お待たせいたしました。毎年恒例になりつつありますが、今年も取材をさせていただけましたので、『ラグナロクオンライン』運営チームの年頭インタビューをお届けいたします。ご対応いただいたのはガンホー・オンライン・エンターテイメント『RO』運営チームの中村聡伸氏と山本兼寛氏のおふたり。
2023年のアップデートや実装コンテンツに関して、おおまかな内容をお聞きしてきましたが、当然のことながらすべて予定ですので、実装時には変更される部分も出てくるかもしれません。現時点では確定情報ではないことを踏まえてお読みいただければと思います。
また、これもいつものご注意なのですが、細かい部分のニュアンスまで伝わるように書き起こしているため、全体的にかなり長めの記事になっています。お時間のあるときにゆっくり読み進めていただければと思います。……という前置きでさらに長くするわけにもいきませんので、さっそく本文をどうぞ(笑)!
■20周年を迎えた2022年を振り返って
――毎年の流れではありますが、まずは2022年を振り返ってみていかがでしたか。
★中村聡伸氏(以下、中村氏)
結構ギリギリになってしまいましたが、予告どおり4次職の実装まで漕ぎつけられました。当初の予定からは、まず最初のシステムアップデートが1ヶ月程度ずれ込みまして、その後、超越アップデート(「Ragnarok Online extended update Transcendence -超越-」)も8月に予定していたものがずれ込みまして……。プレイに影響が出ないように修正するのに時間を要し、アップデート延期の告知を出させていただくことに……。結果的に4次職実装までの期間も短くなってしまいました。
――かなり詰め詰めな感じになっていましたね。
★中村氏
いっぽう、昨年の実装コンテンツのひとつとして「INFERNO UPDATE:タナトスの記憶」があります。こちらはBaseLv200のキャラでチャレンジしていただくのが目的の、かなり高難度のコンテンツとなっています。一昨年「INFERNO UPDATE:並行世界のヒメルメズ」を実装しましたが、あれよりもさらに難しいものになっています。ギミックあり、スコアアタック要素ありで、BaseLv200におけるエンドコンテンツとして遊んでいただければと思います。
BaseLv200のエンドコンテンツとした理由としては、4次職が実装されたとはいえ、まだBaseLv200で止まっている職業もあります。そういうキャラで遊べる場所というのが欲しかったわけです。ですので、今回、「タナトスの記憶」についてはBaseLv200キャラ限定で、4次職は入場できないという制限をつけさせていただいています。拡張職の上限解放というか、上位職に関しては年内予定になっていますので、それまでは(BaseLv200までのキャラは)「タナトスの記憶」などで遊んでいただければと考えています。
――ちなみに、拡張職などの上限解放、上位職が出揃ったあと、「呪われた次元」や「タナトスの記憶」などは4次職や拡張職の上位職にも解放されるのでしょうか。
★中村氏
いえ、解放されません。「呪われた次元」「タナトスの記憶」などに関してはBaseLv200までのキャラの専用コンテンツとなります。3次職までのキャラと4次職ではかなり異なる性能になっています。3次職以前のキャラでも4次職のキャラでも共通で入れるダンジョンというのももちろん多いのですが、今後、4次職向けのダンジョンについては4次職専用に作っていくことになります。「夢幻の迷宮」についても「幻影の迷宮」という4次職専用のものを実装しましたし、「深淵の回廊」につきましても、今年早々に実施する回から4次職専用コンテンツが追加される予定になっています。「深淵の回廊」は、実は昨年のうちにやりたいと考えていたのですが、最初にお話ししたようにスケジュールが詰め詰めになり、入れる隙間がなくなってしまいまして……。予定しているのは新規のコンテンツですが、イメージビジュアルはすでにアニバーサリーイベント会場で見ることができたんですよ。
――ああ、ありましたね。あれが4次職向けの新コンテンツだったんですね。
★中村氏
いろいろと想像しながらお待ちいただければと思います。ええと、話がそれましたが、昨年の振り返りでしたね。昨年はサービス開始から20周年ということで、いろいろと施策を行わせていただきました。年が明けてからも、20周年施策の一環としてホビージャパンさんから「ラグナロクオンライン 20thアニバーサリーブック」が発売される予定になっています。掲載用にアンケートを取らせていただいたりしたのですが、けっこう項目数が多くて時間がかかるわりには初日で800通以上のご回答をいただけまして、盛り上がりそうだなという実感がありました。その他、Twitterを使ったキャンペーンも多数行わせていただきました。
それと、20周年といえば、やはりコラボですね。20周年でないとできないコラボというのはなんだろうと考えた結果、ちょうど「シナモロール」がデビュー20周年というのを知りまして。やはり可愛いキャラクターをドットキャラにするというのがいい仕上がりになるかなと。実際、人気も高くて、久々に実施したコラボとして、よかったなという思いがあります。
■「上位特殊2次職」の実装は2023年初夏!
――続いて、いよいよ21年目に突入した『RO』がどんなことをやっていくのか、お聞かせください。
★中村氏
みなさんが一番気にされているのが、新職業についてだと思います。韓国で使われたイラストに加えて、日本側では4次職に続き、シガタケさんにイラストを描いていただきました。職業名についてはまだ最終決定ではありませんが、ほぼそのままいけるかなと思っています。
●新職業名
影狼上位職「蜃気楼(しんきろう)」
朧上位職「不知火(しらぬい)」
リベリオン上位職「ナイトウォッチ」
星帝上位職「天帝(てんてい)」
ソウルリーパー上位職「ソウルアセティック」
スーパーノービス(限界突破)上位職「ハイパーノービス」
サモナー上位職「スピリットハンドラー」
▲韓国版のリアル頭身イラスト。上段左から蜃気楼、不知火、ナイトウォッチ(男)、ナイトウォッチ(女)、中段左から天帝(男)、天帝(女)、ソウルアセティック(男)、ソウルアセティック(女)、下段左からハイパーノービス(男)、ハイパーノービス(女)、スピリットハンドラー(男)、スピリットハンドラー(女)。クリックで拡大した画像を開けます。
★中村氏
ドラム(サモナー)以外の職業系列については、正式名称が「上位特殊2次職」となります。転生を経ずにBaseLv220を目指せる職業になります。ですので、現在の上位特殊職に関しては「上位特殊1次職」という位置づけになります。
――転生後のキャラ、いわゆる転生2次職が「上位2次職」ですから、“特殊”がつくだけで強さが全然違うというのは気をつけないといけないですね。
★中村氏
転生する必要がないぶん育てやすい職業ではあります。どれもそれぞれの職業の特徴を色濃く受け継ぐ職業になっています。
たとえば蜃気楼と不知火に関しては、敵にマーカーのようなものをつけることで大ダメージが狙えるという、リベリオンにもあった感じのスキルが用意されています。それと、これまでは火、水、風属性を使えましたが、さらに闇と地属性のスキルが追加される予定です。属性の忍法については幅が広がると思います。
ナイトウォッチは純粋にリベリオンの進化型といった感じです。遠距離攻撃が強化される感じですね。とはいえ、実装の際にはスキル調整も行われますので、最終的にどのようになるかは調整内容次第だと思いますが。実際、現在のリベリオンも接近して攻撃をするタイプに育てることもできますからね。プレイスタイルに合わせて調整を行っていくことになると思います。
――リベリオンは使用武器によって戦い方も育て方もまったく異なりますから、ナイトウォッチについては着地点も難しいとは思いますが。
★中村氏
そうですね。とはいえ、そういった幅の広さというのは大切にしていきたいなと思います。
天帝については星帝に比べて大きく路線が変わるということはありません。ソウルアセティックに関しても魂のエネルギーを集めて戦っていくことに変わりはありません。回復ですとか、強力な攻撃寄りのスキルが増えると思います。
ハイパーノービスはスーパーノービスを拡張した感じで、さらにいろいろなスキルをつまみ食いする感じになります。
――3次職のスキルも使えたりするのでしょうか。
★中村氏
たしか使えたと記憶しています。それと、スピリットハンドラーについてですが、今度は「虎」と「鹿」と「亀」らしいです。
――えええ(困惑)。やっぱり系統でスキルを取っていけるわかりやすいスキルツリーになっているのでしょうか。
★中村氏
虎が遠距離物理系、鹿が属性攻撃系、亀が主に回復系になっているようです。
で、そんな上位特殊2次職の実装時期なんですが、2023年夏……早めの夏がいいなと思って、いろいろと調整を進めているところです。
――ちなみに上位特殊2次職はすべてまとめて実装となる予定でしょうか。
★中村氏
さすがにお待たせするわけにはいきませんので、一部調整する部分なども出てくるかもしれませんが、全職一気に導入したいと思っています。現在は4次職と差がついてしまっていて、それに関するご投稿などもいただいておりますが、できるだけ早期に実装できるように進めています。
――公式に(意見を)投稿してきたぞ、というのをSNSに上げられている方などもいらっしゃいましたね。
★中村氏
少し裏事情をお話ししますと、実装するものというのは、開発元で実装された順番に追加していかないといけない場合が多いんですよね。拡張職系はもともと韓国でも(4次職とは)実装時期がずれてしまっていまして、その間にどうしても導入しないといけないシステムやアップデートが挟まっています。そういうものはユーザーさんの目に見えないところだったりもするんです。そういった更新を積み上げつつ、スキルなどの調整も行ったうえで新職業の実装ができる段階になるので、どうしても実装時期がずれてしまうというのは避けられないものなんです。
――4次職実装前に超越アップデートが必須だったように、見えないところで準備が必要になっているんですね。
■Yggdrasillワールド「小規模戦」の正式実装は2023年4月中を予定
★山本兼寛氏(以下、山本氏)
通常ワールドでは4次職が実装されましたが、YggdrasillワールドではまだBaseLv200の3次職扱いとして暫定措置を取らせていただいています。次は、今後、Yggdrasillワールドがどう進んでいくのかについてお話させていただければと思います。
その前に、こちらも2022年を振り返らせていただければと思うのですが、Yggdrasillワールドに関してはお約束を守れなかったなという思いがあります。昨年の年頭インタビューではPvEコンテンツの難易度調整などについてもお話しさせていただきましたが、実際にはまったく手をつけられなかったというのが実情でした。
というのも、4次職の実装が順当にいくようならば、Yggdrasillワールドも4次職に対応させようと思って準備をしていました。まず、その4次職の実装がだいぶ遅れてしまったというのがあります。さらに、Yggdrasillワールドの制作チームも4次職実装のお手伝いに投入して、全力で4次職を実装しようという体制になっていました。そういう事情もありまして、Yggdrasillワールドにあまり手を入れられなかったんです。
ただ、そういった流れの中でも、攻城戦YEにおける「小規模戦」といった新たなコンテンツを導入することはできました。
――そもそも「小規模戦」を導入することになった経緯はどんな感じだったのでしょう。
★山本氏
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、RJS(RagnarokOnline Japan Siege Wars)を開催した際には、上位のギルドさんにインタビューという形でいろいろとお話をうかがっているんです。そのなかで「こういう風にしてほしい」「こういうことはできないのですか」というご意見やご要望を多くいただきました。また、「WEBヘルプデスク」から同様の意見に関するご投稿を受けたりもしました。
ならば、そういったご意見を反映させた攻城戦を作るとどういう風になるのかな、というのを検討していたんです。それが形になったのが「小規模戦」というわけなんです。
――具体的にどういった意見が多かったのでしょうか。
★山本氏
たとえば、「マッチング戦」は制限時間が1時間なのですが、「どうあがいても勝てないと思えてしまったギルド相手に1時間戦い続けるのは苦痛です」というご意見がありました。ならば決着がついたら終了になるルールにしてみようと。「マッチング戦」には、守護石やバリケードもありますが、柔らかすぎて機能していないというご意見もありましたので、頑丈にしてみたり。新しいマップが欲しいというご意見もありましたが、さすがに日本側で新たなマップは用意できないので、常に新しい流れになるように“区切り”を設けてみたりしています。
現在はまだテスト運用中ですが、システムもだいぶ安定しています。また、ランキングなどは現在非表示なのですが、ポイントやランキングも実装して正式サービスを開始したいと考えています。
ただ、開催の時間帯はちょっと悩みどころです。現在「小規模戦」は23時スタート、24時終了なのですが、さすがに時間帯がちょっと遅すぎるかなと。しかし「マッチング戦」の終了が22時なので、「小規模戦」を22時を開始にしてしまうと「マッチング戦」に参加されている方が「小規模戦」に参加できなくなってしまいます。逆にもう少し早い時間にしてしまうと、夕方開始などになってしまうんですよね。
――その時間には家に帰ってこられないとか、夕飯の時間だというお宅もあるでしょうね。
★山本氏
そうなんですよね。じゃあ昼……というのも人数を集めにくいですからね。
――さすがに昼間はムリじゃないかなと思いますね(笑)。
★山本氏
かといって「マッチング戦」と同じ時間帯にすると参加プレイヤーが分散してしまうため、それは本末転倒なんですよね。そんなわけで時間帯は非常に悩ましいのですが、今のところは現在の23時から30分くらい早い、22時30分開始にできたらと思っているところです。そんなわけで、まずは1月下旬に報酬やその他の調整を行い、正式実装は4月下旬あたりを予定しているところです。
――報酬に関してはランキング報酬という形になるのでしょうか。
★山本氏
はい。基本的にはランキングに応じた形でお渡しすることになるかと。結構いいものを用意しようとは思っています。ただ、「マッチング戦」ではイベントも実施させていただいていましたが、報酬がよくなると、どうしてもあまりよいとは言えない手段でポイントを得ようとする方も出てきます。このイタチごっこというか、報酬のさじ加減というか、それがちょっと難しくて。
――「小規模戦」だと参加人数が少ないぶん、そういう動きもやりやすい面もありますよね。実際、小規模PvPの「バトルコロッセオ」でもそういう動きがありましたし。
★山本氏
そうなんですよね。そういう点では報酬のグレードは悩ましいのですが、できるだけいいものを用意しつつ……。取引できないアイテムになってしまうかもしれませんが。そういったアイテムを頑張って目指していただけるコンテンツにしていきたいなと思っています。
「小規模戦」は参加されている方が濃密なログなどを公開してくれていたりします。特殊なルールだということもあり、ログを見るだけでも一進一退の様子がわかるんですね。参加人数が少ないぶん、各人の担う役割も大きくて、「1時間なのに疲労感がハンパない」などと書かれていたりもします。「マッチング戦に比べてギュッと詰まった感じのある1時間」という感想もありました。参加者の方はそんな感じで楽しまれていらっしゃいますので、できるだけ早く正式実装していきたいなと思っています。
■「バトルコロッセオ」は大会開催に向けたアップデートを経て2023年4~5月に正式稼働
――さきほど話も出ましたが、「バトルコロッセオ」についてはいかがでしょうか。2022年中はテストが続いていましたが。
★山本氏
いったんテストをクローズし、4次職を導入してスタートを予定しています。具体的な流れとしては、あと1回、4次職の参戦を含めた大きな変更を導入してから正式実装にしていきたいと考えています。現在の「バトルコロッセオ」というのは比較的コンパクトな室内で準備をしてから戦いに赴く感じになっていますよね。それを改修して、準備段階では街のようなマップでコミュニケーションが取れるようにしていきます。
――待機エリアの拡張ですか?
★山本氏
今後はオンライン大会なども開催していきたいと考えているんですね。そういうことになった場合、いったん街のようなエリアに集まっていただいて告知を見たり準備を行ったりしていただけるようになればと。
また、今はテスト期間中ですので、時間限定ではありますが、ほぼ毎日開催されています。こちらも正式実装時には週に2回程度の開催ペースにさせていただければと思います。
――毎日開催ではなくなるんですね。
★山本氏
正式実装後に毎日開催してしまうと、メンバーを集めるのが難しくなると思うんですよ。たとえば先日のようにチャレンジコンテンツである「タナトスの記憶」が実装されたりすると、そっちを遊ぶために「バトルコロッセオ」はお休みしたいというタイミングも出てくると思います。そうなると、「バトルコロッセオ」の参加メンバー全員が同一のコミィニティに属していない場合、歩調を合わせるのが難しくなりますよね。新コンテンツはもちろん遊びたいけれど、週2日くらいはバトルコロッセオに参加しようという感じで、メリハリがあったほうがいいかなと。
あと、これは朗報になるかどうかは人によるかもしれませんが、現在、「バトルコロッセオ」では装備のレンタルを行っています。これに関しては維持しようと思っています。ですので、装備を持ち込めるようになることはありません。その代わり、装備自体に個別のコストを設けようと思います。総コストに収まるように準備していただいて、戦う形式になります。
――これまでのようにとにかく最強装備を求めるというわけにはいかないと。
★山本氏
たとえば、現在のように、属性の違う同じタイプの武器を複数用意してショートカットでローテーションさせていくというのは難しくなるでしょう。また、現在は装備を準備するのもかなり大変だというのもありますからね。
――そうですね。数多くの組み合わせから各方面に対処するための装備を準備するのはかなりハードルが高いですよね。
★山本氏
そこは、なんでも選べてしまうレンタルの弊害でもありますね。コストも設定するとなると、最新の装備の導入は時間がかかるようになると思うんです。コストを設定するためのコストがかかってしまうというか……。
――ああ、運営チームのリアルコストという面ですね。
★山本氏
はい。ですので、現在の最先端の最新装備で戦うというよりも、対戦に適した装備を模索していくというスタイルに落ち着くのではと考えています。というのが「バトルコロッセオ」の内容になります。今のところ、正式実装は4月から5月くらいを考えています。
■1月下旬にはYggdrasillワールドに4次職が導入! 次回以降の「RJS」では4次職での戦いが中心に
★山本氏
続いて対人戦関連では「RJS」についてですが、今年も年3回の開催を予定しています。1回目は2月くらいからを予定しています。というのも、Yggdrasillワールド自体、1月24日(火)から4次職に対応させようと思っているんですね。通常ワールドのほうで4次職の実装後、いくつか不具合を修正していますが、Yggdrasillワールドで4次職を同時に実装してしまうとそういった不具合が影響して大惨事になりかねないので、少し時間をあけての実装となってしまいました。Yggdrasillワールドへの4次職対応後は、「魂の引き継ぎ」などで4次職のキャラを引き継がせることが可能になる予定です。
――Yggdrasillワールドが4次職対応になるということは、対人戦以外のコンテンツ(「ティアマト攻城戦YE」「蜃気楼の塔YE」)でも4次職が使用可能になるということでしょうか。
★山本氏
はい。とりあえず入れるようになる予定です。あとから調整は行うことになると思いますが。まぁそういう意味でいうと、今後の「RJS」は4次職での戦いが中心になってくると思います。1月24日にYggdrasillワールドに4次職が入ることにより、「バトルコロッセオ」以外の対人戦、「小規模戦」や「乱戦」、「マッチング戦」などでも4次職が使えるようになります。とはいえ、こちらの想定していない不具合が出る可能性がないとは言えません。まずは一ヶ月くらい様子を見させていただいて、その間に不具合が起きたら改修させていただきつつ、2月中旬ごろからの大会に挑んでいただくという形になります。
――通常ワールドの「攻城戦」も行われていますが、ちゃんとした戦いが展開されているのかどうかはワールドによってまちまちだと思われますから……。
★山本氏
通常ワールドの「攻城戦」は、物資を自腹で持ち込まないといけませんからね……。消耗品を気にせずのびのびと戦っていただくにはやはり「攻城戦YE」になるのかなと。なるべく早く4次職での「攻城戦YE」も提供したいと思っていますので、もう少しお待ちいただければと思います。
「RJS」に関しては、1回目はさきほども言ったように2月から。2回目は5月くらいから8月くらいまでを予定しています。3回目は9月下旬から12月頭くらいまで。だいたいそのくらいの間隔で進めていきたいと思っていますので、参加される方は想定しておいていただけるとありがたいです。
――スタートしてしまうと10週続きますからね。
★山本氏
今年のYggdrasillワールドの対人戦に関しては、「小規模戦」も含めて、大きな変更点としてはいったん区切りがつくのかなと。まず装備レンタルで挑戦できる「バトルコロッセオ」が対人戦の足がかり、そこからステップアップで上位2次職までのキャラで対人戦を行う「模擬戦」、その次に比較的少ない人数で遊べる「小規模戦」や大人数まで対応した「マッチング戦」といったメインコンテンツが来る感じです。現状、「模擬戦」に関しては上位2次職までのキャラが好きな方だけが遊んでいる状況なのですが、もう少し参加しやすいような施策を導入していきたいと思っています。たとえば上位2次職までのキャラで使える対人用装備のレンタルだとか、報酬として「小規模戦」や「マッチング戦」などで利用できる装備を用意するとか。
――今まではそれぞれのコンテンツを独立して遊んでいるイメージでしたが、ステップアップしてもらえる流れにしてきたいと。
★山本氏
はい。今年はそういった施策を行っていきたいと考えています。
■全体的なPvEの難易度調整が実施に! 「ティアマト攻城戦YE」の変更点の概要は?
★山本氏
続いて、さきほど昨年まったく手をつけられなかったと話したYggdrasillワールドでのPvEコンテンツについてお話しさせてください。まずは「ティアマト攻城戦YE」について。現在は、Easy、Normal、Hard、Infernoという難易度になっていますが、大きく変えていこうと思っています。まず今のInfernoが今後のNormalになります。
――えっ、そうなんですね(笑)。まぁ最近はInfernoでもスムーズにクリアされていますからね。
★山本氏
昔は苦労して殲滅していた部屋も、最近は1~2キャラであっという間に討伐されることが多くて、もうこれがNormalでもいいんじゃないかなと。あ、報酬は現行のInfernoから引き下げるようなことはありませんのでご安心ください。そこがまず基本ですね。そこに上位2次職まで限定の難易度、Extraを追加し、4次職および上位特殊2次職を含む……要はBaseLv201以上になれるキャラ専用のInfernoを追加する予定でいます。さらに別系統になりますがUltimate(アルティメット)というのを追加予定です。
――Infernoのさらに上という感じですか?
★山本氏
いえ、どちらかと言うと亜種みたいな感じに捉えていただければと。Ultimateには人数制限をつけようと思っているんです。現在の「ティアマト攻城戦YE」は基本的には人数制限がなく、多いときには900人オーバーの参加キャラがいます。そこをUltimateでは、たとえば30人に限定したりします。
――「モンスターハウス」や「蜃気楼の塔YE」はどちらも100人前後の制限がありますが、あんな感じの限られた人数で「ティアマト攻城戦YE」に挑むというイメージですか?
★山本氏
そうです。その他、モンスターの強さなど、もろもろ全体的な調整もさせていただいて、新たな「ティアマト攻城戦YE」としてリニューアルしていけたらと思っています。
ひとまずは新Normalと新Infernoを2月末くらいに遊べるように実装していく予定です。また、ExtraとUltimateは報酬などについては別で新たなものを用意しようと考えています。というのも、ExtraとUltimateはいわゆる“やりこみ系コンテンツ”なんですよ。そういう遊びが好きな方はもちろん遊んでくださると思うのですが、そうでない方にとっては特別な報酬がないと挑むきっかけがないかもしれないと考えています。かといって取引できるアイテムだといろいろと問題も出てきかねないので、称号や衣装のようなものを想定しています。そういったものが用意でき次第実装していきたいと思っています。
■「蜃気楼の塔YE」の変更点、Yggdrasillワールド版「モンスターハウス」の実装について
★山本氏
「蜃気楼の塔YE」の難易度調整に関しても今お話しした「ティアマト攻城戦YE」と同様ですね。BaseLv200限度のキャラで挑むNormalと、上位2次職までのキャラで挑むExtra、4次職と上位特殊2次職で参加できるInferno、Ultimateは現在の参加人数よりもさらに少ない人数での挑戦となります。今は最大96人で挑戦できますが、これを……たとえば16人に制限した状態で挑んでいただくなどですね。
ただ、「蜃気楼の塔YE」に関しては、戦闘不能時のペナルティが大きく、遊びづらいという声もありまして、たしかに現在の状態を鑑みるに、ちょっとペナルティが釣り合わないかなと思うところもあります。ですので、この機会に1回目の戦闘不能では退場されないようにしようかなと思っています。ですので、今よりは少し攻めていけるようにもなるのかなと。
――なるほど。少しは気が楽になると。とはいえ、16人で挑戦するとなると、最初のエリアは2名ですよね。敵の強さにもよりますが、ペアで攻略するのはなかなか大変そうですよね。
★山本氏
とはいえ、1エリアに参加できる最大人数は12人で、これは変える予定はありません。ですから逆に、ひとつの塔はまるまる捨てて、ある程度の人数で挑んでいくのもアリです。
――ああ、先のエリアの難度は上がってしまうけれど多人数で進んでもいいわけですね。
★山本氏
そういった作戦など、当日集まったメンバーで話し合っていただければと。「蜃気楼の塔YE」ではそういった変更を導入していこうかと思っています。こちらは4月~5月くらいを予定しています。
それらのあとになりますが、昨年お話ししたように「モンスターハウス」をYggdrasillワールドに移設していく予定です。難易度などに関しては「ティアマト攻城戦YE」や「蜃気楼の塔YE」と同様に、Normal、Extra、Inferno、Ultimateの4つになる予定です。Yggdrasillワールドでの実装と同時に、通常ワールドのほうの「モンスターハウス」は撤去を予定しています。ただ、通常ワールドでは「モンスターハウス」に参加するクエストも実装されています。こちらに関しては、Yggdrasillワールドの新たな「モンスターハウス」に参加することでクリアにするか、それともNPCに話しかけた時点でもうクリア扱いにしてしまうか、検討中になっています。「モンスターハウスYE(仮)」に関しては6~7月くらいを予定しています。
――「モンスターハウスYE(仮)」もほかのコンテンツ同様に4つの難易度での実装となると、これまでとだいぶ変化しそうですね。
★山本氏
そうですね。ただ、戦闘不能になると退場させられて1分間入場できないとか、回復はしてくれるなど、システムはこれまでと一緒です。そんな感じで難易度分けが同じになっているコンテンツが3つになり、それぞれ別々のルールでPvEを楽しめるようになります。だいたいこれらが夏くらいまでに実装を終える予定でいます。
■2023年のYggdrasillワールドの新PvEコンテンツ「不夜城(仮)」
★山本氏
で、そこから先に昨年お話しさせていただいた新コンテンツの実装を予定しています。新コンテンツについて、実はテーマはもう決めていまして、不死種族を対象にした「不夜城(仮)」を実装しようかなと。
――不死種族が敵になるんですね。
★山本氏
はい。不死属性ではありませんのでご注意ください。こちらのコンテンツ、参加するに当たってのコンセプトワードとして「力」、「金」、「運」という3つがあります。これはなにかと言いますと、まずは参加方法の種類になります。
「力」は、「攻城戦YE」(「小規模戦」&「マッチング戦」)になります。「攻城戦YE」で勝利したギルドには1週間に1回の参加権が与えられます。「金」は参加権を「小為替」を使ったオークションによって競り合ってもらうことになります。「運」はNPCに話しかけてもらって、当たれば参加権がもらえるというものです。
――とりあえず「運」は参加しておけって感じですね(笑)。
★山本氏
こちらのコンテンツ、1週間に参加できるのは1回までになる予定です。たとえば、「攻城戦YE」の「小規模戦」と「マッチング戦」双方に勝利したとしても2回挑戦できるわけではありません。“小為替オークション”で権利を手に入れてある状態で「攻城戦YE」に勝利しても同様です。
――たとえ権利を2回手に入れても2回行けるわけではないんですね。
★山本氏
そうです。また、コンテンツの内容に関しても「力」「金」「運」という要素が関わってきます。ダンジョン内を突破するために、当然「力」が必要な場面もあります。また、「金」にモノを言わせてアイテムを集めくる必要がある場面が出てきたり。もちろん「運」が絡んでくることもあります。そういうギミックを入れつつ、最大56人でクリアするコンテンツになっています。
――56人までと決まっているんですね。
★山本氏
ああ、説明が前後しましたが、この「不夜城(仮)」はギルド単位で参加できるコンテンツなんです。参加権を持っているプレイヤーが参加登録NPCに話しかけることで登録を行うのですが、同じギルドに入っているメンバーが参加可能になります。
――参加権1回で1ギルド全員が1回挑戦可能になるということですか?
★山本氏
はい。
――さきほどあった「攻城戦YEの小規模戦かマッチング戦で勝利する」場合に参加権が得られるというのはギルドマスターのキャラにのみ与えられるということですか? 参加メンバー全員に参加権が付与されて、それぞれが56人までのメンバーを引き連れて参加できるということではないんですね。
★山本氏
はい。「小規模戦」、「マッチング戦」で勝利した場合はギルドマスターのキャラにのみ参加権が与えられます。
――逆に抽選でソロの人が当たった場合、急遽ギルドを作って(最大)56人集めて参加する感じでしょうか?
★山本氏
そうなります。運での抽選に参加して、当てる気なんてなかったのにたまたま当たってしまったという方は、たとえばBreidablikワールドなどで残りの55人のメンバーを集めていただいく、と。
――当たってしまったあとの覚悟をした上で抽選に挑まないとですね(苦笑)。
★山本氏
エンドコンテンツのひとつとして導入する予定ですので、報酬もそれなりのものを用意するつもりですし、「小為替」によるオークションに参加する方は“どこまで出資できるか”のせめぎあいになるかと思われます。難度も相当高くなる予定です。とはいえ、全員がハイエンドプレイヤーでなくとも進めるように工夫する予定です。
現在、「タナトスの記憶」などでステータスギミックのためにあちこち走り回っている人とか、剣を運ぶ担当とか役割分担が細分化されていたりしますよね。実はそれって、戦うための装備がなかったりする人への救済措置的な意味合いもあるんですよ。このコンテンツでもそういった尖ったギミックも用意しています。56人全員が何かしらの役割で活躍できるような、かつ全員がサボっているわけにはいかないという内容が用意できればと考えています。こちらは年内を目標に実装を予定しています。
――Yggdrasillワールドでは、2023年の前半と後半でそれぞれ大きなアップデートが行われるという感じですね。
★山本氏
とはいえ前半の実装物に関しては、昨年からある程度準備をしていたものになりますので、多少は予定通りに進ませる自信があります。ただ、4次職を優先した関係上、時間が空いてしまいましたので、再度状況を確認し、改めて実装を急ぎたいところです。やはり早く4次職で遊べるコンテンツが欲しいですからね。
新コンテンツでは、今まで見たことのなかったものを体験していただければと思うんです。実は、Yggdrasillワールドというのは特殊なワールドで、開発元からもイベントワールド扱いになっているんですね。イベントワールドであるならば、日本の運営のさじ加減でいろいろやってもいいよという、特別なお許しみたいなものをしていただいているんです。なにげに、ユーザーのみなさんが思われている以上にYggdrasillワールドって特殊なんですよ。
――日本主導でオリジナルになっている部分も多いと。
★山本氏
そうですね。その点で言うと、ユーザーさんからは「Yggdrasillワールドでできるのなら通常ワールドにも導入してくれ」という意見をいただいたりするのですが、通常ワールドではなかなか難しい施策もあったりします。
たとえば「クローンスキル」や「リプロデュース」でスキルを覚えるにも、YggdrasillワールドだとNPCに話しかけるだけで完了できたりするじゃないですか。ああいうシステムも、Yggdrasillワールドだから限定的に導入できている面があります。同じものを通常ワールドに導入できるかというと、残念ながらそれはできないんです。
たとえば「クローンスキル」や「リプロデュース」でスキルを覚えるにも、YggdrasillワールドだとNPCに話しかけるだけで完了できたりするじゃないですか。ああいうシステムも、Yggdrasillワールドだから限定的に導入できている面があります。同じものを通常ワールドに導入できるかというと、残念ながらそれはできないんです。
★中村氏
Yggdrasillワールドについては、イベントワールド扱いという話がありましたが、同時に実験的な試みもどんどんやっていこうというつもりでいます。ユーザーのみなさんには楽しみながらご協力いただければと思っています。
■年内には新エピソードも実装予定!
★中村氏
再び通常ワールドの話題になりますが、エピソードの追加を予定しています。実装時期は年内……たぶん年末くらいになってしまうと思うのですが。まずはイメージイラストなどを公開させていただければと思います。ここからはネタバレになりますので、「EPISODE:The Double Goddess~祈りの方向~」のシナリオをまだクリアしていないという方はご注意ください。
新エピソードは韓国ではEpisode19と呼ばれていますが、日本では「イスガルド(仮)」という名称になります。「祈りの方向」クエストで、「バゴット」たちがイスガルドに向かったことが明らかになりました。いったんバルムント邸に戻ると「レイジー」が新情報をもたらしてくれます。
――イメージイラストにも「レイジー」がしっかり顔を出していますね。さすがにTシャツ姿ではないみたいですけど。
★中村氏
「レイジー」の情報をもとに、冒険者は、「祈りの方向」で登場した「マラム」と「ミリアム」とともにイスガルドへと向かうことになります。イスガルドは封印された地域になっていて、そこへ行くためにはとあるアイテムが必要になります。そして、「祈りの方向」クエストのラストでも言及されていますが、イスガルドにはヨルムンガンドが封印されています。
――七王家、ゲオルグの王子たちが毒殺された事件でも名前が出ていましたね。
★中村氏
はい。「歴史学者」クエストで登場した“海をのむ大きな蛇”ですね。「祈りの方向」では「バゴット」たちがそいつを復活させようと企んでいるというところまで判明していますよね。次のエピソードクエストでは、冒険者はヨルムンガンドの封印を管理している人たちと会い、状況を確認したりといった話になっていきます。あと、気になるNPCというか動物というか、モフモフした感じの方がいると思うのですが……。
――キリリとした目が印象的なこの方ですね。気になっていました。ひとりだけ「タマリン」らしきキャラもいますが(笑)。
★中村氏
「タマリン」はどうも毎回そういう役回りみたいです(笑)。鳥の方々は「アーウィン」という種族なのですけれど、イスガルドには「氷の城」という場所があり、そこを守護する種族らしいです。もともとは渡り鳥だったそうなんですが、イスガルドが封印されたときに出られなくなってしまったらしいんです。そこで、一緒に封印を管理する役割を担うことになったそうです。そのほかにも飛行船船長の兄弟「トロツク」と「ペルロック」、彼らの兄弟が出てきたりします。
――そうなんですね。過去の伏線(?)が回収されまくっていますね。
★中村氏
ネタ的な話題もありつつもシリアスなストーリーも進みつつという感じになっています。新エピソードの開始条件につきましては、「祈りの方向」をクリアしている必要がありますので、最低でもBaseLv200以上(4次職・上位特殊2次職)になります。
――実装時期としてはどのくらいになりそうですか。
★中村氏
11月くらいでしょうか。少なくとも2023年のアニバーサリーイベント前には実装したいと思っています。
――エピソードアップデートの情報が早く出てきたなという印象はあります。
★中村氏
4次職の実装に注力していて、アップデート全般が動けずに、前回の「賢者の遺産」から「祈りの方向」まで2年くらいかかってしまいましたかららね。そのぶんできるだけ巻きにしてお届けできればと。
――イメージイラストのNPCたち、こうして見てみると4次職のキャラも多いですよね。
★中村氏
そうですね。4次職をベースにした服装になっているNPCも多いですね。今回はストーリーのボリュームも結構あります。あと、「イルシオン」クエスト関連で「アサヒ」っていうキャラがいたじゃないですか。あれに関連するキャラも登場する予定です。
――私、「アサヒ」に関してもよくわかっていないのですが、あのキャラは一体なんなんでしょうか。
★中村氏
あれはイルシオンの悲しき実験に巻き込まれた説が有力ですね。
――説でしかないんですね(笑)。まぁ廃棄場にいますしね。
★中村氏
イルシオンの企みがようやくわかってきたというところですので、ここからどうやって追い詰めていくのかと……。根幹になっているユミルの心臓が出てきたり、神様のお話になってきたり、結構壮大なエピソードになってきていますので、お楽しみいただければと思います。
■日本の人気投票チャンピオンのストーリーが世界に向けて発信! 新コンテンツ「幻想叢書」とは?
★中村氏
そんな感じでメインクエストとしての大きなストーリーはあるのですが、韓国のほうでは現在、そういったストーリーの補完をするようなショートストーリーをお見せする「幻想叢書(げんそうそうしょ)」というコンテンツが始まっています。『RO』のゲーム内で体験できるキャラクターアンソロジークエストみたいな捉え方をしていただければと思います。
★中村氏
韓国のほうではすでにいくつか実装されていまして、「幻想叢書シリーズ」でナンバーが割り振られており、共通の報酬がもらえるようになっています。ショートストーリーではありますが、メモリアルダンジョンでの戦いがあったり、はたまたみんなで協力してチャレンジする内容があったりと、方向性の違う話になっています。それぞれをミニクエストという感じでお楽しみいただければと思います。
韓国のほうではすでにいくつか実装されていまして、「幻想叢書シリーズ」でナンバーが割り振られており、共通の報酬がもらえるようになっています。ショートストーリーではありますが、メモリアルダンジョンでの戦いがあったり、はたまたみんなで協力してチャレンジする内容があったりと、方向性の違う話になっています。それぞれをミニクエストという感じでお楽しみいただければと思います。
――お聞きした限りだと「英雄の痕跡」みたいなイメージがありますが。
★中村氏
「英雄の痕跡」は全部メモリアルダンジョンですが、「幻想叢書」では通常のマップにプレイヤーが集まって行うものもあったりするんですよ。あと、開発元からはレイドバトル的なものも導入したいという話も聞いています。ですので、形式はだいぶ変わってくるのかなと。
それと、「英雄の痕跡」では原作コミックの登場人物がメインになっていましたが、「幻想叢書」では現在のエピソードの登場人物が描かれます。たとえば導入エピソードに「お金持ち家の令嬢は静かに暮らしたい」というお話があります。
冒険者が図書館を訪れた際に、「幻想叢書」という体験型のコーナーができたという話を耳にします。そのひとつに「お金持ち家の令嬢は静かに暮らしたい」というストーリーがあるので体験してみませんかという流れになるんです。いざ体験する段になって、七王家の「アグネス・レベンブルグ」が現れ、冒険者と一緒に体験してみることに……。しかし、体験中、いろいろと事件が勃発して、「聞いていた内容と違うんだけど?」という展開になっていきます。
――アグネスと一緒に冒険することになるんですね。
★中村氏
そうです。“名探偵アグネス”みたいな感じで進んでいきます(笑)。
――なるほど(笑)。
★中村氏
この「幻想叢書」、日本での実装時期自体はちょっとまだ調整中なんですが、今なぜこの話をしたかと言いますと、昨年末のアニバーサリーイベントでキャラクター人気投票を行ったじゃないですか。実は、グランドチャンピオンに輝いたキャラのストーリーが「幻想叢書」の1エピソードとして開発されることになっているんです。
もともと人気投票グランドチャンピオン用にオリジナルストーリーを作れますかというご相談をさせてもらっていたのですが、開発元から、せっかくだから「幻想叢書」のひとつとして開発したいというご提案がありまして。日本側の要望で導入してもらうコンテンツではありますが、結果的に世界中でストーリーを楽しんでいただけることになります。
――日本プレイヤーの投票が世界中の『RO』に影響を与えることになるわけですね。
★中村氏
人気キャラクターということになりますし、世界各国のユーザーさんにも受け入れてもらえるのではないだろうかという感じですね。
――これは投票の前に聞きたかった話ですね。オリジナルストーリーが制作されるという告知は出ていましたが、ちょっとした会話劇で終わる感じなのかなと思っていた方もいると思うんですよ。
★中村氏
ガチで開発元に作り込んでいただきます(笑)。
――予想以上にデカいコンテンツになって返ってくるので、投票に参加した人はあとから驚くのではないかと。
★中村氏
ほかにも、グランドチャンピオンが着ていた特別な衣装を「幻想叢書」に取り入れてもらったり、動くドットキャラを入れてもらったりする予定でいます。今回ご紹介させていただいたのは「幻想叢書」を実装しますよーというよりも、人気投票キャラのショートストーリーがこういう形になって実装予定になっていますよというお知らせ的な感じですね。
――とはいえ、「幻想叢書」自体、2023年内の実装を予定されているのでしょうか。
★中村氏
そうですね。年内には人気投票グランドチャンピオンのキャラのエピソードは実装していきたいと思っています。
――日本では「幻想叢書」のスタートエピソードである「お金持ち家の令嬢は静かに暮らしたい」のあと、人気投票グランドチャンピオンのエピソードが優先して実装される感じになるのでしょうか。
★中村氏
うーん、「幻想叢書」自体、各話にナンバーが割り振られていて、順番になっているんですよ。その番号の扱いをどうしようかということで、開発元とご相談させていただく感じになると思います。一応、日本側の要望としては人気投票グランドチャンピオンのエピソードを最初に入れたいなということで交渉していきたいと考えています。前のストーリーが絡んでいると、順序を入れ替えて実装するわけにもいきませんが……。そんな感じでガチで作り込んでいただけますので、楽しみにお待ちいただければと思います。
――たしかに、俄然楽しみになってきました。
■“4次職パッケ”の発売予定はあるの……? 「まだその時ではない」
★中村氏
おおまかな2023年のアップデートとしてはそんな感じになります。20周年で燃え尽きたとは言わせないぞという勢いで頑張っていきたいと思います。
――プレイヤーとしては、4次職が実装されて、これからという感じですからね。
★中村氏
「4次職を実装して満足したらサービス終了するんじゃないか」なんてことを言われたりもしていましたが、そんなことはありませんので(笑)。今後も新職業や新しいコンテンツが増えていきますよ。現在行われている「ミミミのミッションマスター」や「モンスター大討伐2022」なども、2月末まで開催されていますので、まだ4次職を育てていないという方も、引き続き育成に挑戦していただければと思います。また、これらのイベントに関しては状況を見つつ、2月末を迎えていったん終了したあとで、リスタートさせることも検討しています。
――おお。そうなんですね!? たしかに「ミミミはもう何キャラか(利用可能キャラを)増やしてほしい」という声も多いですよね。
★中村氏
はい。現在どのようにするか検討しているところです。復帰してこられた方でもまずは4次職になって楽しめるようにしたいと思っているんですよ。そして、今後実装される上位特殊2次職にも、すぐ転職できる環境を用意しておきたいなというのもあります。実際、20周年のアニバーサリーで久々にログインされたというユーザーさんが非常に増えていたんですよ。アニバーサリーイベントでは「20thスタンプラリー」に7日間参加するだけで「レベルアップチケット(BaseLv200)」がもらえて、すぐに4次職になれるというのも魅力になっていて、けっこう盛り上げていただきました。そういう感じで新しいコンテンツで遊べるような流れができればいいなと思っています。
――4次職に関連して、わりと多くの方が気にされているであろう質問をさせてください。4次職が実装され、今後上位特殊2次職も実装されますが、3次職のスターターパックのような感じで“4次職パッケージ”が販売される予定などはありますか?
★中村氏
何を求めているのかにもよるのですが、3次職スターターパックでご好評いただいたのはやはり装備アイテムかなと思っています。みなさんの考える“4次職パッケ”が、それと同じような作り方をするならば、特定の4次職のスキルが使いやすくなる装備が付属するという感じなのかなと。
――そうですね。
★中村氏
4次職はまだ実装されたばかりでして、そこで“パッケ装備”をご提案してしまうと、我々運営チームが4次職の育成スタイルを固めてしまうことになりかねません。まずは4次職のスキルを自由に選んで遊んでいただいて、個人個人で自分の4次職キャラのスタイルを模索し、「こういう遊び方ができるんだ」という発見を楽しんでもらいたいんです。『RO』って、昔から、キャラ育成の自由度が高いことが魅力のひとつになっています。まずはその自由度の高さを楽しんでいただきたいんですよね。ですので、“4次職パッケ”および“パッケ装備”をご提案するのはまだ早いかなと考えています。
――4次職になったあとで、この装備があれば、とりあえず主要コンテンツ程度はクリアしていけるというものを求めているのかなと。
★中村氏
そうですね。ただ、現時点ではたとえば「レベルアップチケット(BaseLv200)」をイベントで配布したりですとか、成長に関する手助けを厚くサポートしている感じで、まずは4次職を触っていただけたらなと。
――「(4次職パッケは)まだその時ではない」という感じですか。
★中村氏
(笑)。たしかに一言で言っちゃうとその通りです。
★山本氏
未来永劫“4次職パッケ”は出さないということではありませんからね。3次職を実装した際も、スターターパックが発売される前まではそれぞれのスキルを使って遊んでいただいていましたし、現在は4次職のスキルからお好きなスタイルで遊んでいただけたらと。それに3次職のスキルが使えなくなったわけではありませんので、現行のスターターパックの装備を利用して3次職スキルで遊んでいただいてもいいと思います。
――3次職スターターパックが出た当時も、3次職であまり使っていなかったスキルが超強化されて新しいスタイルが提案されたという感じでしたね。今まで使っていなかったスキルが使えるスキルにグレードアップされて新鮮な印象があった職業もありました。
★山本氏
3次職スターターパックが出たタイミングって、3次職関連のアップデートがいろいろ導入されたあとでした。たとえそこから復帰したとしても、3次職の装備を集め始めるのが大変だなと思えてきた時期でもあったんですよ。かたや、今は、4次職を始めても、4次職用の装備はまだ少なく、言わばスタートラインはほぼ一緒です。この先しばらく経過していくと、徐々に4次職用の装備も実装されて増えていくと思います。そうなった状況で、どの装備を手に入れたらいいかわからないという人が多くなってきた頃に、ならばパッケージとして販売しましょうという企画が出てくることはあると思います。
★中村氏
4次職ではシャドウ装備などもあって、いろいろと今後実装されていきますし、装備の幅も広がっていくと思いますので、まずはご自身で4次職の可能性を試していただければと思います。
――話は変わりますが、今年も季節イベントは例年通り開催されていく感じでしょうか。
★中村氏
そうですね。近いところで言うと2月のバレンタインですか。王家筋の方々(NPC)の新たなサインカードなども実装予定になっていますよ。
――また増えちゃうんですね!? サインカードはともかくとして、もうちょっとサイン会イベント自体を体験できるチャンスが増えてくれると嬉しいのですが……。
★中村氏
なるほど、なかなか難しいところではありますね。サインカード自体が結構強力というのもありますからね……。季節イベント関連では、昨年の「スケルタル・マッスルのムキムキブートキャンプ 第三筋」で実施した「マッスルマーチ」が非常に好評でした。
――たしかに面白かったですね。3連続でウンバラコースが来て「ムキーッ」ってなったりもしましたけど(笑)。アカウント内で1キャラしか挑戦できないのが残念でした。ということは今年もブートキャンプは期待できそうですね。では最後にプレイヤーのみなさんへメッセージをいただけますでしょうか。
★山本氏
Yggdrasillワールドではここ1~2年、PvP寄りの施策が多かったので、今年こそはPvEコンテンツにも注力していきたいと思っています。期待して待っていただけている方もいらっしゃると思うのですが、お待たせしてしまって本当に申し訳ありません。頑張りますのでよろしくお願いいたします。
★中村氏
まずは、新規で『RO』を始めようと思ってくださる方ですとか、久々に復帰してみようかなと思われている方のために、2月末まで「モンスター大討伐2022」や「ミミミのミッションマスター」など開催していまして、こちらに参加していただければ、比較的早く4次職に転職できると思います。今が良いチャンスだと思いますのでぜひ(笑)!
『RO』は正式サービス開始から21年目を迎えましたけれど、これだけ長くサービスを続けられるというのは楽しんでいただいている皆さんのおかげだなと思っています。ありがとうございます。もちろん、まだまだ韓国でのアップデートは続いていますし、逆に日本からご提案をさせていただいて、さらに面白くできるような内容もあったりすると思っています。開発元のGravity社さんにも協力していただいて、もっともっとみなさんに楽しんでいただけるようにしたいですね。20thアニバーサリーイベントの盛り上がりなどのおかげもあって、数年ぶりくらいに『RO』の話題を見かけたという方もいらっしゃると思います。『RO』自体、すごく進化していて、遊びやすさはもちろん、短めのプレイ時間でも楽しめる作りなど、いろいろなところで改良を進めていますので、今後も継続的にログインして楽しんでいただけたら嬉しいです。