駆使した戦い方も楽しめると思います。

――そういった細かい調整内容に関して、アップデート時の特設サイトには記載される感じでしょうか。

★中村氏:
 はい。全部掲載する予定です。12月に概要だけ簡単に発表しているのですが、ざっくり書いただけでもあの分量になってしまったので、かなりの文章量になってしまうとは思いますが……。それと、追加されるJob加重値なども全職業分掲載されますので、特設サイトはぜひチェックしていただければと思います。

■レベル上限解放後には「深淵の回廊」にも完全新規のコンテンツが……!

★中村氏:
 これまで以上のレベル上げや、強くなったキャラの稼ぎ場所として、レベル上限解放に合わせ、BaseLv175以上で遊べるマップというのも追加予定になっています。今回は2種類のマップをご紹介します。

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▲新マップ「グラストヘイムアビス」。画像からは遠距離攻撃と入り組んだマップが予想できる。

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▲新マップ「ノーグロード 3層」。通常のノーグロードに比べてかなり暗い印象。果たして敵の強さは……?

★中村氏:
 イメージ的にはそれぞれのダンジョンのアナザーマップという感じですね。ここは入場がBaseLv175以上のキャラクターに限られてはいるものの、通常のダンジョンになります。敵もかなり強いのですが、その代わり相応の経験値も稼げるマップになっています。

――「EPISODE:ILUSIÓN」でもBaseLv175制限のマップ(「廃棄場ルドゥス」の2階および3階)が実装されていますよね。

★中村氏:
 現在は経験値がカンストしてからでないと入れませんのでよくわからないと思いますが、実はあそこもかなり経験値が稼げるマップになっています。今のうちに戦い方に慣れておくといいかもしれません。

――実質デスペナルティがないうちに(笑)。

★中村氏:
 いえ、実は「廃棄場ルドゥス」の2階と3階はデスペナルティのないマップになるんですよ!

――なんですと(笑)! それは安心ですね。

★中村氏:
 また、メモリアルダンジョンの経験値なども一部見直される予定になっています。たとえば「ハートハンター軍事基地」。こちらは現状は最大3億のBase経験値が獲得できるようになっていますが、アップデート後からはBaseLv170以上で挑んだ場合と、BaseLv175以上で挑んだ場合のふたつの段階が追加されます。報酬はBaseLv170以上で5億、BaseLv175以上で10億に引き上げられる予定です。そんな感じで、高レベルキャラが稼ぎやすくなるような報酬追加などが実装されます。

――日課として遊んできた方でも、これまで通りメモリアルダンジョンに通うことで、これまで以上に経験値も稼げるようになると。

★中村氏:
 そんな感じで、より高レベルを目指していただければと思います。また、今後もBaseLv185への育成に適したマップやコンテンツが順次追加予定になっています。一方で、キャラが強くなればより上位のコンテンツを目指したいと思いますよね。目指したくなるものってなんなんだろうと考えたときに、やはりそのひとつは「深淵の回廊」ではないかなと。

――おお。1月に実施されるとはいえ、“「深淵の回廊」ロス”の人が増えていましたからね。
※編注:このインタビュー公開とほぼ同タイミングで「深淵の回廊」が開催。

★中村氏:
 「深淵の回廊」に関しては、韓国のGravity社さんにも日本で人気のイベントだとご理解いただいていまして、新マップや新モンスターが欲しいなぁ~とお願いして制作してもらっているんです。

――なんと!

★中村氏:
 まだ制作途中の段階なので仮のものですが、闘技場風な新マップとなっています。イメージアートから描き起こして完全新規のマップを作ってもらっています。当然新モンスターも作ってもらっていますし、コンテンツ内容に関しても新しいものをお届けする予定です。

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▲「深淵の回廊」新マップ、イメージアート。

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▲現在制作中の「深淵の回廊」新マップ。未完成バージョンのマップがチラ見せされるのはなかなか珍しいとのこと。

★栗山氏:
 「深淵の回廊」はだいたい1年に1回くらいは大規模な追加を行ってきたのですが、2019年に関してはあまり大きな追加はしていませんでした。そのぶん、2020年に大規模な追加を予定しています。コンセプトとして、熱心にプレイしてくださっている方が力試しのできるコンテンツを用意している感じなんですが、2015年のアニバーサリーイベントで実装された「古王グローザ」から始まって、「深層の古王グローザ」、そして「深淵の古城」へと続いてきました。

 最近は大規模な追加を行っていなかったので、「古龍ジラント」まで倒せる方がだいぶ増えてきています。そろそろ新しい力試しコンテンツが欲しいかな~ということで、さきほど紹介した新マップを使った追加を行っていこうかなと。

 「古王グローザ」など、まだ既存のコンテンツをクリアしていない方は引き続き段階的に挑戦をしていってほしいと思いますし、「古龍ジラント」を倒して、力が有り余っているぜという方は新規コンテンツに挑戦していただければと思います。

――想定レベルというのはどのくらいで考えていますか?

★栗山氏:
 いやー、正直、「古龍ジラント」を倒した方が行く場所なので、当然、「古龍ジラント」を倒せる強さの方を想定しています。

――ここまでくると、BaseLvや装備云々というよりも、パーティー全体、仲間との連携や、各個人のテクニック、『RO』に関する知識といったものが極まっていないとクリアできないという感じでしょうか?

★栗山氏:
 そうですね。もちろん、BaseLv175でクリアできないわけではありませんが、上限解放されたならやはり上限値の185により近いほうが理想的ですし、おっしゃったようにパーティーの連携など、かなり総合力が試されるコンテンツになっています。

――ちなみにストーリー的にはつながっているのでしょうか。

★栗山氏:
 つながっています。さわりだけお話ししますと、前回、ジラントを倒したことで解放されたという人物が、お礼としてとある場所に連れていってくれるという感じです。

――なるほど。前回は「深淵の古城」という広大な探索系マップがあって、最後に待ち受けるジラントと戦うという流れでしたが、今回の新マップというのは探索がメインになるのでしょうか。それとも強敵と戦う系でしょうか。

★栗山氏:
 うーん、鋭い質問ですね。ではもうちょっとだけお話ししちゃいましょうか。今回は2本立てという感じになっています。前回の「深淵の古城」というのは探索部分とボスを合わせてひとつのメモリアルダンジョンになっていました。次のコンテンツは探索目的のマップというものもありつつ、お見せした闘技場風マップはボスとの戦闘時に使われるマップになる予定なんです。ですので、さまざまなニーズに応えられるコンテンツになるのではないかと考えています。まだ制作中なのであくまで予定という感じですが。

★中村氏:
 そこまで話すとは思ってなかった(笑)。

――ちなみにその新コンテンツ、実装予定時期などは……?

★栗山氏:
 うーん、次回の「深淵の回廊」……春までには……!

――なるほど、楽しみにしています。

■「攻城戦YE」正式実装に向けた取り組みについて

★中村氏:
 というところで栗山は退席させていただいて……。

――あっ、そうなんですね。お忙しいところありがとうございました。

★中村氏:
 その他にも高レベル向けコンテンツというのをいろいろ実装していきたいなということで、今度はYggdrasillワールド関連のコンテンツの紹介を山本のほうから行わせていただければと思います。

★山本氏:
 Yggdrasillワールド関連ではやはり「攻城戦YE」、特にマッチング戦が気になるという方が多いと思います。まずはそちらからお話しさせていただきますね。「攻城戦YE」に関しては、1年かけていろいろテストを行ってきました。後半は主にマッチング関連のテストという感じでしたが……。本当のところは2019年内に正式実装までたどり着きたかったのですが、改良する部分なども出てきた結果、2020年まで引っ張ってしまっています。

 とはいえ、ほぼ見通しが立った状態ですので、正式実装を4月か5月くらいに予定しているところです。ユーザーさんが気になるポイントというのがいくつかあると思うのですが、まず、防衛スタートという仕組みを正式採用するのかどうかといった点があります。運営側としては、基本的には防衛スタートという仕様はあっていいのではないかと考えています。

 現在、マッチング戦ではランキングを行っていますが、ランクをつけるということは毎回最下位のギルドというのが出てくるわけです。極端な話、最下位のギルドというのはどこのギルドにも勝てないから最下位にいるわけじゃないですか。

――そうですね。

★山本氏:
 防衛スタートがない仕様では、スタートラインに並んでよーいどんで戦いを始めるわけで、基本的には強いほうが勝つわけです。当たり前ですが。これだと、下位のギルドが勝利するということがほぼないということになります。

 当然と言えば当然の結果かもしれませんが、その状態が続いていくと、下位のギルドの人たちのモチベーションが低下して、抜け落ちていく事態が発生するかもしれません。最下位が抜ければ次の最下位ギルドが出てくるわけで、最悪、どんどん人が抜けていって攻城戦人口が減少してしまうという事態が起きかねません。

――なるほど、たしかにそうですね。

★山本氏:
 ある程度下位から勝っていける要素がないと、コンテンツ人口の確保というのが難しくなってくるわけです。そういった理由もあって、防衛スタートという仕様はあってもいいのではないかと考えているんです。

 砦によっては堅い(防衛しやすい)マップもあると賛否両論なのですが、そういった堅い砦で防衛スタートという“運要素”もあっていいのではないかと。逆に防衛が難しい砦もありますからね。そんなわけで、防衛スタートに関しては、このまま正式に実装していこうかなと思っているところです。

 また、現在はテスト状態ということもあって、消耗品は使い放題ですが、マッチング戦においては、正式実装時には使い放題ではなくなります。

 戦いのために消耗品を集めるのが大変ですし、実入りというか、報酬から消耗品代を差し引くことで報酬が減少し、戦線が維持できなくなるのではという懸念もあると思います。ですので、マッチング戦に関しては、報酬は多少引き上げていく予定です。また、ランキング上位になればなるほどさらに報酬が高くなるように調整されます。ランキング上位にいるほど、勝ったときの実入りが大きいという感じですね。

 逆に、ランキング下位のギルドは、なかなか勝てない状態では消耗品代もバカにならないじゃないですか。ですので、ある程度の消耗品は全体的に提供されます。それ以上使いたい場合は自分たちで用意した分を使ってねという感じですね。

 また、さきほどの防衛スタートの話にも絡むのですが、攻め側ってメリットが薄いと思うんです。自分たちが強いから攻めに回っているのですが、攻め側のほうが消耗も多いですし、難しいですよね。ですので、こちらでも攻め側で勝利した場合の報酬ボーナスというのを追加しようと思っています。

 攻め側は難しいですが勝ったときのメリットが大きいです。逆に防衛側は勝った際の報酬は攻め側よりも少なめになりますが、上位ランクのギルドに勝つというチャンスが生まれます。そういったところを楽しんでもらえればと考えています。

――なるほど。双方に違ったメリットがあるという感じなんですね。

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★山本氏:
 4~5月の正式実装時にはそういったマッチングによるランキング戦を実施していく予定です。

 また、もうひとつ気にされているのは、これまでの通常ワールドにおける「攻城戦」だと思います。結論から言うと、「攻城戦」はこれまで同様に開催されます。ただし、開催時間は「攻城戦YE」と同時です。

 とはいえ、基本的には「攻城戦YE」で遊んでほしいというところもありますので、通常の「攻城戦」に関しては、報酬などを調整して、やらなくても差はないというくらいの感じにしようかなと。

 神器材料などは「攻城戦」のほうでしか手に入らないのはこれまで通りですので、「攻城戦YE」を遊んでいる方が神器を作りたい場合には、「攻城戦YE」で稼いだ報酬を使って「攻城戦」を遊んでいる方から買い取るなどしていただければと。

 神器作成に関しては「攻城戦」で勝利して砦を確保しないと作れないという面がありますが、そのあたりは緩和予定で、材料さえあれば砦を取得しなくても作れるようにしようかなと思っています。

 ですので、基本的にはYggdrasillワールドで行っている「攻城戦YE」に移行してもらうという流れを作れればいいかなと。通常の「攻城戦」は、一応開催はしていますので、どうしてもやりたかったら遊んでくださいというスタンスですね。

――現状ですと、砦を確保して商業値を上げていってどんどん実入りを増やしていくというワールドもありますが、そういった部分も旨味は減ると。

★山本氏:
 ほとんど収入がなくなる感じだと思っていただいていいかと思います。もちろん、商業値を上げていただいてもいいですが、実入りはないのでほぼ趣味の世界になるかと……。

――なるほど(笑)。ということはこれまでの「攻城戦」は今でいうPvPみたいな感じで趣味的コンテンツに移行していくというイメージでしょうか。

★山本氏:
 そうですね。あとは、「攻城戦YE」のマッチング戦で消耗品を使いすぎてしまってどうにもならなくなったときに遊ぶコンテンツというか……。とはいえ、「攻城戦YE」のほうにもマッチング戦ではない「攻城戦」があります。こちらは消耗品は自由に使える状態で戦えるようにしようと思っていますので、そちらで遊んでいただいたほうがいいかもしれません。ただし、消耗品が自由につかえるぶん、こちらの報酬に関しても、低い状態を維持する予定です。

――平日に有志が集まって“平日Gv”といったユーザーイベントを楽しんでいる方もいらっしゃいますよね。

★山本氏:
 そうですね。消耗品に関してはマッチング戦でのみ有料になるという形式にする予定ですので、「ティアマト攻城戦YE」など、マッチング戦以外のコンテンツを遊ぶぶんには、制限なしで使えます。ですので、ユーザーさん主体のイベントなどに関しても、これまでどおり楽しんでいただければと思います。

 また、「攻城戦TE」に関しても、マッチング戦が正式実装されて落ち着き次第、Yggdrasillワールドに移行したいと思っています。こちらはマッチングの仕組みなどは導入しません。少しカスタマイズし、Yggdrasillワールド用に自動補給の仕組みなどを導入して実装していく予定です。

――時期としてはいつくらいの予定ですか。

★山本氏:
 現時点では年内には……という感じでしょうか。とはいえ、できるだけ早く進めるつもりではいます。

■ギルド対戦の新たな大会「RJS」が開催決定!

★山本氏:
 「攻城戦YE」のマッチング戦の正式実装が4月~5月と少し遠いのですが、それにはちょっと理由があります。正式実装までの間にオンライン大会を開催しようと思っているんです。これまでもRJC(RagnarokOnline Japan Championship)などの大会を開いていましたが、今回はRJSという大会を開催したいと思います。

――RJS!?

★山本氏:
 「RagnarokOnline Japan Siege wars」(ラグナロクオンライン・ジャパン・シーズウォーズ)の略です。WebMoneyさんが協賛してくれまして、賞金の出る大会を開催しようかと考えています。

★中村氏:
 今回はすべてオンラインで解決するのでオフライン大会は行わない予定なのですが、RJCを2015年に行ってからしばらく大会的なイベントができていなかったので……。また、今回は、事前エントリーといった手続きをせずに、すぐにエントリーができる仕組みになります。通常の「マッチング戦」と同じやり方で自動的にエントリーが可能ですので、かなり参加しやすくなっているんじゃないかと思います。

★山本氏:
 今、普通に行われているマッチング戦の結果が、そのままRJSの結果になる感じですね。大会期間内の結果が順位として記録されます。ランキングの上位から賞金やゲーム内アイテムなどが贈られるようになっています。ふだんマッチング戦に参加していない方でももちろん参加できます。参加可能ギルド数は最大40ギルドなのですが、参加人数的にはだいたい収まると考えています。

 下位のギルドのユーザーさんでも、順位が上がれば上がるだけ賞品がもらえたりしますので、ぜひ参加していただければと思います。

 こういった大会はある程度定期的に、シーズン制で開催していきたいと思っています。今回は10週くらいかけて実施する予定なのですが、どこかの区切りで次のシーズンを開催していけたらなと。ただ、毎回協賛がつくとは限らないので、賞金が出るかどうかはそのとき次第という感じなんですが、ゲーム内アイテムの賞品は出ますので、ぜひ上位を目指してもらえたらと思います。

――その第1回の大会の開催はいつくらいになるのでしょう。

★山本氏:
 スタートは2月を予定しています。ルールなどの詳細に関しては1月下旬くらいに特設ページを公開するつもりですので、詳しくはそちらを確認していただければと思います。

――もうすぐなんですね!

★山本氏:
 開催を2月にした理由は、大会期間中にレベル上限解放アップデートを挟まないほうがいいだろうという点からなんです。一方で、大会が開催されるということもあって、早い段階でレベリングを行っていきたいという方もいるでしょうし、スキルも変更されたばかりでまだ考察も進んでいない状況かもしれません。そういう意味では誰にでもチャンスが与えられている状況での戦いになるのではないかと。参加することにデメリットは何もありませんので、ぜひ参加していただければと思います。

■「ティアマト攻城戦YE」Infernoモードと新PvEコンテンツについて

★山本氏:
 Yggdrasillワールドの対人戦に関してはそんなところで、次はPvEコンテンツ、「ティアマト攻城戦YE」に関してお話ししたいと思います。まず、いきなりですが、Inferno(インフェルノ)モードを実装しようと思っています。

――4Gamerさんの記事でさりげなーく公開されていて「おおっ!?」と思いました(笑)。

★山本氏:
 はい(笑)。InfernoはHardの上、BaseLv175以上のキャラクターが参加可能なモードです。こちら難度をかなり高く設定していまして、一応理論的にはクリアできるはずという感じの設定で……。

――理論的にはって(苦笑)。一番最初の「ティアマト攻城戦」の絶望が思い出されますけど……!? といっても、今のHardも、構成自体はかなり難しいと思うんですよ。

★山本氏:
 いやー、Infernoに関して言えば、今のHardの感覚で、さらにちょっと難しい的な考えだと門前払いされると思いますよ?

――マジですか……!?

★中村氏:
 スクリーンショットがあるんですよ。コレです。

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――あー、これ東ルート序盤の塔ですね。って、いきなり敵が“森林系”"洞窟系”ですか。生き残れそうにないんですけど(苦笑)。
※敵の通称を間違えていましたので修正しました。(2020年1月21日)

★山本氏:
 これはまだ簡単なほうですね。たとえばこの敵をまとめてマップ端に捨ててくるとか、すぐに思いつく攻略法はありますので。また、Infernoは戦闘不能になったら即セーブポイント送りになります。

――あ、1回で戻されちゃうんですね。そこも厳しくなっていると。

★山本氏:
 はい。ですので、「リザレクション」はできません。

 その代わり、Infernoで参加BaseLvの制限が上がりますので、経験値報酬などもアップします。一応、BaseLv170以上の獲得経験値を増やそうと思っていますので、現状Hardに参加している方も経験値報酬が増加すると思っていただいてOKです。とはいえ、BaseLv175になったらHardではなくInfernoに参加したほうがいいですね。Hardの完全クリアよりもInfernoの途中終了のほうが経験値の報酬は上になる予定です。仮に、Infernoが現在のHardのようにコンスタントに完全クリアできるようになると、最大300億のBase経験値が獲得できる設定になっています。300億だと……ええと30Gですね。

――またとんでもない数値に(苦笑)。

★山本氏:
 また、Inferno実装により、その他の難易度に関しては少し緩和を考えているんです。今はHard一極集中で、EasyとNormalはほとんど稼働していない状況ですし、それはそれでどうなのかなと。この緩和によって、人数が集まらないからクリアできないといったことは少なくなるのではと思っています。それこそEasyはソロでもクリアできちゃうかもしれません。比較的少人数で挑戦するチャレンジコンテンツ的な遊び方でも楽しんでいただけるものになるのではないかと。

 ……という内容が2月に実装予定になっています。

――おお、こちらももうすぐですね!

★山本氏:
 「ティアマト攻城戦YE」に関してはこのInfernoモードの実装でいったん落ち着く感じになっていまして、次なる新しいPvEコンテンツの実装も予定しています。こちらの実装は5月から6月……春が終わって夏前くらいでしょうか。

 「ティアマト攻城戦YE」は多人数が参加してみんなで進んでいくというコンテンツですが、新PvEコンテンツは、1パーティーくらいの人数で参加し、複数の入り口からそれぞれ少人数が入っていき、内部で他のプレイヤーと合流して最終地点に進んでいくという形を予定しています。終盤に行けばいくほどパーティーメンバーが増えていくんですね。とはいえ、途中で戦闘不能になったら即脱落という形式ですので……ちょっと「蜃気楼の塔」に似ているかもしれませんね。

 少人数で攻略する難しさもあるのですが、一方でタイムアタック要素なども入れていきますので、慎重に進めればクリアできるというものでもありません。各エリアの進行度によって難易度が変化したりといった仕掛けも用意する予定です。

 「ティアマト攻城戦YE」のように、大人数の物量で圧倒するというコンテンツではありません。

――となると、参加する各個人がしっかりとしたプレイを心がけないとクリアは難しそうですね。

★山本氏:
 そうですね。まぁ「ティアマト攻城戦YE」では、極端な話、2PCで後ろを追尾させて適度に支援をかけるといったやり方でも報酬はもらえますよね。新PvEでもそれができないわけじゃないのですが、参加プレイヤーひとりひとりの役割が多くなるので、クリアするのは厳しくなるかもしれませんね。

 今までの『RO』にはない感じのコンテンツなのですが、このコンテンツのテストも兼ねて導入したのが、前回行った「蜃気楼の塔」におけるタイムアタック要素だったんですよ。結果、一部の熱心なユーザーさんが気づいて攻略をしてくれて、それを楽しまれていた方も増えていきました。

――ああ、なるほど。そういうことだったんですか。

★山本氏:
 単にクリア時間ということだけでも、「ティアマト攻城戦YE」においても、残り時間が○○分だから一気に畳み掛けようといった選択など、いろいろと楽しんでいただけていると感じています。ということで、新コンテンツにもタイムアタック的要素を入れようと。

 Yggdrasillワールドに関してはそんなところでしょうか。「ティアマト攻城戦YE」と同様に、新コンテンツも実装後に拡張していって都度盛り上げていければと考えています。だいたい年内はそんな流れでしょうかね。

★中村氏:
 そんな感じで、BaseLv175を越えても楽しんでいけるコンテンツをいろいろと実装していく予定ですので、ご期待いただければと思います。

■新エピソードの舞台は賢者バルムントの大邸宅!?

★中村氏:
 ここからは追加コンテンツ以外のお話をさせていただければと思います。まずは新エピソードアップデートですね。こちらは「EPISODE:ILUSIÓN」の直接の続編になります。現在は「賢者の遺産(仮)」と呼んでいますが、実装時には変更されるかもしれません。

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★中村氏:
 こちらがエピソードアップデートのイメージイラストになります。大きな邸宅の画像もありますが、これはバルムントの邸宅と言われています。

――おお、賢者バルムントの邸宅だったんですね!?

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★中村氏:
28 前回の「EPISODE:ILUSIÓN」をご体験いただいた方はおわかりになると思うんですが、秘密の入り口を見つけたぞというところで終わりになっていましたよね。あの下水道の入り口はこの邸宅につながっていたんです。

 邸宅の内部では、バルムントが作った……かもしれないアンドロイドたちが屋敷の管理をしているようです。そんなアンドロイドたちの頼みを聞いて害虫駆除を行ったりするクエストも用意されていたり……。

――デイリークエスト的な(笑)。

★中村氏:
 また、これらのアンドロイドがモンスターとして登場することもあるようです。この邸宅で何が起きるのか……ということで、こちらのエピソードアップデートの準備も進行中になっています。

31――しかし、ここにきてこんなにがっつりとバルムントが絡んでくることになるんですね。

★中村氏:
 そうなんです。バルムントがいろいろ噛んでいるんですよね。彼自身は時空を越えてグラストヘイムなどでも目撃されていますが、そんなグラストヘイムのアップデートも予定されているんですよ。

――おお、そう来ますか。

★中村氏:
 EDDAのシリーズで、グラストヘイムがフィーチャリングされたものが実装される予定になっています。もともとグラストヘイムの主というのはロイヤルガードでおなじみのシュミッツ王という方なんですが、彼がまだ生きていた頃のお話になります。

 また、EDDAとは別に、グラストヘイムに関する高難度マップも追加される予定です。

――それは最初に紹介していただいた「グラストヘイムアビス」とは別ですか?

★中村氏:
 あれとはまた別です。「グラストヘイムアビス」は通常ダンジョンですが、こちらはメモリアルダンジョンになる予定です。チャレンジ系のコンテンツですね。

 ストーリー系のアップデートはそんな感じになっていまして、もちろん、実装に合わせて関連するマップやメモリアルダンジョン、新アイテムなどもいろいろ予定されています。

 2020年は口火を切るのはレベル上限解放アップデートなのですが、そこを基準にして、育てたキャラクターでどんな風に遊ぶのか、どんな新しいことにチャレンジできるのか……そんなコンテンツの実装を行っていく流れになります。

■拳聖&ソウルリンカーの上位職は夏ごろに2職同時実装!?

★中村氏:
 レベル上限解放アップデートではスキルの調整も入るということで、不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にはより強いスキルLvが追加されるという認識でいてもらえば大丈夫だと思います。今まで手に入れてきたアイテムや装備を使って戦う場合でも、より楽しめる調整になっていると思いますので。スキル調整後はいろいろとお試しになりつつ遊んでみてもらえればなと思います。

 ……と、ひとしきりご説明したところで気になる点はありますか?

――いやまぁ、やっぱり気になるのは上限解放後の経験値テーブルですよね(笑)。今のBaseLv175が9並びで終わった感あるじゃないですか。増加曲線もすごいことになっていますし、全体的に調整されるのか、そのまま上がっていくのかが気になるのですが……。

★山本氏:
 それでいうと、BaseLv185の時点でも9が並びます。増加曲線も同じ感じで維持される予定です。

★中村氏:
 確実にかなり桁が上がってるよねそれ……。まぁでもいろいろお話ししてきたように、報酬経験値はグッと増えていますし、そのレベルに到達したときに稼げる経験値というのは爆発的に増えていきます。ですので、経験値テーブル自体はいじらずに、上に積み上げていく感じでも大丈夫かなと考えています。

★山本氏:
 調整してみた感想としては、今回も180くらいまではそれなりに上がっていく感覚だと思います。そこから先はだんだん厳しくなるかなと。

――前回のレベル上限解放のときもそうでしたが、順次経験値が稼げるコンテンツやイベントが実施されていく感じかなとも思いますが。

★山本氏:
 それはもちろんそうなっていく予定ですのでご安心ください。

★中村氏:
 レベル上限解放のアップデート後でも「175種類モンスター大討伐」イベントは継続していますので、「レベル上限解放で久々にログインしてみた」という方もいきなりBaseLv175から始めることができるようになっています。ぜひ有効活用していただければと思います。

 また、それとは別に、現状、ゲーム内でのレベルもだいぶ上がりやすくなっています。特にBaseLv130を越えたあたりからは一気に進むようになっていますし、装備が不足気味ならばエクセリオンシリーズやイルシオンシリーズなどを入手していただければと思いますし。

――新規で始めたり、久々に復帰するなら、もう使用キャラの職のスターターパックを買っちゃったほうがいいよねって感じではあるのですが、やはりリアルマネーが絡むとハードルが高いという人もいますから、そういう場合はゲーム内で手に入るエクセリオンシリーズやイルシオンシリーズを集めていけば……というところですね。

★中村氏:
 ええ。そのあたりもご検討いただければという感じです。まぁRAGホーダイなども継続してやっていきますので、まずはそういう時間帯にゲーム内を覗きに来ていただければと思います。2020年になってRAGホーダイの回数を急に減らすなんてことはありませんので(笑)。

――今回具体的なお話が聞けたコンテンツに関しては結構早い段階で実装されそうなものも多かったですし、2020年後半にはまたいろいろな驚きを見せてくれるのではという予感もあります。

★中村氏:
 ……と締めに向かっているところ大変申し訳ないんですが、ひとつ重大なアップデートを忘れるところでした。夏くらいに「星帝(仮称)」と「ソウルリーパー(仮称)」を実装予定です。

――わああ、最後にでっかい新情報が(笑)。

★中村氏:
 まだいくつかサーバープログラムを追加しなければならないのですが、それが完了すればという感じですね。

――でも2職業の追加ですし、同時というわけにも……。

★中村氏:
 いや、同時に実装を予定しています。

――えっ、本当ですかっ!?

★山本氏:
 今回のアップデートによって、その2系統以外の職業は全部BaseLv185まで育成できるようになりますので、さすがに早く追いつかないと……。

★中村氏:
 いろいろ問題を抱えている職業でもありますし、そのあたりをどう落とし込んでいくかを考えつつではありますが、今のところ、夏くらいの目標設定で実装を進めていく予定です。

 これで全職業系統で最大BaseLv185と横並びになりますが、もちろんさらなる成長要素として韓国ではその先のアップデートのテストも開始されています。まだまだ積極的にアップデートを行っていきますので、日本でも順次それらを追加していければと考えています。常に、停滞してはいけないな、と。

 『RO』を17年続けられたという要因は、常に新しいものを実装し、新しい遊び、楽しんでいただけるものを提供できてきたという点にあると思います。18年目となる2020年もこの路線を崩さず、こまめなアップデートを実施し、イベントを開催するなどして、常に新しい遊びが提供できる形で運営していければと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。

★山本氏:
 私からはYggdrasill関連ですかね。2019年はテストなどが多くて、なかなか正式実装まで行けなかったという点がありました。2020年は昨年開催したテストの結果を活かして、2019年よりもスピーディーに、さまざまなコンテンツを実装していければと考えています。ぜひ楽しみにしていただければと思います。

――大会もありますしね。

★山本氏:
 そうですね。今からドキドキですが(笑)。きっと楽しいものになると思います。実はマッチング戦に参戦していない大規模ギルドさんなどもまだまだいるんですよ。そういうギルドさんが参戦するきっかけってなかなかないんじゃないかなと思うですね。そこで、こういう大会があれば……。

――ぜひ賞品に釣られて参加してくださいと(笑)。

★山本氏:
 ええ(笑)。いままでのテストと異なり、豪華な賞品も出ることですし、このタイミングでマッチング戦を体験していただき、「ああ、こういうものなんだ」と理解していただければと考えています。

――なるほど。本日はいろいろとお話をありがとうございました。

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 ということで今回のインタビューはいかがだったでしょうか。まもなく実施されるレベル上限解放アップデートを起点にして、さまざまなコンテンツが計画されており、2020年は2019年以上に『RO』を楽しめそうですね。そして夏ごろにはいよいよ星帝とソウルリーパーという上位職の予定も見えてきました。2020年は、だれもがBaseLv185を目指せるようになるという、大きな節目になるのかもしれません。